ファイトカード

エンディング劇場

 威風堂々が流れる中、花道の奥から白いスモークが炊かれ、高田総統が現れる。いつもなら護衛のモンスター軍のメンバーが脇を固めているのだが、この日はメインで小川に蹴散らされたことで、誰一人として高田総統に護衛はいない。このチャンスを逃してなるものかと、スモークの向こうの高田総統に突っかかっていく小川。花道を後ずさり高田総統をリング際まで追い詰め、遂に高田総統と1対1で向かい合う時が来たのだが…
 小川が高田総統に張り手をかまし、高田総統の帽子とサングラスが花道の下に転がり落ちると、その素顔は何とアン・ジョー司令長官。会場に高田総統の姿はどこにもなく、アン・ジョー司令長官が高田総統の格好をして小川をかく乱していたのだ。
 すると場内に高田総統の姿が映し出される。まんまと総統の罠にはまった小川を「チキン、君の鳥目では私とアン・ジョーの区別もつかないようだな。モンスター軍でぼろ雑巾の扱い、イチから鍛えなおしてやろうと思ったが、君のような鳥目で千鳥足の人間にはようがない」と罵倒する高田総統。さらにコールマンに対しては「モンスター軍再入団査定試合をクリアできなかった、お前のモンスター軍入りは却下だ。どこかへ行ってしまえ」と、無情のリストラを宣告するのであった。
 「我が高田モンスター軍は秋のハッスルマニアのために着々と準備を進めている」と高田総統。「常に闘争本能を燃やしている私も、そこにさらに油を注いでいる状態なのだ」と、総統も含め高田モンスター軍はハッスルマニアに全勢力をつぎ込むつもりだ。「ハッスルマニアが高田モンスター軍のクライマックス、つまりはハッスル軍の最後になるのだ!」と高笑いする高田総統は、「君たちもハッスル10福岡に向け、無い知恵を振り絞って考えたまえ」と捨て台詞を残し、カメラの前から姿を消した。
 その高田総統の言葉を受け、川田と大谷が小川のいるリングに上がる。「ハッスル軍が一つにならないと、モンスター軍に勝てないぞ。あいつらは俺たちよりもチームワークが出来ている」と、厳しい言葉を述べる川田。小川もそれを聞いてじっと頷く。そして川田は「俺も高田をこのリングに上げて、アイツの哲学とやらを引き出してやる」と、小川同様に高田総統をリングに引き上げる事を宣言。となりの大谷も「俺もこのリングで高田総統をギッタンギッタンにしてやる」と続く。「どんな手を使ってでもいいから、高田総統をリングに引き上げるぞ」と川田。ここに『高田総統をリングに引き上げる』を合言葉に、ハッスル軍トップ3がより一層結束力を強くした。
 「札幌応援ありがとう!絶対に高田のヤローをリングに引きずり出して、ギッタンギッタンにやってやります」と小川。「そして絶対また札幌に戻ってくるからな!」と札幌のファンに凱旋を誓い、決意のハッスルポーズを決めた。

