ファイトカード

ハッスルエンディング

「ありがとうございました!皆さんの応援のおかげで、高田モンスター軍に勝つ事が出来ました!」と高らかに勝利の雄叫びを挙げるジュードー・オー。しかし、ここで重大発表が!
「皆さんに謝っておきたい事があります。昨日、ジュードー・オーに連絡したんですが、クリスマス休暇で連絡がとれず、実は私が代わりに入ってました」とマスクを脱いだジュードー・オー。するとその正体は、驚くべき事に小川直也ではないか!
「ジュードー・オーからの伝言があります。皆さんにくれぐれもよろしく、とのことです」と小川。「対抗戦、勝ちました。全勝ですよ、全勝!」ともう一度、勝利の喜びを噛み締めると、メインイベント最大の立役者、ハッスルRIKISHIに握手を求める。「RIKISHIありがとう。あんた、さすがスーパースターだよ。これからもよろしく!」。
 そして、小川はハッスル軍に全員集合をかけた。続々と、リングインするハッスル軍。するとここで、小川からのお知らせが。皆さんにお知らせがあります。来年に向けてハッスル軍の中軸メンバーを、一人揃えたいと思います。Mr.USAに中軸になってもらおうと思います」と発表し、「今から覆面を脱いでもらいます」とMr.USAに覆面を脱ぐように指示した。
 マスクを脱いだMr.USAは、なかなかの色男。小川も「カッコいいな」とひと言。「彼はミスター・タイタスと言います。来年からはハッスル・タイタスとして来年から活躍してもらいます。通称“ハッスルT”です」と紹介した。“ハッスルT”に就任したタイタスは、「ティー!」とよく分からない挨拶。どうやら天然のようだ。しかし、ハッスルTと言えば、ハッスルKは何処へ行ってしまったのだろうか?小川も「ハッスルK、出て来いよ!また引きこもりと言われるぞ」と呼びかける。
「川田コール」に誘われて、川田がリングイン。小川へ向かって、「俺は引きこもりじゃねぇぞ。どっちかと言えば、目だちてぇんだよ!」と衝撃の告白だ。「大体、今日はリング上でヌンチャクを披露しようと思ってたのにその前に襲撃されるし、控え室ではコイツ(石狩)が主役だし」と不満をぶちまける川田。石狩を一瞥して、「それ、俺の短パンじゃねぇか!」とまたしても石狩を一喝する。返す刀で小川には、「お前は最近、テレビとかCMに出すぎだろ。少しはハッスルKにも回せよ」と注文をつけた。突然の申し入れに、「あまりにも唐突で、返す言葉がないよ」と戸惑う小川。
 川田は観客席に向き直り、「今年1年、ハッスルKそしてハッスルに応援ありがとうございました。来年も今年どおり、“俺だけのハッスル”を行かさせていただきます」と宣言した。
 最後を締めるのは、もちろん小川だ。「来年もハッスルしましょう!」と例のポーズに行こうとしたが、そこへ「皆さん、誰か忘れちゃいませんか?」との声。そう、今日はまだ一度も出番がない笹原GMだ。GMはサンタクロースのコスプレをして、大きなプレゼントの袋を持って登場。プレゼントの中身はハッスルカレー、ハッスルドリンク、ハッスル注入DVDなどだ。ここで川田が「なんでハッスルKカレーがないんだよ」と注文をつけると、GMは「次の機会に」と答えた。サインボール投げが行われ、プレゼントもファンに配布。ファンにとっては、かなりお得なクリスマスだっただろう。
 そして最後は、小川直也考案の「ハッスル・クリスマスバージョン」で締め括られた。「3、2、1、ハッスル!ハッスル!!」の後、「クリスマス」で両手をウルトラマンのスペシウム光線のようにクロス、そして「ハッスル!」である。
 終わりよければ全てよし。ハッスル軍の快勝で2004年のハッスルは幕を閉じ、日本プロレス界の平和は守られた。来年は2月8日と9日に後楽園ホールで『ハッスル・ハウス』、2月11日に名古屋・愛知県体育館で『ハッスル7』でスタートである。果たして、全敗を喫した高田総統の心境は?責任を負う島田&アン・ジョーの安否は?そして、インリン・オブ・ジョイトイの今後の活躍は!? 
 それでは、また来年もハッスル!ハッスル!!

