ファイトカード

高田総統劇場

 さらに過激さを増したセクシーコスチュームで、インリン様がリング上に登場。
「今回はアリシンZが負けたけど、名古屋のハッスル7では私の力を見せてあげるわぁ!」と高らかに宣言するインリン様。
「ほー、その力を見せてもらおうじゃねぇか!」との声と共に、名古屋でインリン様とタッグマッチでの対戦が決まっている“キャプテン・ハッスル”小川直也が登場!
「おい、インリンだかリンリンランランだか知らねぇが、女だからって容赦はしねぇぞ!」と、ちょっと古いセンスの小川。
「私がアナタに、本物のエンターティナーとは何かを教えてあげるわぁ。あなたのその品のないボディは何なの!締まりのないボディ、センスのない角刈り…全くセクシーじゃないわぁ」と、小川の痛いところをつくインリン様。「セクシーには哲学と思想が必要なのよ。そう、アナタのボディには哲学と思想がないのよ!」と罵倒する。
「ほぉ、ほぉー」とインリン様を舐めまわす様な視線で眺める小川。「哲学と思想だと?おい、よく聞けよ!このモミアゲにはな、思想と哲学がタップリ詰まってんだよ!ゴタゴタ言うその口に、サルグツワでもはめてやるぞ!」と凄む小川!
 するとインリン様、「本当にセクシーな男って言うのはね、ふんどし姿でも見られるのよ!」と言う。
「お前はアホか!高田を出せ、高田を!」と、返す言葉のない小川は叫ぶ。
 すると、天からあの声が響き渡った。「相も変わらず、よく鳴くチキンだ」。そう、高田総統の登場である!いつものように、バルコニーに姿を現した。
「今日はじっくり長めに喋ってやろう。なぜならば、メインディッシュは待たせられると、なおおいしくなるからな」と余裕の高田総統。満員の観客席を見渡すと、「今日、ここにいる諸君。キミたちは非常に熱心な、私の信者と認めざるをえない。なぜならば、だ。日本VS北朝鮮、この一大イベントが同時刻にあるにも関わらず来た諸君は、もう一つの一大イベントとなるインリンナイト、すなわちこの私の元へ集まるんだからな。世間の人たちは、諸君の事をおそらく“変わり者”と言うだろう」と、高田総統は国民的イベントを蹴ってまで来てくれたファンを、やはり罵倒するのであった。
「私から下々の諸君に、ほんのちっぽけな米粒ほどの感謝の気持ちを贈っておこう」と、ちっともありがたくない高田総統のお言葉。
「この高貴な私の姿を、初めて拝む諸君もいる事だろう。せっかくだ!いつもの挨拶をしておこう」と高田総統。すかさず客席からは「男だ!」との声が飛ぶが、高田総統は「それは違う」とあっさりと否定。「我こそは、高田モンスター軍総統、高田だ!」といつものように名乗りを挙げる。
 そこで高田総統、何かに気づいたようだ。「ちょっと待った!そこにいるのはチキン君じゃないか。そんな隅っこで何をやっている」と小川を指名。「おい、角刈り!よく聞け。PRIDE効果のにわか人気も、今ではすっかりメッキが剥げてしまったな。チキン君、一応キミにも挨拶しておこう。お疲れさん!」とあくまでも小川をバカにする高田総統だ。
「じゃかましい!コラッ!」と言い返す小川だが、「キミにはいつも言っているだろ? 試合もしょっぱいが、挨拶はなおしょっぱいんだよ!どうだ、最近はJミートのCMでまたハッスルしてるのか?所詮キミの実力はその程度だ。セコセコとバラエティー番組に出て、せいぜい小銭を稼ぐといい!ハァッハッハッハッ!」と高田総統は、またしても余計なお世話を焼く。
