ファイトカード

高田総統劇場

 リング上で喜びのハッスルポーズを決める小川・川田・大谷に、何と対抗戦で惨敗したはずのモンスター軍が来襲!ハッスルトップ3をモンスター軍総動員でボコボコにすると、それぞれの川田・大谷をコーナーポストにグルグル巻きに。小川に至っては公開リンチ状態で、グロッキー寸前である。そしてそこに『威風堂々のテーマ』が。遂に新潟の地に高田総統が姿を現した!
 新潟の大ブーイングに薄ら笑いを浮かべる高田総統。そしていきなり「臭い!ここは非常に田舎臭い!この前の静岡でも臭い思いをしたが、それの比ではないな」と、いきなり新潟県民の怒りの導火線に火を付けるようなコメントだ。これでより一層強くなる高田総統へのブーイング。しかしこれは高田総統にとってはかえって好都合。大ブーイングを浴びる高田総統は、気持ちよさそうに葉巻を吹かし、再びマイクを握った。
 「GWで十分休みを取ったにも関わらず、学業も仕事もおろそかにしている、しみったれた新潟のファンの諸君。私が高田モンスター軍総統の高田だ」とまずは挨拶する高田総統。そして「新潟は日本有数のド田舎で、新潟県民の消極的な人間が多いと聞いていたが、中々いいブーイングじゃないか」と笑みを浮かべる。そしてリング上のハッスルトップ3を指差して、こう言い放った。「おい!そこの3バカトリオ!君たちは『ハッスル8』で、この私に意気込んで挑発していたが、そのことをすっかり忘れているようだな。今ここでそれがどれだけバカなことだったかを思い知らせてやる」
 そして大谷を指差す高田総統。「大仁田くん。まあ一文字引っくり返ってるが、そんなことはどうでもいい。島田!厚苦しい頭を冷やしてやれ!」と、島田二等兵に指示を出す。すると島田二等兵は身動きの取れない大谷の頭から、自慢の水筒の水をぶっ掛ける。水浸しになる大谷だが、両手をロープに縛られては何も反撃することが出来ない。高田モンスター軍の最下級の島田二等兵からの屈辱に大谷は黙って怒りをこらえるしかなかった。次に高田総統が指差したのは川田だ。今度は「インリン、あの引きこもりにお仕置きしてあげなさい」と、インリン様に指示を出す。それを受けたインリン様は大谷同様、身動きの取れない川田にムチで攻撃。そしてインリン様に顔面をヒールで踏みにじられるという屈辱を受けたのだった。そして最後は小川だ。高田総統の指示で、モンスター軍の両脇を抱えられ、無理矢理高田総統に土下座するように頭を下げさせられる小川。先ほどのモンスター軍からの攻撃で小川の意識はもうない。そんな小川に対して高田総統は「ようこそ、チキン君。君の帰りを待っていたよ。私からの復帰祝いだ。受け取りたまえ!」と、強烈な往復ビンタを連発!そしてあの杖を手に持って、小川の喉元にグサリと突き刺したのだ。気を失っている小川にも全く容赦ない高田総統。小川の口からは真っ赤な血が流れ出し、それまでブーイングを送っていたファンもあまりに凄惨な状況に言葉を失った。「私が直接手を下したんだ。ありがたく思いたまえ」と高田総統。そして「この無様な姿を見たまえ。どうだ、ビビッたか?たじろいだか?」と新潟のファンに言葉をかけるのであった。そして「今日はこの辺にしておいてやろう。なぜなら今日は復帰祝いだからな。バッドラック」と捨て台詞を残し、高田総統はリングを降りた。
 歓喜のハッスルポーズから急転直下、屈辱にまみれたハッスル軍。小川のハッスル軍復帰を明るく終わらせることは出来なかった。果たしてハッスル軍はハッスルハウス札幌2連戦で、この借りを返すことができるのか?逆に高田モンスター軍が全国制圧へ向けてまた勢力拡大に乗り出すのか?坂田&村浜の新軍団結成など、新潟の夜は、今後のハッスルのターニングポイントを予感させる夜となった。