メインハッスル

10分51秒 バンザイドロップ→体固め

 昨日12月23日の『ハッスル・ハウス クリスマススペシャル12・23』での対抗戦で勝利を収め、本日のプロデュース権を掌握した高田総統に、欠場を命じられてしまった小川。代わりに『ハッスル6』に一度だけ登場した、ジュードー・オーを連れて来いと言われてしまった。
 ジュードー・オーといえば、ハッスル軍の中村カントクも「さすがの私も目を疑いましたからね」と、仲間からもダメ出しをされてしまった選手である。友人の小川のためとはいえ、急なオファー、しかもアメリカ在住なので試合時間に間に合うかどうかが心配された。

閉じる「元オリンピック銀メダリスト、ジュードー・オー!」とのコールを受けて、青い柔道着に身を包んだジュードー・オーが姿を現した。どうやら間に合ったようである。観客席からは「ジュードー・オー」コールが巻き起こる。高田モンスター軍は、“地獄からの使者”白使、ロシアン54、そして高田総統によって強引にモンスター軍入りさせられてしまったハッスルRIKISHI改めドゥー・ザ・ハッスルRIKISHIの登場だ。1対3のハンディキャップマッチである。
 先発はロシアン54。ジュードー・オーは、コーナーに待機するRIKISHIにクレームをつける。しかし、高田総統にマッチメイク権を奪われてしまったのだから、これは仕方がないところ。ロシアン54はジュードー・オーのショルダーアタックを受け、倒れないところをアピールしたが、あっさりと払い腰で2回宙を舞う。続いて巴投げを繰り出したジュードー・オーはさらに、観客席からの「ジュー、ドー、オー!」の掛け声に合わせたジュードー・オー投げで、ロシアン54を2度投げる。
 たまらずRIKISHIにタッチを求めるロシアン54。しかし、RIKISHIはタッチを拒否する。仕方なく白使が代わって出るが、白使がタッチを求めてもRIKISHIは拒否。
 白使はジュードー・オーの帯を外し、その帯をジュードー・オーの首に巻き付けて絞め、コーナーポストの上に乗って首吊り状態に。続いて今度は道衣を脱がし、頭からすっぽり被せて帯で縛ってしまう。痛めつけられたジュードー・オーは白使をバックドロップから腕十字に捕らえるが、ロシアン54にギロチンドロップでカットされてしまう。ハンディキャップマッチのため、孤軍奮闘するジュードー・オーだが、戦力の差は一目瞭然だ。
 コーナーでダウンするジュードー・オー。ロシアン54、白使がヒップアタックを見舞い、RIKISHIを呼び込む。すると、RIKISHIがついにリングイン!しかし、左右に首を振って攻撃は拒否する。ここで見るに見かねたMr.USAが登場するも、サブレフェリーに阻止されてしまう。
 絶体絶命のジュードー・オー!場外へ落とされると、島田参謀長は奇襲によって失神した中村カントクをリングに上げ、リンチを始める。ここでついに、RIKISHIの堪忍袋の緒が切れた!ロシアン54、白使を蹴散らし、着ていたモンスター軍のTシャツを引きちぎる! そして、コーナーでダウンさせた島田参謀長に、必殺のスティンクフェイス!
 その間に、Mr.USAが中村カントクを救出し、ジュードー・オーがロシアン54にSTOを見舞う。ダウンしたロシアン54に、RIKISHIのヒップドロップが炸裂! カウント3を奪い、見事な友情プレーでハッスル軍が勝利を収めた。これで対抗戦も、全勝である。
 最後はお約束のRIKISHIのセクシーポールダンス。ジュードー・オーとMr.USAも参加し、一緒に腰をクネらせた。


セミハッスル

7分33秒 ブレインバスター→片エビ

 因縁の対決がここに実現!昨日のハッスル・ハウスで屈辱のフォール負けを喫したハッスルKが、自ら直訴する形で決まったモンスターCとのシングルマッチ。川田はこの大一番に備え、控え室でスクワットに励む。そして汗を拭こうとタオルが探すが手元にない。「石狩っー!石狩っー!」と叫ぶ川田。何度呼んでも石狩は姿を見せない。すると川田の目に1枚の封筒が飛び込んできた。
 封筒を開けると、中には石狩からの手紙が入っている。川田はその手紙を読み始めた。