メインハッスル

8分20秒 STOボンバー→片エビ固め

 アン・ジョー司令長官と島田二等兵がニヤついている。「総統、これまでの対抗戦、モンスター軍の全勝ですよ。さすが総統のマッチ・メイクですよ」と笑う島田二等兵。「参謀長をクビになった、どこかのバカとは違いますねえー」とアン・ジョー司令長官が言うと「なにを言うんですか!」と島田がアン・ジョーに文句を言った。
「それにしても、これで小川が試合に負ければ、小川は我が軍の靴磨き。シュー・シャイ・ボーイですうー」とアン・ジョー司令長官は高笑い。すると椅子に座って黙って聞いていた高田総統が「ほざくな!島田、アン・ジョー!」と叫んだ。「コールマンよ、この試合が、きさまの再入団の査定試合だ。これに勝てば再入団を正式に認めてやる」と高田総統が言った。するとコールマンは「チキンの羽をもいでやる」と英語でまくしたてた。「やってこい!コールマン!」と高田総統は命じた。
 一方、ハッスル軍の控室。中村カントクが嘆くように小川に訴えかけている。「ここまでハッスル軍は全敗ですよ!今度、負けたら我がハッスル軍は、全試合負けてしまうことになりますよ!次の試合、どんなことがあっても絶対勝ってください!」すると、じっと黙ったまま前屈みになってスチール製の椅子に座っていた小川が、ゆっくりと顔を上げた。「大丈夫です。自分を信じてください」
 そうして、いよいよ本日最後の試合が始まった。花道に登場したコールマンを見て、アナウンサーが叫ぶ。「モンスター軍、ビターン・ザ・アルティメット・ハンマー・マーク・コールマンの入場だあ!」続いて小川がリングへと向かって来る。「選ばれし者の恍惚に浸る間もなく、また訪れた試練!自分を信じてくださいと語った小川。信じましょう!今のキャプテンなんですから」と結構、ドラマチックにアナウンサーは叫んでいる。

閉じる「どんなことがあっても、負けは許されない!」そして小川がリングに入ると、昨日と同様に自分から猛然と攻撃を仕掛けて行く。
膝蹴り、引き倒して、コーナー・ポスト際で両足でコールマンの胸元を踏みつけると、場外に投げ飛ばす小川。組み合い、もつれ合い、そうして両者は再びリング上で取っ組み合う。袈裟固めでコールマンを苦しめる小川。だが体制を入れ替えたコールマンに、逆に袈裟固めを極められてしまう場面も。苦しむ小川。しかしギブ・アップは許されない。セコンドにつくモンスター軍のレスラーたちの邪魔や妨害を受けながらも、何とか1人でコールマンに勝利することができた。


セミハッスル

3分55秒 FUJINプレス→体固め

 イスに座りじっと集中力を高める川田の周りを、石狩は落ち着かない様子でウロウロしている。「じっとしてろ!」と川田に注意される石狩だが、「落ち着かないんですよ。セミなんて久しぶりだし、相手はあんなデッカイやつらだし。それに今日は親も来てるんですよ。緊張しますよ…」と弱音を吐く。すると「平常心を保ち、いつでも普段の自分を出せるのがレスラーなんだ。お前もいつも通りの自分を出せ」と、川田は師匠らしい言葉をかける。すると石狩は「そうか、いつも通りの自分か…」と納得した様子を浮かべる。しかしそこはやはり石狩、「やっぱりいいこと言うじゃない、川田ちゃん!今日もススキノの(すしりゅう)予約しといたから!いつも通り川田ちゃんのおごりで頼むよ!」と川田の肩を叩いく。そして最後は「いつも通りの意味が違うんだよ」と、川田に真後ろから蹴りを入れられるであった。
 一方ここまで無類の強さを誇るFUJIN&RAIJINに、高田総統は絶対の信頼を持っている。「川田を叩き潰し、また引き篭もりに戻して、二度と外に出れないようにしてやれ!」と二人を送り出した。