メインハッスル

9分23秒 ジャンピングネックブリーカー→体固め

 高田総統がコールマンに向かって言う。「我がモンスター軍から追放されたコールマン。一度の試合では判断が難しいだろう。よし、札幌までのすべての試合を見て判断してやろう」そして高田総統に向かって、まさに野獣のように「ワンモアチャンス!」と訴えるマーク・コールマン。そして高田総統は人差し指を差して言う。「迷わず受けよ、受けばわかるさ」背後から猪木のテーマ音楽が流れると、「アアアアアー!」とコールマンは叫ぶ。そして高田総統は闘魂ビンタをコールマンに叩き込んだ。
 一方、ハッスルの控室では試合開始の合図が。「時間です。お願いします」それを聞いて「うおおおおお!いくぞおー!」と大谷が叫ぶ。覚悟を決めた川田は小さな声で「よっしゃ」と、両膝を小さく叩いて椅子から立ち上がると控室を後にした。
「キャプテンはどーしたんだよ!」という島田の挑発のなか、リング上で皆がもみ合い、試合は唐突に開始された。

閉じる そんな試合開始早々、小川が白いロング・タイツ、側面には一直線の赤い矢印、そして金色に輝くチャンピオン・ベルトを腰に巻いた姿の小川が走ってリング上に乱入。「走れメロスですね、こりゃ、まさに」「ハッスルしなきゃ、意味がない!」とアナウンサーも絶叫である。それぞれの選手に一撃を食らわして、まさしく蹴散らす小川。場内、まさに割れんばかりの喝采が轟く。マーク・コールマンが、あるいは目隠しを剥ぎ取られたアン・ジョー司令長官が、それぞれに小川のローキックを受けて転がり込む。そうして大巨人シルバがリングに立つと、川田が飛び込んで蹴りを、続いて大谷も鋭い蹴りを見舞う。しかし試合はもつれ、やがて大谷が餌食にされる。モンスター軍に蹴り込まれ、リング上に大の字になる大谷。
だが、なんとかピンチを切り返し、小川とタッチ。そしてついに小川がアン・ジョー司令長官を捕らえた。豪快なランニング・ネック・ブリーカーで小川がアン・ジョー司令長官から3カウントのフォール勝ちを奪った。
 堂々と輝く勝利を飾ったハッスル軍。そして大谷が小川に向かって叫ぶ。「おいキャプテン。連絡もよこさないで一体どこいってたんだよ。オレたちが、どんなに心配したかわかってんのかよ。
今日だって来るのがわかんないから、オレは熱いけど、ヒヤヒヤしちゃったじゃねえかよ。・・・・・おかえりなさい」と大谷は深々と頭を下げた。そして川田も続ける。「お客さんの声援聞いたかよ!これからもハッスル軍のキャプテンとしてやってもらうからな。
なあ、そこにいるオオニタ・・・じゃない大谷」と、これは川田、狙ったギャグではなかったようだ。そうした声援を受けて、小川は観客に向かって叫ぶ。「みなさーん、ハッスルしてるかあ!これからはなあ、新潟に負けないよ。オレは復興する。全員、起立!
今日は気持ち良く決めるぞ!321、ハッスル、ハッスル!」と、小川完全復活のハッスルを決めたのだが…


セミハッスル〜HHH(ハッスル・ハードコア・ヒーロー)&ハードコア・ロイヤルランブル〜

14分39秒 スーパーフライ→片エビ固め

 ゴールデンロッドをかけたHHHの初防衛戦。今回はハッスル軍&高田モンスター軍の総勢6名による、ロイヤルランブル方式の試合となった。先発はハッスル軍金村キンタロー。今回はハッスルキッズのいない入場だが、逆にそれが今回の試合にかける金村の意気込みを感じさせる。対する高田モンスター軍はモンスター℃だ。