「笑い方がさまになってないぞ!」と精一杯言い返す小川だが、高田総統は「まあいい、次に行こう」と全く無視。
「チキン君!キミは本当にインリンと闘う勇気があるのか?」と問いかける高田総統に、小川は「ウダウダ長いんだよ!そのイカレタ女に勝ったら、次はお前だ!」と吠える小川。すると高田総統は、「無礼者!モンスター軍ナンバー2のインリンに勝ってからモノをいいたまえ」と一喝する。
 インリン様はそれを受けて、「そうよぉ、チキン。総統と闘うのは1万年早いわよ!」と挑発する。真正面から睨み合う小川とインリン様。小川のガン付けにも、一歩も引き下がらないインリン様は肝っ玉も据わっている。
「そんなヤツは相手にしねぇよ、次はお前だからな!」と小川。そのままリングを降りしてしまう。これにはファンも拍子抜け。まさか、インリン様の気迫に押されたとでもいうのか!?
「臆病者のチキン君!名古屋でキミは地獄を見るだろう。ウワッハッハッハ!」と小川の背中に嘲笑を浴びせる高田総統。ファンからは「降りてこいやー!」と声が飛ぶが、「それは違うと言ってるだろう!」と意にも介さない高田総統。「あれ?姿を消したぞ。まあ、いい」と小川が立ち去った事にも全く動じない。
「とにかく、次を見ておけ。楽しみにしておくんだ。以上!」と高田総統。当然、場内からは「エエーーッ!」との声。そう、まだアレが出てないのだ。
 気づいたのは島田二等兵だった。「総統!例の儀式がまだ終わっていませんよ」と進言した。アン・ジョー司令長官も「インリン様のブレイン・ウォッシュがまだデース!」と続く。ファンも一斉に拍手だ。
「総統が終わりというのなら、私は帰るわよぉ」とインリン様もお帰りモード。高田総統は「すぐに撤収だ!」と言う。
 ここで沸き起こる「インリン・コール」。そうだ、今日はそれを見るために皆が集まったと言っても過言ではない。
「そんなに洗脳されないのぉ?」とインリン様。「本当に洗脳しちゃうわよーん」と言われても、大きな拍手で迎え入れる観客たち。喜んで洗脳されるようである。あまりの反応の大きさに、インリン様もその気になったようだ。
「総統、イっていいかしらぁ?」と訪ねると、さすがの総統も「インリン、M字ビターンをやりたまえ!」と許可した。自分で進言したくせに、「お前ら、本当にスケベだな!」などと言う島田二等兵。
 インリン様特製のお立ち台がリング上に用意され、皆さんお待ちかねの「3、2、1、モンスター!」でインリン様のM字ビターンが炸裂!しかもこのお立ち台、前回よりもパワーアップしており、四方の観客が拝めるようにグルグルと回り出す。これには高田総統も感心して、「おい、これは優れものだな!」と褒め称えた。
 すっかりインリン様のM字ビターンに洗脳されてしまったハッスル・サポーターたち。ハッスルポーズをやらなくても、満足気な表情で会場を後にしていった。恐るべきインリン様! 名古屋でもきっと、ファンを悩殺してしまうだろう。そうなると小川は、会場にいるすべてのファンを敵にまわしてしまうことになる…。これは想像以上に恐るべき敵だぞ。どうするキャプテン!どうなるハッスル7!