閉じる ゴング直後、川田がRAIJINに、石狩がFUJINに襲い掛かっていくが、石狩はFUJINに一蹴される。そんな石狩とは対照的にRAIJINを蹴りで場外に叩き落す。コーナーに戻ると、果敢にも川田にタッチを要求する石狩。勢いよくリングインした石狩は、FUJIN&RAIJINにエルボー・ドロップキックを叩き込む。しかしパワーの差は歴然。RAIJINのパンチ一発で吹っ飛ばされる。
 石狩に変わってリングに上がった川田は、ローとハイキックでFUJINを攻め立てると、コーナーのRAIJINをフロントキックで場外へ落とす。FUJINの頭を掴み、顔面蹴りを叩き込む川田。ブレーンバスターで投げ飛ばすと、ストレッチプラムでFUJINの首を捻り上げていく。しかし後ろからRAIJINの強烈なラリアットをくらって、思わず技を解いてしまう。川田に代わって石狩がリングに上がるも、FUJINよりもさらに一回り大きいRAIJINが相手では全く歯が立たない。トップロープからのDDTを狙うも、RAIJINに受け止められ、そのまま放り投げられる。そして川田を二人がかりで攻撃し、場外に落としたFUJIN&RAIJIN。石狩にRAIJINパワーボムとFUJINプレスを叩き込み、最後は踏みつけフォールで余裕の勝利を手にした。
 FUJIN&RAIJINの快勝にインリン様もご満悦。リング上の川田に屈辱の鞭攻撃を加えると、「FUJIN&RAIJINよくやったわ。後でご褒美をあ・げ・る」と何ともうらやましい言葉。インリン様はFUJIN&RAIJINを引き連れて、悠々と花道を去っていった。


インリン様劇場

 何と会場にはアントニオ猪木のテーマ曲”炎のファイター”が流れ始める。そこに現れたのはインリン様。リングに上がると開口一番「お元気ですかーっ!」と呼びかけて、「元気があればM字も出来る」と、猪木のモノマネで会場を沸かせた。
 『インリン様がご覧になる試合』略してイン覧試合のために札幌に訪れたインリン様。リング上でセミファイナルのFUJIN&RAIJIN対川田利明&石狩太一の一戦がイン覧試合であることを告げ、リング下に設置された、インリン様特別のイスに腰掛けようとしたその時。
「ちょっとお待ちなさい!」
インリン様の宿命のライバル(?)Ericaの登場だ。明らかにムッとした表情を浮かべるインリン様に、Ericaは「何がイン覧試合よ!このインチキ女!今日こそ許さないからね」と歩み寄る。「何やってんだDBD!」「ユーはミーに負けてるんです」と、それを阻止しようとするアン・ジョー司令長官&島田二等兵。しかしEricaは「あんたたちみたいな暇でモテない変態ヤローには黙ってなさい」と一蹴する。そんなEricaの前に立ちはだかったのが、インリン様の付き添いで来ていたアリシンZだ。「相変わらず今日も鼻毛が伸びてんな」と、いきなりEricaのNGワードを連発、みるみるうちにEricaの顔色が変わっていく。そして「お前また鼻毛って言ったな。それは言うんじゃねえ!」とアリシンに裏拳をお見舞いとなるはずだったのだが…何とアリシンがそれをしゃがんでかわすと、Ericaの拳の先にあったのはアン・ジョー司令長官の顔面。またしてもEricaの裏拳の餌食になるアン・ジョー指令長官であった。アリシンの鼻毛発言で怒りの収まらないEricaは「こうなったらこっちも美女軍団を結成して、アマゾネス軍をぶっ潰してやる!」と、インリン様&高田アマゾネス軍に真正面から喧嘩を売った。
 せっかくのイン覧試合の前にEricaの乱入を受けたインリン様だったが、「せっかく来たのにこのまま帰ってもつまらないわ」と、何と自らM字ビターンをやってくれるというではないか!これには札幌のファンも大興奮。どの会場にも負けないくらいの「インリン様ー!」コールが巻き起こり、M字ビターンで客席はすっかりインリン様に洗脳されてしまったようだ。


第4ハッスル(ハードコア・マッチ)

9分45秒 人狼クロウ→体固め

「山田くん?、鈴木くん?、中田くん?あの平凡な王者が持つゴールデンロッドは、いつモンスター軍に返ってくるんだ?」と、HHH王者である田中をコケにする高田総統は「彼には少し痛い目にあってもらおう」とニヤリ。さらにタッグパートナーの黒田に対しても、「ここ北海道が彼の故郷らしいな。では少し遊んでやるとするか」と不敵な笑みを浮かべるのであった。先に黒田・田中組が入場すると、場内のスクリーンに高田総統の姿が映し出され「私からのプレゼントだ!」とハンディキャップマッチとなることが告げられた。するとザ・モンスターJ、ザ・モンスター℃、人狼、フライング・バンパイア16世、ピラニアン・モンスターΩ、ジャイアント・シルバの、何と6名が花道に登場。前代未聞の6対2のハンディキャップマッチとなった!