(BGM『北の国から』のテーマ)
 「川田さん、調子はいかがですか?大事な試合を控えている川田さんの邪魔をしないように、僕は席を外します。
 川田さんの付き人になって2年。川田さんには迷惑ばかりかけてきました。そんな僕は本当に付き人失格なわけで。
 そんな僕に川田さんは暖かく接してくれました。今年最後のハッスル・ハウス。モンスターCには絶対に勝ってください」

 石狩との思い出が、走馬灯のように頭を駆け巡る川田。その目には光るものが浮かんでいる。
 するとここで何事もなかったかのように石狩が控え室に入って来る。「試合の後のシャワーは気持ちいいですね」と呑気に笑顔を浮かべている。どうやらシャワーを浴びにいくためだけに、わざわざ神妙な文面の置手紙をしたらしい。しかも石狩が腰に巻いているのは、川田が必死になって探していたタオルだ。
 「お前!それ俺のタオルじゃねえか!」それまでの感傷的なムードから、一気に怒りが沸点に達そうとする川田。そんな川田の気も知らず、石狩は「試合前にそんなにイライラしちゃ駄目ですよ。ストレスを溜め込まないで」と、またしても川田の気持ちを逆なでするような言葉を口にする。そんな石狩に川田は「お前の存在自体がストレスなんだ!」と強烈なローキックを叩き込んだ。
 部屋の角にポツンとたたずむ石狩。再び『北の国から』のBGMに乗って「来年こそは僕だけのハッスル…」と呟くのであった。

閉じる 先に入場したモンスターC。ハッスルKがリングに上がるのを待ちきれず、花道の川田に襲い掛かっていく。
 「C」と「K」の掛け声に合わせてモンゴリアンチョップを打ち合う。その後も一歩も引かない二人。足を止めあってローキック、顔面蹴りの応酬だ。二人の熱い戦いはリング内だけに留まらない。クリーンなファイトが信条の川田も、場外でモンスターCを鉄柵に投げ飛ばす。対するモンスターCも川田の頭を掴み、客席を連れまわし、ファンのど真ん中でエルボーの打ち合い!先にリングに上がったモンスターCは掟破りの逆ストレッチプラムを極める。モンスターCの顔面を蹴り上げて、何とか脱出した川田だったが、勢いは完全にモンスターC。DDT、STO、リキラリアットと大技を連発して、川田を追い込んでいく。「CCC!」の声に合わせてカウントが進むが、川田も何とかカウント2で肩を上げる。
 しかしバックドロップを狙ったモンスターCの一瞬の隙を付いて、川田がフロントキックで迎撃。強烈な延髄蹴りを決めて、垂直落下式のブレーンバスターで、モンスターCをマットに沈めた。すると怒りの川田は何とモンスターCのマスクに手をかけ脱がそうとする!完全にマスクが剥がされ、素顔が露になったモンスターCだったが、すんでのところでアン・ジョー司令長官が救出に入り、モンスターCの頭にタオルをかけて、トボトボと去っていった。
 マイクを握った川田は島田参謀長をマイクで呼びつける。名指しで呼ばれ島田参謀長はビビりまくり。川田が「鉄策の中まででいいから一人で来い!」と言っても、花道の奥から出てこようとしない。アン・ジョー司令長官に付き添われ、ようやく鉄柵の中に一歩足を踏み入れると、川田は「忘れもんだよ」と、モンスターCのマスクを島田参謀長をめがけて投げつけた。ハッスルKの渋いハッスルぶりに会場からは大歓声が!モンスターCとの宿命の対決を制したハッスルKは、会場をも自分色に染めてみせた。