メインインリン

12分49秒 なでしこドライバー→片エビ固め

 昨日のハッスル・ハウスで、ハッスル軍に電撃参戦した“ハッスル・コング”ことケビン・ランデルマン。以前、坂田に敗れモンスター軍を追放された事があり、復讐の時を待っていたのだ。しかし、この裏切り行為に高田総統は怒りを隠しきれなかった。
「あの裏切り猿ケビンめ…モンスター軍を裏切った事を、自らの死で償ってもらおう」
 そう呟く高田総統の下へ、インリン様が現れる。「総統、お怒りをお鎮めください。私がアマゾネス軍の最強戦士を送り込んで、制裁を加えます。私もリングに上がる準備をしていきますわぁ」
 頼もしいモンスター軍ナンバー2のインリン様の言葉に、納得する高田総統。
「インリン、頼んだぞ!」

閉じる「キングコング」の入場曲にのって、ハッスル・コングことケビン・ランデルマンが登場。
 先発はHikaruとアリシンZ。アリシンZはHikaruをアームロックに捕らえながら指に噛み付くという悪質な反則、さらに左腕に狙いを絞り、ロープで腕をねじ上げる。エルボー、脇固め、ハンマーロックとHikaruの腕を痛めつけるアリシンZ。しかし、ドロップキックを空振りして、逆にドロップキックをもらってしまう。HikaruはアリシンZのリング上でのラ・ケプラーダをかわしてドロップキック。アリシンZは余裕を見せる腕立て伏せ。さらに女の張り手合戦だ。
 ボビッシュ登場。Hikaruにジリジリと迫っていく。Hikaruはパンチを浴びせていくが、ビクともしない。それならばとタックルに行くが、軽々と担ぎ上げられてしまう。パワーボムか、危うしHikaru!が、間一髪のところで空中で脱出に成功。ケビンにタッチする。モンスター軍も、アリシンZがリングに。
 ケビンはアリシンZの張り手をかわし、ネックハンギングツリーからマットに叩きつけようとする。アリシンZはケビンの膝にドロップキック、座り込んだケビンの顔面にすかさずドロップキックを見舞う。ケビンをリング下に落とすと、島田二等兵、モンスター℃、ロシアン54が袋叩きに。
 救出に入ろうとするHikaruだが、アリシンZに捕まってしまう。ボビッシュはケビンをコーナーへ押し付けて、ラリアットの連打、さらにボディプレス。ケビンを軽々と担ぎ上げると、リフトアップして場外へ投げ捨てる!そこへアリシンZがコーナー最上段からのラ・ケプラーダだ。Hikaruも場外のボビッシュへ同じ技をと続くが、ボビッシュはなんとHikaruを受け止めてしまい、ボディスラムで叩きつける。恐るべきパワー!
 リング上に戻ったボビッシュとケビンだが、ケビンは完全にグロッギー状態だ。ボビッシュのラリアットを喰い、1回転してしまうケビン。しかし、カウントは2。アリシンZが交代すると、なんと椅子を持ってのムーンサルトプレスだ!さらにケビンを椅子に座らせ、ボビッシュが踏み台になり、アリシンZがドロップキック。もはやリンチ同然のケビン。
 しかし、Hikaruが救出に入り、アリシンZにミサイルキック、タックルからパワーボム。しかし、カウント2.9!Hikaruはコーナー最上段からのボディプレスを見舞うが、これは自爆。続いてアリシンZは昨夜、Hikaruをフォールしたアリシンボムを繰り出すが、カウント2.9。アリシンZはHikaruを、ボビッシュはケビンを飛ばして同士討ちをさせようとするが、クルッと入れ替わってアリシンZとボビッシュが相打ち!すかさずケビンがボビッシュを場外へ誘い出し、その隙にHikaruがアリシンZをなでしこドライバーで叩きつけ、カウント3!Hikaruが昨夜の雪辱を晴らした。
 すると、場内に響き渡るかん高い声が…「これで勝ったと思わないでよ!」インリン様の登場だ!


セミインリン

8分50秒 バンザイドロップ→体固め

 前日のハッスル・ハウスで“ハッスル・あちち”を襲名、正式にハッスル軍入りした大谷に期待がかかる。果たしてキャプテン小川は、今回はどのようなド派手なコスチュームを与えたのか。

閉じる“ハッスルあちち”として生まれ変わった、「ニュー大谷」は、郷ヒロミが歌う「アーチーチー、アーチー」の前奏に乗って入場。真っ赤なガウンに包まれた新コスチュームは、やはり炎をデザインしたものだ。いまプロレス界で最もアツイ男にピッタリである。
 先発は白使とRIKISHI。白使はRIKISHIにパワーではかなわないと見るや、目の前で拝んでみせる。これには反射的に拝んで対応してしまったRIKISHIへ、白使の地獄突き。しばらくは白使の優勢が続いたが、今度はRIKISHIが拝むと、白使はやはり反射的に拝み返してしまい、地獄突きをやり返されてしまった。
 コーナーへ叩きつけられた白使に、RIKISHIがヒップアタック。続いてスティンク・フェイスに行こうとすると、白使はスルッと逃げてしまう。これには期待したファンから大ブーイングだ。
 ロシアン54に交代すると、大谷が「俺に代われ!」と猛アピール。大谷はチェンジすると、「熱くてたまらねぇ」と猛攻撃。しかし、ロシアン54にラリアットを決められ、さらにサイドバスターで叩きつけられる。モンスター軍は白使に交代。白使のスリーパー。「あちち」コールを受けて奮起する大谷だが、白使から代わったロシアン54の猛攻に、「強いな、コリャ」と愚痴が洩れる。
 ロシアン54のブレンバスターでカウント2.5。タッチを受けた白使は、ボディスラムからトップロープを利用したボディプレス。たまらず大谷はタッチを求めていくが、それはモンスター軍のコーナーだった。またロシアンに代わり、絶体絶命の大谷だったが、バックドロップで逆襲。ようやくRIKISHIへタッチする。
 RIKISHIは白使、ロシアン54を殴り倒し、大谷はコーナーでノビたロシアン54に顔面ウォッシュ!さらに、グロッギー気味となったロシアン54に、RIKISHIがTバックにした巨大なお尻で必殺のスティンク・フェイス!そして、ロシアン54が完全に戦闘不能状態なったところへ、セカンドロープからのヒップドロップだ!
 ロシアン54はこの強烈すぎる波状攻撃を受け、成す術もなく3カウントを聞いた。
 勝利の雄叫びを挙げる、大谷とRIKISHI。ここでRIKISHIのダンスタイムだ。昨日と同じカップルがペアルックで登場し、場内からは“バカップルコール”が飛ぶ。大谷も一緒に踊ろうとするが、振り付けが分からず降参。最後はやはり、RIKISHIがお馴染みのダンスで締めた。