閉じる 意を決して高田モンスター軍に黒田・田中が突っ込んでいくだが、さすがに6人は相手に出来ず、すぐに袋叩きにあってしまう。モンスター軍は両コーナーに黒田・田中を貼り付けにして次々に攻撃をしかけ、黒田と田中をサンドイッチにしてシルバがジャイアントラリアットを叩き込む。リング内はモンスター℃と黒田。「C」と「哲」コールの中、哲がラリアットを打っていくが、すぐさまモンスターJがカットに入り、今後はJ・Cコール中で黒田に蹴りの連打を浴びせかける。
 黒田・田中を場外に落とした高田モンスター軍。ここでエプロンサイドに立ったシルバが、バンパイアを高々と持ち上げて持ち上げて、そのまま黒田・田中に投げ捨てる。さらに場外で黒田を机に寝かせて、そこにシルバがジャイアントプレス!これで黒田は完全にグロッキー状態、田中が1人で6人を相手にするという苦しい展開となる。
 人狼、バンパイア、ピラニアの噛み付き系モンスターが、田中の負傷している右肩に噛み付き攻撃。特にトップロープでのバンパイアの吸血攻撃&フランケンシュタイナーで、田中はフラフラだ。しかしそこで力を発揮するのがHHH王者の田中、バンパイアの前転プレスを交わすとピラニアにスピアー、そのまま二人にダイアモンドカッターを決める。そしてリングに復帰した黒田が机で℃とJを殴りつけ、リング内をシルバ一人にすると、二人がかりでブレーンバスターで放り投げた。そしてピラニアに黒田が哲ちゃんカッター、そこに田中が必殺の白いギターで一撃!スーパーフライのフルコースで田中がフォールするが、やはり6人を相手にするのはきつい。℃にカットされると、田中が℃にパワーボムをくらい、Jがトップロープからギロチン、バンパイアのきりもみ式プレスと次々に田中に襲い掛かる。そしてシルバが高角度ボディプレス&ジャイアントプレス。最後は会場に現れた満月がを見て、凶暴化した人狼が田中に首元に噛み付いて、昨晩に続いて、人狼が人狼クローで田中からフォール勝ちを奪った。


第3ハッスル (坂田亘・村浜武洋組 VS ハッスル軍)

11分40秒 ラクダ固め

「あちいー、あちちー、あちい、今日の俺は燃えてるぜ」と大谷が控室で叫んでいる。それを見ていた雀が「俺もあいつら大キライですよ」と言う。「よし、2人で熱く燃えて、この北海道を常夏にしよう!」と大谷が言う。「えっ、常夏・・・・」と雀が呟く。
そして「夏、夏、夏、夏、常夏」と、あまり似てない歌真似をする雀。そして「俺も村浜、やっちゃいますよ」と言う。そこに中村監督が現れて「北海道のファンが待ってるぞ!」と激を飛ばす。「よーし、いくぞう!」と3人が、それぞれ右手を重ねた。しかし次の瞬間に「あちちち」と2人は、大谷から手を離した。