閉じる 「℃」コールと「金」コールの中で、ローキックとラリアットを打ち合う両者。金村はそのままモンスター℃にキャメルクラッチをかける。モンスター℃はチンクラッシャーでそれを脱出。ここで3人目となるピラニアン・モンスターΩがバケツを持って登場する。ピラニアン・モンスターはいきなり金村にミサイルキック。金村にとっては2対1となってしまい、金村は二人がかりのブレーンバスターを食らってしまう。しかし今度はハッスル軍・黒田哲広が自転車に乗って登場。自転車でピラニアン・モンスターを蹴散らすと、今度はハッスル軍が二人がかりでモンスター℃にエルボー攻撃。そして金村がモンスター℃に、黒田がピラニアの股間を鉄柱に叩きつける。ここで鬼蜘蛛が脚立を持って入場。鬼蜘蛛の登場で人数が一人多くなったモンスター軍は3人かかりで金村&黒田にブレーンバスターを決める。そして最後に王者の田中が白いギター&ゴールデンロッドと共に入場。いきなり強烈なラリアットを鬼蜘蛛に叩き込み、場外のモンスター℃にストンピングをかます!
 リング内ではピラニアン・モンスターが脚立で黒田に攻撃。しかし黒田はその脚立を奪い返し、脚立を手に持ったままトップロープからピラニアン・モンスターにボディプレスを敢行する。そしてピラニアン¥・モンスターを脚立に貼り付けにして、自転車で突っ込むのだ…脚立の後ろから鬼蜘蛛が絶妙のタイミングで糸攻撃!これをくらった黒田は鬼蜘蛛にフォールを喫してしまう。
 場外では金村が机の上のピラニアにボディプレス。一方鬼蜘蛛は田中を机の上に寝かせて、二階席からボディプレスの大技だ。これで田中はかなりのダメージを追ってしまい、リングに戻ることが出来ない。その間にリングの中では金村が3人を相手にすることに。しかしそこはハードコアマッチの雄・金村。机にダイブしたモンスター℃を誤爆させると、机の切れ端で3人の脳天にそれぞれキツイ一発をお見舞い!金村が机をリングに設置して、金村はトップロープに上ると、リングに戻った田中に「俺ごと投げろ!」と要求。机の上に寝かせたモンスター℃にダイブしようとしたのが、これが完全に誤爆となり、金村はグロッキーになる。そして金村にイス攻撃を仕掛けたピラニア・モンスターがトップロープから高角度のボディプレスでフォールを奪った。これで3対1と圧倒的劣勢に立った田中だったが、ここから王者の力を発揮する。まずは鬼蜘蛛の糸攻撃をモンスター℃に誤爆させて、モンスター℃を丸め込んでフォール勝ち。
 モンスター軍も人数差を生かし、鬼蜘蛛がロープを使って鬼蜘蛛固め。ピラニア・モンスターが田中にドラム缶を頭にかぶせてバットで一発!さらに鬼蜘蛛とピラニア・モンスターが対角線上のコーナーポストに登り、田中にダブルのボディプレスを決める。そして田中にトドメを刺そうと、合体攻撃を仕掛けるモンスター軍。しかし田中はこれを誤爆させると、トップロープに登ったピラニアン・モンスターをフォール。そして1対1になるとリングに上がった鬼蜘蛛に白ギターで一発!そこからラリアット→垂直落下式ブレーンバスター、最後はスーパーフライで3カウントを奪って初防衛に成功した。
 しかし喜びを感じるのも束の間、新潟大会への導入を宣告されていた人狼が登場。試合の疲れが残っている田中の頭にかぶりつき、田中は頭から大量に出血してしまった。そんな田中に高田総統は「鈴木くん?佐藤くん?満月の夜には気を付けたまえ」と田中に屈辱の言葉を投げかけるのであった。


第5ハッスル

ジャッジ 判定 2-1

 ルールが発表されなかったこのM字ビターンマッチ、試合前に1R制1回転・審判員3人の判定により勝敗が決定されることとなった。まずは青コーナーよりインリン様入場。アナウンサーが「おま、おま、おまんたせしました!インリン様の入場だあ!」と叫ぶ。すごい左右のスルドイ切り込み衣装の青紫のチャイナ服で登場。一方、Ericaはピンクで黄色の水玉衣装で、めちゃくちゃ似合わずぶりぶりしながらの登場だ。リング上に降臨したインリン様のバツグンのプロポーションとは対照的に、Ericaはバスト100センチ、ウエスト100センチ、ヒップ100センチというありえない体型だ。