第4インリン 坂田亘モンスター軍入り査定試合

8分31秒 反則(軍鶏侍乱入)

「サスケ先生、失礼しまーす」と、サスケの控え室に入る中村カントク。すると、長い髪をかきあげて「どーしました、カントク」となぜか金八先生のキャラになっているサスケ。
「いやぁ、坂田の野郎が誰の言うことも聞かないんですよ」とカントクは相談を持ちかける。するとサスケ先生、髪をかき乱しながら「坂田君、舐めてんのかぁ!坂田君、何年選手だと思ってんだ、このバカチンがぁ!」と怒る!
「サスケ先生、そんなに興奮しないで下さいよ」とカントクになだめられたサスケ先生は、「坂田君は腐ったミカンじゃありましぇーん!私が更正させてみせます」と坂田の更正をカントクに約束。「3年ハッスル組、サスケ先生!石田純一君、靴下をちゃんと履きなさーい!」と言って控え室を出て行った。
 取り残されたカントクは腕を組んでひと言、「大丈夫かな…」
 確かにあの先生じゃ不安だ。

閉じる“ハッスル・ティーチャー”ザ・グレート・サスケとして登場したサスケ。一方、“反逆のプリンス”坂田は相変わらずふてぶてしい表情で登場だ。
「坂田君、目を覚ましなさい!」と迫ったサスケ先生だが、坂田はいきなりの殴る蹴るの暴行。どうやら、言葉での説得は通じないらしい。ならばサスケは実力行使だ。ボディスラムからネックブリーカー、チキンウィングフェースロック、これはブレイク。もう一度、ボディスラムを見舞うとコーナー最上段からのトペ・アトミコ。これは自爆に終わる。
 坂田はサスケの蹴りをキャッチすると、反則の急所蹴り。場内からはブーイングが起こるが、坂田は動じない。本当に悪魔に魂を売ってしまったのか?坂田はサスケを場外へ落とすと、水平打ちを見舞い、なんとマスクを剥がそうとする暴挙!これはレフェリーに制止されるも、坂田はサスケを鉄柵に叩きつけ、リングに引きずり上げる。
 坂田はボディスラムからダブルのニードロップ。そしてまたもマスクに手をかける。「先生、坂田君が悪い事ばかりしています!」とファンがいいつけるが、その先生は坂田の猛攻に手も足も出ない。が、坂田の二ールキックをかわしたサスケは坂田を持ち上げて雪崩式のブレンバスター、サンダーファイヤー、ミサイルキックの波状攻撃。リング下に転落した坂田には、ロープ越えのドロップキックを見舞う。
 サスケはさらに最上段から「ありえねぇー」とばかりにカンフーハッスル・アトミコを見舞おうとしたが、「カンフーはもうやめだ!」と我に返る。そう、今日はカンフー・ハッスル仮面ではなく、ハッスル・ティーチャーなのだ。サスケは「坂田君!」の掛け声と共に、更正を願ってのダイビング・ヘッドバット。しかし、頭からまっ逆さまに場外へ落ちて自爆してしまった。
 リング上に引きずり上げたサスケへ、坂田は投げっぱなしジャーマン。さらにマウントパンチを見舞う。ここでなんと、軍鶏侍が乱入を図った!コーナー最上段へ登ると、自称「当たれば百発百中」のエルボードロップを繰り出すが、これはサスケを誤爆。まるでその失敗を誤魔化すかのように、坂田に襲い掛かる軍鶏侍。昨夜の敗戦の鬱憤を晴らすかのように、坂田をコーナーへ押し付けてエルボーの連打だ。レフェリーまで投げ飛ばし、暴走して荒れ狂う軍鶏侍。ここでサブレフェリーがリングに駆け上がり、坂田の反則勝ちを宣言した。軍鶏侍の暴走が、逆効果になってしまったのだ。
 荒れ狂う軍鶏侍を制して、グロッギー状態のサスケと共に引き上げるハッスル軍。またしても、坂田の非行を止める事は出来なかった。
 マイクを握った坂田は、「おい、見たか。所詮はハッスル軍なんてこんなもんだろ?」と悪態をつく坂田。そして、観客席を見渡すと、女性ファンに「おい、そこの女。どうだ?俺は強いだろ。男前だろ?惚れるなよ」と口説き始める。いつから、そんなキャラになってしまったんだ、坂田!
 すると男性ファンから、「●池●子はどうするんだ!」との声。坂田は悪びれもせず、「アレはアレなんだよ、アホか!」と写真週刊誌や女性週刊誌が喜んで記事になりそうなセリフを吐き捨て、「次は川田だ。逃がしゃしねえぞ!」と言い放ち、リングを去っていった。もはや、悪党まっしぐらの坂田を止められるのは、三番勝負最後の関門ハッスルKだけとなってしまった。
 場内は20分間のインリン・ブレイクに入った。