閉じる 真面目な試合が展開されている。バックの取り合いでリング上で、ぐるぐるぐるぐると、何回転も回る選手たち。村浜が得意のハイ・キックを放ち、自らロープに跳ぶと、跳び後ろ回し蹴り。とても真面目な展開に、観客も驚きの喝采を送る。坂田も昨日とは違って、しっかりと殴り合いにも積極的に参加している。そして、ラクダ固めで雀からギブ・アップ勝利。試合後、いつものようにハンド・マイクを手にすると、場内の観客を見渡す坂田。「おい、そこの子。女か・・・」テレビ画面に着物姿の中年が映し出される。それだけ言うと、坂田も見なかったフリをして背を向けた。まずいものを映してしまったアナウンサーが「忘れましょう」とフォロー。そうして、またリング上から周囲の観客を物色し始める坂田。「おい、そこの女」と坂田がリング・サイド近くの女に声を掛けた。すると、そのテレビ・カメラに映し出された若い女の子は、キラキラした目を坂田に向けているではないか。思わず圧倒されてしまった坂田は「まあ、いいや」と背を向けてしまった。その女の子の顔を見たアナウンサーが「やばいんじゃ」と思わず呟く。「まんざらじゃあ、ないんじゃ」なんかリング上で空回りをしてしまっている坂田。
どういうわけか今日はSになりきれない。仕方なく「もっと骨のあるヤツを連れてこいや」とだけ言うと村浜にマイクを渡す。「アニイ。アニイは男前だけど、俺も男前やろ」しかし、そんな村浜の言葉は浮いてしまっていて、観客はシラケてしまっている。「誰がドチビやねん!」と1人で切れる村浜。思わず解説者が「誰も何も言ってないって」と突っ込んであげたくなってしまっている。マイク・トークは、やはり村浜は、まだまだ修行が足りないということだった。


第2ハッスル

10分12秒 スピンキック→片エビ固め

島田二等兵がEricaについて悪口を言い続けている。
「次の試合はあのドブス、デブ、略してDBDのEricaです!あんなヤツと組みたがるヤツなんかいないですよ」と言い合っている島田二等兵とアン・ジョー司令長官。それを椅子に座って黙って聞いていた高田総統が「バカ者、珍味には珍味の味がある。そこで、こんなものを用意した」とホワイト・ボードに張った大きな紙を示す。
「イエー!まさに恐怖のアミダクジです」とアン・ジョー司令長官は喜ぶ。そしてクジを引いた。「おっ、金村ですよ」と島田二等兵が叫ぶ。「よし、アリシンZ!白豚と黒豚、どちらが珍味か味わってきたまえ」と高田総統がカメラに向かって叫んだ。花道に登場したEricaと金村。2人が揃って、なにかの振りをつけて機械的な動きで踊っている。その顔を見たアナウンサーが思わず「金村キンタロー、やる気ぜろです」と叫んだ。それにしても、この金村の顔。アナウンサーが「やけに真顔ですよね」と笑いを抑えるので必死だ。解説者が「やけくそになってますね」と解説した。ピンクのビヤダル状態のEricaと、金村がリング上に並んで立ち、手先だけのフリ付けを機械的に動かして、息もピッタリ揃って踊っている。体型がそっくりな男女が横に並んで、揃って踊っている。実に奇妙な光景だ。アナウンサーが「ちょっとキツイ映像かも知れません」と視聴者をフォロー。「金村の、この真顔が・・・・なんとも」すると解説者が「金村の表情をごらんください。人が無実の罪で死刑になったときは、こんな顔です」と突っ込む。続いてアン・ジョー司令長官とアリシンZが登場。アリシンZを見て、ニヤリと笑った金村は、両手でオッパイを揉む格好を示す。それを見て逃げ出すアリシンZ。アナウンサーと解説者が、そうかと思わず叫んだ。「金村、アリシンZ、狙いだったのか」「転んでもただでは起きないとはこのことか」青木も思わず「すばらしい」と感動。「頑張れー、キンちゃーん!」と黄色い声援を送るErica。それにしても、どういうわけかEricaと金村の息はピッタリ合っているのが不思議だ。解説者が「夫婦ルンバみたいですね」と考え込む。