閉じる 切り込みのすごいチャイナ服の隙間から、チラリのインリン様の股座が覗いている。しかしEricaの円柱は回転せず、しゃがむとバランスを崩してリング上に、まるで大きなアドバルーンのようにゴロン、ゴロンと転んでしまう。そうしてインリン様を乗せた円柱がリング上で1回転。判定2-1により勝者はインリン様へ。なんと試合開始わずか数分で勝敗が決まってしまった。

「ちょっと、ちょっと、ちょっと!前回に続いて、また!!」
そもそも私のは回らないんだから、と訴えるErica。「ちょっと、おかしいでしょ!」とEricaが観客にアピールすると、場内は沸いた。観客はどういうわけかEricaの味方だ。すると、そこにアン・ジョーが登場。「あきらかにインリン様はビューティフルです!」
するとインリン様も「見ての通り、私の完勝よ」と自慢げである。
そしてアン・ジョーはEricaの顔を覗き込むと「鼻毛がハローしてます」と言う。「おめえは、しょうこりもなく、鼻毛、鼻毛ってなあ!いい加減にしろ!!」とEricaはアン・ジョーに回転裏拳を一閃。入場時に持ち込んだピンクのハート・マーク付きの箱で島田二等兵も殴りつける。リング上に倒れ込む二人の男を踏みつけ、リング下の審判たちが座っていた長椅子にも八つ当たり。長椅子をひっくり返し、控室へと去って行ってしまったErica。しかしインリン様はリング上で自信満々に言う。「私が高田モンスター軍のインリン様よ。新潟のM字開脚はいかがだったかしら?プロレスをやるにも、あんな汚いやつには触りたくないわ」
 「おい、獣ガール!必ず後悔させてやるぞ!」とアン・ジョーは叫ぶ。「いつなん時でもM字ビター・リターン・マッチを受付るわ」とインリン様。「インリン様の勝利の舞が見たいか!」と島田は観客に向かって叫ぶ。インリン様は、ざわめく観客に向かって言った。「下々の諸君。このまま帰ってもいいのかしら?観たいの?観たら洗脳されちゃうわよ!そんなに洗脳されたいの?」すると、さっきまでEricaの応援をしていたはずの観客たちが、インリンに大きな声援を送っているではないか。「321の掛け声と共に”モンスター!”」と叫ぶのだとアン・ジョーは観客に言う。そうしてインリン様、再び円筒台に立つと、観客は恥ずかしげもなく「モンスター!」と大声で叫んぶ。するとインリン様は、それまで着ていたチャイナ服のスカートの部分を取り去った。アナウンサーも「前みつを取りました!」と大興奮。そしてインリン様は、パックリとM字開脚に!アナウンサーが、その股間を見詰めながら「あらららららら、これは・・・」と絶句。円筒台が、ゆっくりと回っている。
M字開脚のまま恍惚の表情のインリン様に、観客たちのカメラのフラッシュが焚かれている。「まさに福の神」「ご利益ありますよ」「新潟に福の神が降臨しましたよ」とアナウンサーの掛け合いも
絶好調だ。場内大盛況!こうしてインリン様は、悠々と花道を去って行った。


第4ハッスル

1分46秒 FUJINプレス→体固め

 新たにヤングハッスルの監督に就任した木原2軍監督。控え室で汗を流す浪口&不動に対して、「プロレスとは魂なんだよ」「タッグは1+1を2にも3にもなるもんなんだ」とプロレス論を説く木原2軍監督だが、浪口と不動は完全にそれを無視する。そこにリーダー格の崔が登場。木原2軍監督を押しのけて「ハンディキャップマッチってことは舐められとんのや!」とハッパをかける。そしてヤングハッスルの3人は木原2軍監督を置いてけぼりにして、控え室を出て行くのであった。どうもヤングハッスルと木原2軍監督の関係はあまり良くないらしい。
 一方高田モンスター軍のアジトでは「遂に我がモンスター軍に最強のモンスターが誕生した。今では神としてあがめられる男たちのDNAを入手することに成功したのだ」と、笑みを浮かべる高田総統の姿が。そしてムッシュ・ド・バルバロッサとダン・ボビッシュを呼びつけると「時空の裂け目を利用して、お前たちに風神と雷神のDNAを注入する」と高田総統。そして天井天下唯我独尊逆回転スペシャルビターン!で、二人をFUJIN&RAIJINとして生まれ変わらせたのだ。
 会場に現れたFUJINをRAIJINを見る限り、RAIJINがダン・ボビッシュ、FUJINがバルバロッサの生まれ変わりのようだ。そしてこの二人が高田総統の言葉通り、戦慄の衝撃を与えることとなった…