第4ハッスル

8分20秒 回転エビ固め

 12月1日、高田モンスター軍がハッスルドリンク発売記念の『シークレット・ハッスル』で盛り上がっている頃、“キャプテン・ハッスル”小川直也はザ・グレート・サスケを伴い、映画『カンフーハッスル』の試写会を襲撃していた。1月1日より全国公開されるこの映画に、「ハッスルを勝手に使うのは許さない」と小川が文句をつけに行ったのである。
 しかし、『カンフーハッスル』を見終えた小川は、「すいませんでした。ハッスルの名に恥じない映画でした」と監督・制作・脚本・主演のチャウ・シンチー氏にお詫び。チャウ監督は、その場でサスケに“カンフーハッスル仮面”に変身する事を提案した。小川も「サスケ!カンフーハッスル仮面になってもらうからな」と、その場でサスケに言い渡した。
 試写会終了後、チャウ監督の控え室に訪れた二人。小川はサスケに、チャウ監督から“カンフーハッスル魂”を授けてもらうように指示、チャウ監督がサスケの身体に触れると、サスケの体が光に包まれた。“カンフーハッスル魂”の注入完了である!
 一方、こちらは高田モンスター軍の指令本部。今回が初登場のモンスター、サタン・ザ・サンタを不安げに見回す島田参謀長。そこへ、「島田よ、サタン・ザ・サンタが気になるようだな」との声が!高田総統は「今日は用事がある」と帰ってしまったはずだが? 声の主は、総統の帽子と杖を身に付けて、総統の椅子に座っていたアン・ジョー司令長官であった。声色も真似して、高田総統のように説明を始める。
「サタン・ザ・サンタは悪魔に魂を売ったサンタの化身だ。彼の得意技であるクロー攻撃、サンタクローは顔面をケーキのように握りつぶしてしまうと聞く。きっとハッスル軍に、死という名のプレゼントを贈るだろう」ともっともらしいアン・ジョー司令長官。島田参謀長が、「何やってるんですか、ずるいですよ」と突っ込みを入れると、「OH!島田サン、総統がミッシングなので、総統のライトハンドであるミーが代わりデース」といつもの調子に戻った。
 そして、アン・ジョー司令長官は、これも誰かの声色を真似て「行くぞーっ!」と叫ぶ。「イチ、ニ、サン、ターッ!」とこれも誰かの真似のように拳を突き上げた。

閉じる 巨体のサタン・ザ・サンタが場内に姿を現した。モンスター軍マーク入りのプレゼントを客席に配り、リングイン。一方のザ・グレート・サスケいや、カンフーハッスル仮面は、『カンフーハッスル』のテーマに乗って登場だ。
 サンタは正々堂々と闘おう、と言わんばかりにカンフーハッスル仮面に握手を求める。しかし、これは罠だった。握手に応じてしまい、サンタの驚異的な握力に悶絶するカンフーハッスル仮面。さらにサンタは、圧倒的な体格差を利して、カンフーハッスル仮面をちぎっては投げ、ちぎっては投げる。
 カンフーハッスル仮面を軽々と頭の上にリフトアップして、場外へ投げ捨てるサンタ。場内からは「飛べ!」コールも湧き上がるが、当然、巨体のため飛べるわけはなくゆっくりとリングを降りたサンタ。カンフーハッスル仮面をヘッドバットやパンチで痛めつけ、再びリフトアップしてリング内に放り込む。
 そしてサスケの顔面に必殺のサンタクロー!もがき苦しむカンフーハッスル仮面!さらにサンタは、肩へのショルダーサンタクロー、胃へのストマックサンタクローとやりたい放題。脱出したカンフーハッスル仮面はローリングソバット、フライングキックなどの飛び技で対抗し、フライングボディアタックを繰り出したが、これはサンタに受け止められパワーボムで切り替えされる。
 圧倒的な体格差に苦しむカンフーハッスル仮面だが、サンタの突進をサッとよけ、場外へ転落させる。ドロップキックを見舞い、コーナーポスト最上段に駆け上ったカンフーハッスル仮面は、カンフーポーズを決めて頭からまっ逆さまにサンタの上に落ちるダイビングヘッドバット!観客席からはこのスゴ技に、「ありえねー!」と『カンフーハッスル』のキャッチコピーを叫ぶ声が挙がる。
 カンフーハッスル仮面は、リングに上がったサンタにフライングボディアタック! これはサンタに受け止められたが、そのまま回転エビ固め。倒れずにパンチを見舞ったサンタだが、カンフーハッスル仮面がエビ固めに丸め込んでカウント3!大苦戦の末、勝利を収めた。1月1日から公開される『カンフーハッスル』も、この勢いで大ヒットしそうな予感である。