第3インリン ハードコアマッチ

14分29秒 パワーボム→エビ固め

「オイッス!」とスクリーンに登場した中村カントク。「次の試合はハードコアマッチですが、我がハッスル軍はハードコアのプロフェッショナルを多く抱えています。モンスター軍のチンピラ化け者どもになんか絶対に負けません」と強気な勝利宣言だ。
「この試合は名付けて、“ハードコアでいいとも!”」と余計な事を言うカントク。ファンへ向かって、「今日も、ハードコアでいってもいいかな?」と呼びかけるが、期待した「いいとも!」という答えは返って来ず、代わりにドリフでお馴染みのタライが落ちてきて、頭を直撃した。

閉じる ℃とJがそれぞれ「C!」「J!」の掛け声を競い合い、やや険悪な雰囲気。それを煽るウイルス。℃とJは昨夜の試合から競い合っており、お互いをライバル視しているようだ。
 金村VSモンスター℃でスタート、金村は「俺がやったら“金(きん)”と言ってくれ!」とリクエスト。両者が張り手を繰り出す度に、「C!」「金!」と掛け声が飛ぶ。
 両者は田中とウイルスにタッチ。回転エビ固めを仕掛けた田中だが、ウイルスはサッと起き上がると、まだ寝ている田中の顔面にドロップキック。すぐにコーナー最上段へ登って「マスカラス!」の掛け声と共にフライングボディアタックだ。
 戦場はいよいよ場外へ。田中はウイルスの後頭部へ机を投げつけ、場外の机の上に寝かせたウイルスにリング内からボディアタックを見舞おうとするが、Jが邪魔をする。Jはリング上に残ったゲレーラと華麗なる空中殺法の応酬。客席になだれ込んだ金村は、なんと客席入り口に登ってのボディアタック!ウイルスは田中にチリ取りで打撃を加え、ウイルスとゲレーロはスピーカーの上からのダイビング・プランチャー!
 リング上に戻ってきたのはウイルスと田中。Jと℃も戻ってきて、℃が田中にキック、張り手を見舞い、コーナーの田中へJは飛びヒザ蹴り、℃はビッグブーツ。両者は顔を見合わせてOKポーズだ。継いで℃とJが交互にキック、客席からは「C!」「J!」の掛け声が飛ぶが、これが気に入らなかったらしく仲間割れする二人。どっちが主導権を握るかで、今後も揉めそうな二人だ。
 田中とウイルスがリングイン。ウイルスはコーナーへ逆さ吊りにした田中の顔面へ椅子を押し付けて、スライディングキックを入れる得意技。タッチを受けたJは田中にツイスタープレスをしかけるが、田中はこれをかわしてショルダータックル、ゲレーラにつなぐ。ゲレーラは三回転のヘッドシザースからJを投げ、救出に入った℃とウイルスにも一撃。ゲレーラの猛攻撃を受けて、グロッギーとなるJ。ゲレーラの数回転するサマーソルトドロップを喰らってカウントが入りそうになるが、℃がレフェリーを蹴って救出。仲がいいのか悪いのか、よく分からないJと℃。
 戦場は再び場外へ移っていったが、金村は一人黙々とリング上で準備を整える。机を二つセットし、ウイルスに一撃見舞うと机に寝かせて、田中にブレンバスターを自らかけさせてウイルスを直撃。そして、ウィルスに田中がボディプレス、金村がセントーン。
 しかし、℃がカットに入りゲレーラにSTO!ゲレーラのシャイニング・ウィザードを防いだ℃が、ハイアングルのパワーボムを決めてゲレーラから3カウントを奪った。
 なんとモンスター軍はこれで三連勝!手で「C」の字を作り観客にアピール、ご満悦のモンスター℃であった。