閉じる 先発は崔とRAIJIN。エルボーを連打する崔に対し、RAIJINは一発のエルボーとボディアタック!何とこの攻撃だけで、崔を場外に吹っ飛ばす。慌ててリングに入った不動と浪口だったが、RAIJIN&FUJINの圧倒的な強さに歯が立たない。まずはRAIJINが不動を高々と持ち上げて、FUJINがダイヤモンドカッター。これで不動は戦闘不能に陥る。FUJINとRAIJINは崔と浪口を捕まえてチョップの連打とボディプレス。そして浪口を捕まえると、まずはRAIJINがパワーボム。そしてFUJINがトップロープからFUJINプレスを決めて3カウント。ハンデキャップマッチながら、FUJIN&RAIJINが秒殺勝利を挙げた。さらにFUJIN&RAIJINは助けに入った二軍カントクにも攻撃を加えボコボコにすると、両コーナーでガッツポーズ。この二人、ハッスル軍にとっては驚異の存在となりそうだ。


第3ハッスル

11分00秒 小包固め

 「ハッスル・マガジン」を読んでいるアン・ジョー司令長官と島田二等兵。インリン様のグラビアが良いと島田二等兵はニヤついている。そこにインリン様が、セクシー・チャイナ服で登場。
「スパンキー、ハヤシよりも俺達の方がイケメンでしょ?」と2人はインリン様に訊ねた。だがインリン様はアン・ジョーに向かって「ダボハゼ!」島田に向かって「臭いカメムシ!」と言い放つ。
そして「イケ面は高田総統だなのよ!」とインリン様は、2人に向かって言い捨てるのであった。
 カマキリ・ジャックは、さっきのイナゴ・ライダーと、ただの色違い?いや、違う。その手にはカマが付いている。そんなに安っぽいもんではなかったのだった。イナゴとは違って空色になった体、そして両手のカマを振り回し、カズと戦っている。正攻法的な展開で、両手を掴まれながらもブリッジをしてみせるカマキリ。両者はそれぞれにタッチして、モンスターJとスパンキーの戦いになる。

閉じるしかしJのロング・タイツのなかにはカミソリ?が入ってたとレフリーがチェック。どうやらまるめた黒い靴下が入っていたようだった。間合いをはかり、身構えるスパンキー。しかし突然、Jが腕を振りかざして、ただ「J!」と叫ぶ。何かスゴイ攻撃がくると思っていた観客は、ドッと笑ってしまった。そして、もう一度、片手をふりかざして、ただ「J!」と叫んで観客にアピール。再び観客の笑いを誘う。その後は、身軽な4選手による見せ場のあるスピーディーな空中戦が展開。リング上から場外へ向かって空中回転で、相手を襲うカマキリ。カマキリはカズに強烈なハイキックを顔面に食らっても、延髄斬りで返す。そしてJも踏みつけ攻撃、コーナー・ポストのセカンド・ロープからギロチン・ドロップなど見せ場を作る。技が決まると観客も一斉に「J!」と叫ぶ。そしてハッスル軍の二人を、それぞれロープに飛ばす。戻ってきたスパンキーとハヤシに、止めを刺すか!?と思いきや…カズ&スパンキーはまったく同時にカマキリ&Jをスモール・パッケージで固めて、カウント3を奪った。イケメンコンビの美しい逆転勝利であった。