第3ハッスル キャプテンフォールマッチ(キャプテンは石狩太一とジャイアント・シルバ)

8分14秒 ギロチンドロップ→片エビ

 ハッスル初の試みとなったキャプテンフォールマッチは、両軍のキャプテンから3カウントを奪うまで続くという団体戦。キャプテンだけでなく、周りのメンバーがいかにキャプテンをサポートするか?が鍵を握る戦いだ。チームワークを駆使して戦うハッスル軍に対して、個々のパワーを生かして戦うモンスター軍。勝利を手にするのはどちらか!?
 試合前、リングに上がったアン・ジョー司令長官。高田総統から直々にプロデュース権を引き継いでいるため、両軍のキャプテンが自分が指名すると言い始めた。そしてアン・ジョー司令長官が指名したのはジャイアント・シルバと…石狩太一だ!

閉じる 思いがけないキャプテン指名で「無理無理」と弱気な石狩。これに怒ったのはキャプテン・ハッスルの一番弟子・藤井軍鶏侍だ。戦意を見せない石狩を場外に投げ飛ばし、自ら先発を買って出た。
 威勢良く飛び出していた藤井だったが、この気合が空回り。コーナー最上段からダイビングエルボーを狙うも、距離を見誤るという初歩のミス!モンスター軍に滅多打ちにあい、シルバのチョークスラムで、いきなり戦闘不能に追い込まれてしまった。
 藤井を葬ったモンスター軍の次の標的はもちろんキャプテンの石狩。モンスターソルジャー001、002の合体攻撃、ピラニアン・モンスターのフライングボディプレスで3カウントを奪われかけるも、中村カントクやMr.USAのカットで何とか脱出するのがやっとだ。さらにリングインしたカズとは、全く息が合わず何度も誤爆を繰り返す。カズが石狩に掴みかかり、仲間割れを起こしてしまう。
 しかしゲラゲラと笑い転げるモンスター軍を尻目に、がっちりと熱い抱擁を交わす二人。モンスター軍を欺く罠だったのだ。唯一モンスター軍とパワーで互角に渡り合えるMr.USAを上手く使ってボビッシュを弱らせると、坂田とカズが二人がかりでブレーンバスター。ボビッシュを場外に落とすと、カズがボビッシュにダイブする。次にリングに上がったサイコ・ザ・デスには坂田と石狩がキック攻撃。さらに一回り大きなシルバにはMr.USAと3人がかりで襲い掛かる。Mr.USAがジャンプしながらのエルボーの連打とギロチンドロップ。坂田がコーナーに駆け上がり、さあトドメのハッスルスタンプだと思いきや…
 なんとMr.USAはそのままフォール。3カウントを奪ってしまったのだ。呆然とする坂田。一番の見せ場を取られてしまい、何ともやりきれない。勝つには勝ったものの、すぐにリングを降りて一人で控え室へと帰ってしまった。一方、リング上では喜びを爆発させるMr.USA。そのとなりでは、あまり活躍していなかったはずの石狩も便乗してポーズを取っていた。