第2インリン

9分01秒 ローリング“蜘蛛”レイドル

 先ほど勝利を収めたマエストロ組がやってきたのは、インリン様の控え室前。二人がノックすると、「アナタたちねぇ、入っていいわよぉ」とインリン様の色っぽい声が。扉が閉められ、中からはインリン様のこんな声が…。
「私はアナタたちの活躍に満足しているわぁ。今度はアナタたちが満足する番よぉ」
 すると、外にも響き渡る鞭の音と歓喜のあえぎ声。そこを通りかかったジャイアント・シルバが、聞き耳を立てる。
「そろそろご褒美もフィニッシュねぇ。M字ピッターンコ……」
 一体、中では何が行われているのだろうか?それを聞いていたシルバ、おもむろにハッスル・ドリンクを取り出して飲み干し、気合いを入れる。「次は俺もご褒美だ!」とばかりに。

閉じる 鬼蜘蛛はリングを這いずり回ってスパンキーに接近。スパンキーがコーナーへ飛ばすと、鬼蜘蛛はなんとコーナーに両手両足でスパイダーマンのように張り付いて離れない。ロープに飛ばしても同じだ。スパンキーはショルダータックルを仕掛けようと突っ込むが、鬼蜘蛛にさっとかわされ場外へ転落。
 しかし、スパンキーはどこから取り出したのか、殺虫剤攻撃。ジタバタと仰向けになってもがき苦しむ鬼蜘蛛。やはり所詮は虫の化身である。スパンキーはタイタスにタッチ、タイタスは鬼蜘蛛をリフトアップスラムで叩きつけ、さらにスパンキーをリフトアップして鬼蜘蛛に叩きつける。
 鬼蜘蛛がシルバにタッチ、スパンキーとはまさに大人と子供の体格差だ。スパンキーはキックやパンチで応戦するが、シルバの巨体をもてあます。そこでタイタスにタッチ。体格的には負けていないタイタスは、シルバと真っ向から組み付く。睨み合いを展開する二人、タックル対決でも一歩も譲らない。それならばとシルバがラリアットを仕掛けるが、タイタスはそれをかわしてショルダーアタック。さらに「Tコール」を背に受けて、シルバをブレンバスターで投げつけた!場内、大喝采だ。
 タッチを受けたスパンキーはフライングボディアタックを仕掛けるが、シルバは軽々と受け止める。「ほれ、返すよ」とばかりにシルバはタイタスに投げ渡し、それを受けたタイタスもシルバにスパンキーを投げ渡す。さらにスパンキーはもう一度タイタスの腕の中に。そこで出てきた鬼蜘蛛へ、タイタスがスパンキーを投げつけるという頭脳プレー。
 鬼蜘蛛はリバース・ロメロスペシャルでスパンキーを痛めつけるが、カットに出てきたタイタスが鬼蜘蛛を場外へリフトアップして投げ捨て、返す刀でシルバへアタック。だが、シルバの逆襲を受け、シルバは椅子を持ち出す。椅子を奪いとったタイタスはシルバの頭へ一発、二発…たまらず逃げるシルバ。
 その間、スパンキーは鬼蜘蛛へドロップキック、ロープへ飛んでフィニッシュに向かおうとしたところ、ここで鬼蜘蛛の必殺スパイダーネットが炸裂した!鬼蜘蛛はすかさずローリング・蜘(ク)レイドルへの黄金のコンビネーション!スパンキーの身体はリング上でグルグルと円を描き、カウントは3!モンスター軍が2勝目を上げた。
 シルバはハッスルドリンクを一気に飲み干すと、ご褒美欲しさに、もの凄い勢いで控え室に走って帰るのであった。