第2ハッスル

5分46秒 キャメルクラッチ

 前回発足した坂田亘被害者の会が反響を起こし、笹原GMの元に多数の手紙が届けられた。しかもその内容はというと「死ね」「すけこまし」といった誹謗中傷の嵐だ。これを受けて行われた第2回坂田亘被害者の会でも、ありえない坂田の暴挙が明らかになった。

通訳 T・Dさん
「僕が通訳の仕事で英語を喋っていたら、『調子に乗るな』と言われて携帯を折られました。僕の仕事は通訳なんで、英語を話すのは当たり前じゃないですか!」

O池C子さん
「私は一般のお客として、静岡の大会を見に行っていたんですけど、公然の前でナンパされて、携帯の番号を聞かれたんですよ。まあ番号は嘘を付きましたけど…」

そして3人目に現れたIT関連の牧T一郎さん。顔は隠れているものの、どこからどうみて石狩太一だ。自分の顔が隠れているのをいいことに「アイツは鬼、悪魔ですよ。何もしてないのにつま先が尖った靴でスネを蹴ってくるし、タバコを首に押し付けてくるんです。重いカバンを持たせるし。僕は川田さんの付き人だし…」と暴言を連発する。そこに川田が登場。「何被害者気取ってんだ!お前は付き人らしいことしてねえじゃないか!俺がお前の付き人見たいもんだよ」と石狩を睨みつける。そんな川田に石狩は「あの坂田に川田さんからも言ってやってくださいよ」と泣き言。すると川田は「レスラーなら自分でケジメを付けて来い!」と石狩に張り手を食らわすのであった。こうして被害者代表として坂田亘と戦うはめになった石狩であった。対する坂田はコスチュームも真っ黒に新調。さらにコスチュームにはバラの絵が描かれている。

閉じる いきなりドロップキックを連発する石狩。坂田を場外に落とすと「コイツは最低最悪の悪魔ですよ!俺が被害者の会代表として、こいつを叩き潰してやります。かかって来い!ぶっ殺してやる!」と威勢のいい言葉を並べるのであった。そんな石狩だが、坂田が場外からリングに上がると石狩は場外へエスケープ。苛立つ坂田に対して石狩はエルボーの連発とドロップキック。そしてトップロープからスイング式DDTを狙ったのだが…
 坂田は石狩の体を軽々と持ち上げて、豪快にマットに叩きつける。のた打ち回る石狩に、坂田はストンピングとパンチを連打する。しかし石狩も根性を見せ、坂田のミドルキックをキャッチすると、強烈な張り手をお見舞い!投げっぱなしのジャーマンを決めた。思わぬ石狩の頑張りに面と喰らった坂田だったが、石狩のエルボーに対してカウンターの張り手。そのまま石狩をキャメルクラッチで絞り上げると、マイクを握って石狩に「参ったか?」とタップを促す。「嫌だ!」とそれを拒否した石狩だったが…坂田がさらにもう一ひねり加えるとあっさりタップしてしまった。
 マットに大の字になる石狩に「俺はお前にレスラーとして愛の鞭を振るってやってんだよ」と坂田。すると石狩の口にじょうろを差し込んで、そこに日本酒を注ぎ込む!酒の飲めない石狩は「オエッ!」とそれを吐き出し、より一層リング上でのた打ち回るのであった。さらに坂田は「お前らこんな男前見たことないだろう?こんな田舎なんて滅多に来る事ねえから、しっかりと拝んどけ」と、早速ナルシストぶりを発揮。静岡に引き続き、客席にめぼしい女性を見つけると「お前、新潟の女にしては可愛い方だな。試合終わった後にメシでも食いに行くか?」と公然ナンパする。しかしこの女性は「絶対行かねえよ」とこれを完全無視。すると坂田は「嘘だ!バカヤロー!」と吐き捨てた。
 ハッスル軍離脱後、これまで一匹狼として戦って来た坂田。「あのしょっぱいハッスル軍とバッタもんばかりのモンスター軍。俺が片っ端から叩き潰してやってやる」と、改めてどちらの軍団にも入らず戦っていくことを宣言。するとここで坂田から重大発言が。何と坂田と共に戦いたいと参戦を希望しているレスラーがいるという。そして坂田の紹介を受けて、リングに姿を見せたのは何と村浜武洋だ!「このしょっぱいリングで、しょっぱいプロレスやってるからやってきました。俺と坂田の兄貴が組めば、ハッスル軍もモンスター軍も相手じゃない」と村浜。そしてリング上で坂田と村浜は杯を交わし、兄弟の契りを交わすのであった。「俺がハッスルに焼きをいれてやる」と捨てセリフを残し、リングを降りた坂田と村浜。こうしてハッスル軍と高田モンスター軍による対抗戦がメインとなっていたハッスルに、新たな第3勢力が誕生。しかも坂田と村浜という超実力派のタッグチームは、今後のハッスルをかき回す存在になるだろう。