インリン劇場

 SMの女王様を思わせる、セクシーなレザーファッションで颯爽と場内に姿を現した高田アマゾネス軍リーダーのインリン・オブ・ジョイトイ。リング中央に立ち、場内を見回す。
「モテないプロレスファンの諸君、私が総統の命を受けて高田アマゾネス軍のリーダーに就任したインリンよ!」
 場内はさっそく大ブーイングでおもてなし。インリンは顔色ひとつ変えず、話を続ける。このアマゾネス、なかなか図太い神経を持っているようだ。「今回はアマゾネス軍、負けちゃったけど次回は必ず勝ちますわよ。Hikaru、覚えてらっしゃい」とリベンジを宣言。だが「初登場なのに負けてしまって腹が立つ、帰りますわ!」とご気分を損ねてしまったようである。
 だが、そこに待ったをかけたのが中村カントクだ。「おい、何とかトイトイ!」とマージャンのやりすぎを窺わせる中村カントクだが、「お前たちのチームは負けたんだろう?日本では負けた時、懺悔をするんだ。お前が最も得意とするポーズをこの場でやれっ!」と、セクハラまがいのナイスな提案を行った。インリンが得意とするポーズとは、言うまでもなくモンスターの“M”をかたどった、M字開脚の事である。
 島田参謀長が「ふざけるな!リーダーにそんな事、やらせられるか!」と抵抗したが、インリンは「あのおっさんの言うとおり、このまま帰るのはもったいないわ。観客にも聞いてみるわ」と意外にも乗り気。なかなか潔い態度だ。これには観客も爆発的な「M字コール」で応えた。「このまま帰ってもいいのか?」とインリンが問いかけると、場内は大ブーイング。「では、私のM字ビターン!が見たいか?」と問いかけると、場内からはヤンヤの喝采が上がる。後楽園ホールはハッスル史上最大の盛り上がりをみせ、大熱狂に包まれた!まさに興奮の坩堝!
「そんなに洗脳されたい?本当に洗脳しちゃうわよ」とインリンが言っても、「Yeeeeah!!」としか答えない観客。すでにすっかり洗脳されてしまったかのようである。
 そしてインリン、「そんなに見たいなら、見せてあげるわよ!」と宣言。後楽園ホールが大歓声で揺れる!リング上には、インリン特製のお立ち台が用意された。島田参謀長は、中村カントクに「デジカメ持ってるんじゃないだろうな!お前、ハッスル携帯サイトに投稿するつもりだろう!」と注意するが、中村カントクはかぶりつきから離れない!
 島田参謀長からは、M字ビターン!の説明がなされる。「いいか、お前たち。3、2、1、でリーダーがM字ビターン!をやったら、“モンスター!”と叫ぶんだぞ」。
「では諸君、行くわよ!」と掛け声をかけるインリン。「3、2、1、ビターン!」の声と共にしゃがみ込み、見事なM字開脚を披露する!後楽園ホールは総立ちだ!なんと、反対側の観客席にもM字ビターン!をサービスする。うっとりと見とれていた中村カントクは、Hikaruに鉄拳制裁を受けていた。
 屈辱どころか、満足した表情で引き上げていくインリン。それもそうだ、観客はM字ビターン!にすっかり洗脳されてしまったからである。彼らは今後も、M字ビターン!を見たさに会場へ足を運ぶだろう。


第2ハッスル

7分13秒 ショーンキャプチャー

 高田総統の新たなる試みとして投入された女子プロレス部門。高田モンスター軍は「あり得ない、信じられない、ゾッコン」を略して名付けられたアリシンZを用意し、さらに高田アマゾネス軍のリーダーとして“エロテロリスト”インリン・オブ・ジョイトイが就任。対するハッスル軍は中村カントクの秘蔵っ子、元気のいいその名も“ハッスルなでしこ”Hikaruを起用した。
 その第一弾は、男女混合タッグマッチ。Hikaruは日高郁人と、アリシンZは高田モンスター軍に魂を売り渡した葛西純とそれぞれタッグを結成し、試合に臨んだ。