第1インリン

8分00秒 スワントーンボム→体固め

閉じる ゴングと同時にハッスル仮面組に襲い掛かるマエストロ組。ブルーとツバイが目まぐるしく攻防を入れ替え、ドロップキックの相打ち!レッドとアインに交代すると、ロープに飛んだアインにレッドが足を掛け、倒れたところにブルーがドロップキック。さらにレッドがその場でジャンプしてのシューティング・スタープレスを決める。
 優勢に立ったハッスル仮面組はブルーがアインをコーナーへ投げたつけたところ、レッドを誤爆。その隙にマエストロ組は二人がかりでブルーを痛めつける。それをレッドが救出、コーナーで大技を見せようとするが急所蹴りで悶絶させられてしまった。引き続きマエストロ組はブルーに二人がかりの攻撃を仕掛けるが、ブルーはコーナーに飛ばされるとエプロンに着地、アインを引き付けて場外へ投げる。そのアインにブルーがトペ・スイシーダ、ツバイにレッドがトペ・コンヒーロの見事な空中殺法の競演!
 レッドがツバイをリングに上げて、コーナー最上段からのエルボー弾。しかし、逆襲に転じたツバイはブレンバスターの体勢からレッドを前に落とし、コーナ最上段からのギロチンドロップ!カウント2.9!レッドはツバイのブレンバスターをDDTで切り返すと、コーナーに登ってツイスタープレス。ブルーもカットに入るアインへミサイルキック、そしてレッドがムーンソルトプレスで決めにかかるが、これは自爆!アインがブルーを投げつけると、ツバイは一直線に場外に落ちていたレッドへトペ・スイシーダ。その間に、アインは顔面砕きからブルーへコーナー最上段からのサマーソルトプレス!なんと、ハッスル仮面チームから初の3カウントを奪った。
 これもインリン様効果か!?