第1ハッスル

10分25秒 ダイビングボディープレス→体固め

この大会のために揃えた新モンスターを紹介する島田二等兵とアン・ジョー司令長官。アン・ジョー司令長官が「このイナゴ・ライダーがよいでしょう」と勧め、高田総統がニヤリと笑う。人間にイナゴの細胞を移植したというモンスターだ。新潟の米を食い散らしてしまえと言う。「さあ、行け!イナゴ・ライダーよ!!」
 リングに向かって仮面ライダーが茶色になったイナゴ・ライダーが、アリシンZ、アイン、ツバインが、ゆっくりと歩いて行く。

閉じるリング上で、それぞれ雄叫びを上げているところに、ハッスル仮面がリング上に、格好良く飛び込むとイナゴ・ライダーたちに襲い掛かる。リング下で8人が入り乱れての乱闘劇から、試合が始まって行く。レッドが、ブルーが、それぞれアイン、ツバインに捕まり、4人掛かりの攻撃を受けてしまう。そして次にイエローも、リング上で敵全員からの攻撃を受けてしまう。アリシンZはスチール椅子を効果的に使用し、ハッスル仮面を襲う。まったく、いちばん凶暴なアリシンZであった。そうしてピンクもリング中央で相手4人に蹂躙されて、それぞれ1人づつから交互にバック・ブリーカーを食らう。最後にイナゴ・ライダーが「稲刈り!」と叫んで全身を使った不思議な足払い技を仕掛けて、ピンクはひっくり返ってしまう。
それにしても日本語で「稲刈り」とは、どうやらイナゴ・ライダーは日本人のようだ。絶対絶命のピンチで、ピンクはマエストロと一対一の攻防となり、ロープに振られて抱えられると、しかし抱えられながらも相手の肩口でグルグルと何周も回って場内を沸かせる。
これは、まさにサーカスの曲芸状態だ!!そうして自力でピンチを切り抜けたピンク。そして最後はイエローが、トップ・ロープからのボディ・プレスでツバインからカウント3を奪う。意外と身が軽いイエローであった。


笹原GMリングに登場

 そしてリング上には笹原GMが登場。「ハッスル新潟初上陸ということになりました。昨年の大地震で被災された方々の立ち直ろうとする精神力に負けないよう、今日来てくださった方々のためにも、私たちスタッフ一同、命がけでハッスルしていこうと思います」と熱い思いを語る笹原GM。しかしそこに水を差したのが島田二等兵。「俺がモンスター軍の元参謀長の島田だ! お前らブーイングもしょっぱいな。米しか食ってないからだろう!」といきなり罵声を飛ばす。そして「GMの言葉は本当に胸に染みました。あんなに心に染みるのは平井堅の歌か笹原GMの言葉ですよ」とGMにいい顔をする。するとそこにカチンコを片手に「カット!カット!」と中村カントクが登場。「こんな素晴らしい新潟のファンの方に、そんな汚い格好は失礼だろう!」と島田二等兵を突っ込むと、会場からは大歓声が上がった。「暇なコイツらはパチンコするしかないんだよ」と全く学習能力のない島田二等兵。中村カントクの新コスチューム(白のポロシャツ、水色のサマーセーター、手にはカチンコ)を見て「お前の格好も何だそれ? 頭おかしいんじゃねーの!?」と突っ込みを入れる。これに対し、中村カントクは「ハッスル軍も俺も日々進化しているんだよ」と絶妙の切り替えし。より一層カントクへの声援が強くなった。
 相変わらず双方譲らず、しょうもない口喧嘩を続ける二人を、笹原GMがを制止して今日の対戦カードを発表。しかしそれでも二人の口喧嘩は終わらない。ここでいつもの笹原GMの「シャラップ!」が飛び出すかと思いきや、三人の間に微妙な沈黙が!? 何と「(シャラップの)タイミングを逃してしまった」と笹原GMが痛恨のミス! しかし会場からは笹原GMに対して「シャラップ」アンコールが巻き起こる。それを聞いた笹原GMは「分かりました」とまんざらでもなさそうな顔で、改めて「シャラップ」を決める。そしてサングラスを取り出し「アイ・アム・GM!」の決めポーズも披露。会場からはこの日一番の歓声が与えられる。そして何だかんだ言って、島田二等兵&中村カントクよりも目立った笹原GMから、ハッスル9の開催が宣言された。