閉じる 激しく火花を散らすHikaruとアリシンZ、まさに女と女の意地が爆発寸前だ。HikaruがアリシンZにけしかけると、それを葛西が邪魔する。Hikaruはロープに飛んでタックルを仕掛けるが、葛西は「俺は男だ!」と叫びながら吹き飛ばす。再びHikaruとアリシンZの一騎打ち。HikaruはコーナーのアリシンZにショルダーアタックを連発し、さらにマウントパンチだ。
 両軍タッチ。日高がバックを奪うと葛西はエルボーで脱出、ロープへ走っていこうとするが、自慢の尻尾を掴まれてしまう。怒った葛西は日高に急所蹴りをお見舞いする。そこへアリシンZがキック、場外へ転落した日高を葛西に抑えるように指示し、コーナー最上段からのラ・ケブラーダを決めて見せた。Hikaruも負けてはいない。場外で勝ち誇るアリシンZ&葛西めがけてコーナー最上段からのプランチャを敢行した!リングに戻ったHikaruと日高はハッスルポーズ!Hikaruは腰もバッチリ入ったハッスルが素晴らしい!
 しかし、Hikaruと日高がアリシンZを抱え挙げたところへ、葛西は問答無用のドロップキック。これがアリシンZの腰を直撃、ハッスル軍にも大きなダメージを与えたが、アリシンZもダメージは深そう。その鬱憤を晴らすかのように、モンスター軍はHikaruをコーナーへ逆さ吊りにし、日高をそこへぶつける。さらに、ダウンした日高の両足を場外から引っ張り、日高の股間をHikaruの顔面へ打ち付けた!“おとこ女”と呼ばれているHikaruとはいえ、やはり女は女。思わず日高にビンタを見舞う!
 ここからは両軍激しく入り乱れての攻防が続く。アリシンZがスイングDDTを繰り出し、葛西はコーナーの端から端へ飛ぶような高角度ダイビングヘッドバット。アリシンZは日高を軽々と持ち上げて、なんとパワーボムでカウント2.5を奪う!HikaruはそのアリシンZにミサイルキックを放ち、Zのパワーボムをかわしてのビンタ攻撃だ。しかし、セコンドにいた島田参謀長が日高の足を引っ張り、混戦模様に。
 劣勢に立たされた葛西は、島田参謀長に「ドリンコ、ドリンコ!」とハッスルドリンクを要求。どうやらパワーが切れたようだ。島田参謀長は二人にハッスルドリンクを手渡すが、これは日高&Hikaruに奪われてしまった。キュッと開けてリング上で一気に飲み干す日高&Hikaru。これが明暗を分けた。パワーを補充したHikaruはアリシンZを投げっぱなしジャーマン、その隙に日高は必殺のショーンキャプチャーを決めて、葛西からギブアップを奪った。ハッスル軍の快勝だ!
 勝利の喜びに沸き立つ場内、しかし、そこへ「コレで勝ったと思わないでよ!」とインリン・オブ・ジョイトイの声が響き渡った!


第1ハッスル

9分29秒 ウラカンナ

 今日のオープニングは、久しぶりの『ハッスル・ハウス』出場となったハッスル仮面レッド&ブルー。そしてその相手は、ドイツから来たというダーク・フォン・マエストロ・アイン&ツバインだ。指揮者らしく「第9」のテーマに乗って指揮をしながら入場する姿は、どこか不気味だ。

閉じる ゴングと同時にドロップキックを放ったレッドは、場外に落ちたアインにいきなりトップロープを飛び越えてボディプレス!序盤から大技を繰り出す。負けじとブルーもツバインに対してフランケンシュタイナー、コーナーポストから鮮やかなムーンサルトを決めた。
 体格で勝るアインはレッドを捕まえてボディスラムで強引に投げようとするが、レッドはするするとアインの体を回転して、フランケンシュタイナー。身軽さを生かした攻撃で対抗する。ツバインに照準を絞ったレッド&ブルー。ブルーのスライディングキックに続けて、レッドがその場でジャンプしての前方宙返りプレス。ブルーのミサイルキックに、レッドのロープの間を使っての顔面蹴りと、交互に技を繰り出し、チームワークの良さも見せ付ける。
 しかしここで、リング下で休んでいたアインが蘇生。ロープに飛んだレッドの足を引っ掛けて合体攻撃を邪魔すると、すぐにリングに戻ってブルーを攻め立てる。ツバインと二人がかりでブレーンバスター、そして顔面にサンドイッチ式のドロップキック。ブルーは思わずリングの外に逃げてしまう。これで形勢逆転、レッドがアイン&ツバイン二人を相手にすることになる。レッドのスタミナを奪うように、グラウンドでのコブラツイストや背中へのエルボードロップといった技で、ネチネチと攻めるアイン&ツバイン。そしてフラフラになったレッドをツバインが肩車で持ち上げると、トップロープに上ったアインがその角度からパワーボムを狙う。
 しかしこれをレッドがフランケンシュタイナーで切り返し、逆にアインが大ダメージを受けることに。一気呵成に攻めたいレッドは残された力を振り絞って、場外のアインに再びムーンサルト。リング内はブルーとツバインの一騎打ちだ。チョップの打ち合いから、ブルーのムーンサルトを自爆させたツバインはDDT。ブルーの喉元に強烈なニードロップを落とし、フォールへ。これはブルーが何とかカウント2で跳ね上げる。そしてツバインのトップロープからの攻撃をアームホイップで投げ捨てると、ロープに振られた反動を利用してセカンドロープに間から場外のアインに飛び込んでいく。リング内に戻ったレッドはアインを捕まえて、大技シューティング・スタープレス!最後はアイン&ツバインの合体攻撃を誤爆させ、二人同時の高速ウラカンラナで勝利を手にした。