オープニング劇場

 試合開始に先立ち、アン・ジョー司令長官と島田二等兵が登場。昨夜の『ハッスル・ハウスvol.4』でのモンスター軍人事異動で、二等兵に格下げされてしまった島田二等兵は見るも無残なボロボロの汚い格好だ。いつもの元気はなく、ずっと下を向いている。
「ノー・ブーイングですカ?」とアン・ジョー司令長官が問いかけると、場内からは大ブーイング。それを受けて「ナイス・ブーイング!」と喜びを露にする。「トゥデイはハッスル・ハウスにカミング・ヒアしてくれてサンキューデース。ミーが司令長官のアン・ジョーデース」と挨拶。「そしてヒムは?」と島田に問いかける。下を向いたまま、力なく「に…二等兵の島田です」と今にも泣きそうな島田二等兵に、追い討ちをかけるかのように“二等兵コール”が浴びせられる。
「ナンですか?そんな格好して」とアン・ジョー司令長官が聞くと、「総統に言いつけられた掃除が長引きまして…」と島田二等兵。そのためボロボロの汚い格好をしていたのだ。それを聞き、アン・ジョー司令長官は「ユーも落ちぶれましたね。ハッハッハッ」と他人事のように笑うのであった。死者に鞭打つかのようなアン・ジョー司令長官のトークはまだまだ続く。「ミーがナンバー3という事になりますが、ユーは?」「ナンバー4?」と心細げに答える島田二等兵だったが、アン・ジョーは「Nooooo!」と大否定。「ユーは新弟子以下デース!ミーのパンツでも洗っていなサーイ!」と大笑いした。
「さて、ビジネストークに戻ります」と言うアン・ジョー司令長官からのインフォメーション。「総統のプロレス壊滅計画も、全国展開をしていく事になりまシータ。こちらをルックデース」と3月18日の両国国技館大会、3月19日の静岡大会を告知する。同時に「ド・カントリーのプロレス・プロモーターも、モンスター軍の傘下にビシビシ入れていく事になりまシータ。コレには、某老舗団体もウワイさんもビックリデース!」というモンスター軍の地方進出計画も明らかにした。
 その間、島田二等兵はずっと下を向いてうなだれたまま。よほど雑用が堪えたのだろう。見るに見かねたアン・ジョー司令長官は、「まあ、ユーはこれから出世の可能性もありますから、頑張って下さいネ!」と優しい声をかけると、「ホントですか!」と急に元気を取り戻す島田二等兵。「よーし、今日も元気出していくか!必ず参謀長に返り咲いて見せますよ!」とやる気を取り戻す。アン・ジョー司令長官の「それは無理でショー」という言葉にも耳を貸さず、ノリノリだ。
「それにしても司令長官、なんか今日は変な空気が漂っていませんか?」と島田。アン・ジョーも「ほんとデース。変なスメルが漂ってマース。これは“スケベ臭”デース!ここにいる皆さんは、インリン様のM字ビターンに洗脳されたくて来た、スケベな人たちばかりデース!」と、後楽園ホールを埋め尽くした男たちの下心を完璧に見抜いて見せたのだ!
「それでは、そろそろインリン様に登場していただきますか。お前ら、見たいか!」との島田の問いかけに、「Yeaaaaaaaah!」と、まるでモンスター軍志願者たちのように叫ぶ男性ファン。本当にスケベなプロレスファンだけが集まってきたかのようである。その大声援を受けて、インリン様がバルコニーに降臨した!
「ヒマでモテないプロレスファンの諸君、コンバンワ。私が高田モンスター軍ナンバー2のインリン様よぉ!下々の諸君、私をインリン様とお呼びぃ!」とインリン様が挨拶すると、まるでシモベになったかのように男たちから「インリン様ーーっ!」という叫び声があちこちから沸き起こる。アン・ジョーの掛け声にあわせても、一斉に「インリン様ーーっ!」と叫ぶシモベと化した男たち!かつて、これほど場内が一体化したことがあっただろうか? 島田も一緒になって「インリン様ーーーっ!」とはしゃぐほどだったが、「二等兵の分際で、失礼だぞ!」とインリン様は一喝。「島田、あなたって人は、本当に使えない男ねぇ。あとでおしおきよぉ」と言葉攻めを受けながら、身悶える島田!アン・ジョー司令長官も「おしおきデースか…ウラヤマシイ…」と呟く。
「そんな事より、私が決めたカードを発表しなさい!」とインリン様の命。ここで全6試合のカードが発表された。本日は第●ハッスルという試合順ではなく、第●インリンという試合順になる事も明らかになった。得意気なインリン様は、「このカードなら高田モンスター軍の勝利は間違いないわぁ。もし、モンスター軍が勝ったら、私のM字ビターンを見せちゃおっかな〜」と観客に投げかける。ドッと沸く館内。おそらく、この瞬間の場内の興奮度は日本VS北朝鮮を凌いだであろう。
 はしゃぎにはしゃぐ島田に、インリン様は「はしゃぐな島田!全ては対抗戦に勝ってからよ!」と厳しいお言葉。島田はペコペコと頭を下げる。
「じゃあ、さっそく第1インリンを始めましょうか。私のシモベ、ダーク・フォン・マエストロ・アイン&ツバイ!これまで一度も負けた事がないハッスル仮面に勝ったら、ヒミツのご褒美をあ・げ・るぅ」と、なにやら意味深な事を言うインリン様。ヒミツのご褒美とは何か?


オープニング

「インリン様のM字ビターン、俺も間近で見たいな〜イッヒッヒッ」と石狩が妄想を膨らませていると、川田が登場!「お前、何やってんだ?」といつものように川田が聞くと、「川田さんもM字ビターン間近で見たくないっすか?」と馴れ馴れしい石狩。当然の如く、「プロレスを舐めるなっ!」と川田に水平チョップを喰らい、石狩は悶絶。カメラの方を向いた川田は「なに撮ってんだよ!」と怒りを爆発させた。