オープニング劇場

 場内には高田モンスター軍のアジト、アン・ジョー司令長官がおにぎりを頬張り、島田二等兵は日本酒をラッパ飲みしている。「こんなドカントリーには何も期待していなかったんですが、魚沼産コシヒカリもグッドテイストです」とアン・ジョー司令長官。それにつられて島田二等兵も「越野寒梅もホントうまいっすよー! 早く今日はちゃっちゃとハッスル軍を片付けて、越後美人のいるお店にでも行きましょう!」と早速ハメを外しまくる。すると案の上、高田総統に「はしゃぐな! 島田&アン・ジョー!」と怒られるのであった。
 さて改めて新潟のファンに自己紹介した高田総統。今回、新潟を高田モンスター軍全国制覇の第2弾に選んだことには理由があった。その理由を高田総統は「大震災の甚大なる被害にめげず、力強く復興する町。そんな新潟県民の姿に、私は不屈の闘志を感じたのだよ。その粘り強さのエキスをぜひ我がモンスター軍にも注入しようと思ってな」と説明した。ここで突然、総統は扇子を広げたかと思うと、「まあーそのー、これも一つの日本列島モンスター改造計画だ!」と新潟出身の総理大臣・田中角栄のモノマネを披露! なんともお茶目な高田総統であった。
 しかし高田総統はあくまで高田総統。そこまで新潟をヨイショするわけではない。「ただし一歩ずつ復興するというまどろっこしいのは、私の美学に反する。我が高田モンスター軍は、今秋のハッスル・マニアに向けて、一気に日本のプロレス界とハッスル軍を根こそぎ叩き潰す! 新潟の諸君、我が高田モンスター軍を目の当たりにし、ビビってたじろぐがいい」と不敵な笑みを浮かべるのであった。


オープニングハッスル

 今回のオープニング企画の第一弾は石狩太一とハッスルドリンク一気飲み対決。会場で対戦相手を募集すると、石狩を舐めているのか、多くのファンが手を挙げる。そしてその中で選ばれたのはニットキャップを被った青年だ。そしてそこにハッスルドリンクを2本持った石狩太一が登場、余裕の表情で青年にドリンクを渡す。そして一気飲み勝負がスタート!何とファンの青年が石狩がまだドリンクの瓶に口をつけている間に一気飲み。何とレスラーに勝ってしまった。呆然とする石狩。勝利者賞のTシャツを手渡す石狩は相当ショックを受けた様子だった。
 そして続いての企画はカズ・ハヤシ&レオナルド・スパンキーのイケメンコンビによるお姫様抱っこ。カズは小学生の女の子を、スパンキーは色白の女性をお姫様抱っこしてリングイン。そのまま「どうしてもオープニングハッスルをしたかった」というハッスルあちち大谷晋二郎を交え、オープニングハッスルを決めた。


島田二等兵からの諸注意

 今回の観戦マナーの説明に高田モンスター軍島田二等兵が登場。「田んぼばっかりのド田舎にわざわざに高田総統とインリン様が来てくれる。教養・品のないお前らにマナーを教えてやる!」と、相変わらず新潟のファンを罵倒するのであった。さらに臼杵初代PRではなく、岸本二代目PRから協賛各社が紹介された。