オープニング劇場〜高田劇場

12月13日、某新聞社で発表されたプロレス大賞。しかしその結果はびびって、たじろぐものだった。今年のプロレス界で誰よりも衝撃を与え、話題を振りまいてきた高田総統の名前がないのだ!
 ハッスル軍との抗争はもちろんのこと、“キャプテン・ハッスル”小川と“ハッスルK”川田が参戦したT魂祭りでは某老舗団体のレスラーを根こそぎ洗脳し、キャプテン・ハッスルのハッスルポーズを阻止。さらに、ZERO-ONEを壊滅寸前にまで追い込んだにも関わらず、だ。しかし某プロレス大賞には選ばれなかったが、高田総統のプロレス界への影響力は、確実に強くなっていると言えるだろう。
 会場のスクリーンには高田モンスター軍の秘密基地が映し出された。
 昨日の対抗戦勝利を祝い、高田総統の面前でモンスター軍の面々が大量のチキンとお酒で大騒ぎしている。「メリークリスマス!昨日はお疲れ様でした。それにしても高田総統の作戦は完璧でしたね。バカなチキンは完全に騙されていましたよ」と島田参謀長。アン・ジョー司令長官も「この勢いで今日もビッグウィン ネ」と続ける。しかし島田参謀長が「試合開始まで高田総統のDVDでも見ていましょう」と高田総統の方を振り向くと、そこに総統の姿はなくなっていた…
 すると場内に「威風堂々」のテーマが流れ始める!何とオープニングから高田総統の登場だ!
 今日の大会プロデュース権を得て、ご満悦の高田総統。
 「下々の諸君、メリークリスマス」と笑顔を浮かべるのだが、ここで会場からはブーイングではなく拍手が。すると高田総統は「誰が声援を送れといった!」と一喝。「私の栄養分はブーイングだと言っただろう!何度言わせるんだ!」と、さっきまでの笑顔から一転、怒りを露にする。高田総統はデリケートなお方なのだ。しかし会場から大ブーイングが起こると、「非常に気持ちがいい」と大きく頷くのであった。
 いつもは会場に足を運ぶファンに対して厳しい言葉をかける高田総統だが、この日は違った。「カップルがあふれかえる聖なる夜に、我がモンスター軍の祭典に来てくれてありがとう」と、あの高田総統の口から「ありがとう」の一言が飛び出す。「これから始まるモンスター軍プレゼンツの夜を楽しんでくれたまえ」とニヤリ。「今日の対抗戦が終わった後、フジテレビの『明石家サンタ』でも見て、聖なる夜を満喫しようではないか」と、テレビフリークの一面を覗かせた。
 そしてリング上には島田参謀長とアン・ジョー司令長官が登場。昨晩、寝ずに考えたというマッチメークが発表しようとするのだが…なぜか声が枯れている島田参謀長。何と昨日の打ち上げでカラオケを歌いすぎたという。さらに「今日の対抗戦も大勝して、打ち上げに行きましょう!今晩は六本木のモミパブでモミモミですよ!」と両手でモミモミしながら、嬉しそうに話す。さすがの高田総統もこの下品なポーズと発言にはお冠。「はしゃぐな!」と怒られる島田参謀長であった。
 スクリーンに映し出された対戦カードを見た高田総統は「上出来だ」と満足げな表情。ハッスルRIKISHIのモンスター軍入りについても「我々がプロデュース権を勝ち取ったわけだからな。あのしょっぱい、しょっぱい、しょっぱいジュードー・オーを痛めつけてやれ!」と、声高々に叫び上げた。そして今晩用事があるという高田総統は、我々の前から姿を消した。