閉じる 金村と試合をするのを嫌がり、場外に逃げてしまったアリシンZ。「何を争う競技なんでしょうか」とボソッと、また昨日と同じ台詞を吐いてしまう解説者。そうして仕方なく、アン・ジョーがリングに立つ。しかし金村はローキックをちょっと蹴られて、すぐに場外へエスケープ。苦しそうにうずくまる。「うーん、金村ペースですね」と解説者は唸る。そうしてEricaがリングに入った。「かかってらっしゃい」と尻を振るErica。「ちょっと、いやーな汗が」とアナウンサーは引く。嫌がるアン・ジョーであったが、そうしてEricaのバックを取った。「あーん、イヤ、イヤ!」と言いながらEricaは、後ろから回っているアン・ジョーの手を掴むと、自ら自分の胸に引き上げているではないか。たまらず逃げ出すアン・ジョー司令長官。「いやーん!この人痴漢!」と叫ぶErica。アン・ジョー司令長官は、顔を歪めている。すると場内からヘンタイ・コールが巻き起こってしまった。解説者とアナウンサーが「勇気あるセクハラだ」と頷いた。そうして、ついに金村とアリシンZが組み合った。ヘッド・ロックを受けた金村は、思わず「気持ちいい」と声を漏らし、気味悪がって自ら手を離してしまうアリシンZ。ロープに跳んで、勢いをつけて、座り込む金村の顔面にドロップ・キックを炸裂。顔を押さえて「Ericaちゃーん」と叫ぶ金村。「キンちゃーん!」と声援を送る金村。思わず解説者が「キンちゃん、やったのかなあ」と呟いてしまう。金村はアリシンZを抱えてキスをして、またはEricaと仲良くキスをしながら攻撃し、相手を追い詰める。アン・ジョーを、2人かがりでコーナー・ポストに。それぞれ片足を引っ張ってコーナー・ポストに股間をグリグリと押し付けている。解説者が「うーん、いい攻撃ですね」と唸る。青木が「これは、感動する、って言うんですかねえ」と考え込む。「コンビというよりはカップルですね」続いてEricaが、アン・ジョー司令長官に電気アンマ攻撃。ロープに跳んで、しかし相手が避けてしまってEricaが金村の股間に顔を押し付けている。ずっと引き気味のアリシンZだったものの、何とか気を取り直して、Ericaをフォールし、
最高に面白い試合に幕を降ろしてしまった。前屈みになるEricaを優しく抱き寄せて、花道を戻って行く金村。やったとしたら大したものだ。さすがプロフェッショナルだキンタロー!


第1ハッスル

9分36秒 マリモ固め(スクールボーイ)

 リング上に残っていたアン・ジョー司令長官がマイクを持って言った。「マリモ・ブラザーズ。より強力になって、スーパー・マリモ・ブラザーズ!」と選手を紹介。花道に登場した2人を見た青木が「(胸に)Sがついただけ」と失笑。
解説者がボソッと「今日、誕生日だそうで」と独り言のように呟く。「開きなおったんですかねえ」するとアナウンサーが「あっ、回った。あっ、後ろにも、仲本コウジ・レベルですか?」花道を前回りで、時々、後ろ回りもして、そうして2人はリング・イン。
解説者は「でも近くで見るとハヤシヤ・ペーに似てますが」と言う。アナウンサーが叫ぶ。「帰ってきたスーパー・マリモ・ブラザーズだあ!」解説者が「帰ってきたって、どこに帰ってきたんですか?」と突っ込む。

閉じる 試合が始まると2人がかりで連携よく、ハヤシとスパンキーをかく乱し、攻撃を仕掛ける。急所攻撃を受けたスパンキーは、前屈みになりながら「ちょっと待って」と叫ぶ。そうして”マリモ””ルイーべ”と書いてある紙を取り、彼らの胸に張った。これで、どっちか分かると安心したスパンキー。しかし、2人は、あっさりと、それを取ってしまった。「折角のカントクの作戦も無駄になっちゃっいましたね」と解説者が嘆く。相手を叩こうとして同士討ちになってしまい、仲間割れが起こって赤いピコピコ・ハンマーで殴り合いだ。「大事なポイントですよね。ドリフのコントみたいですよね」と解説者が説明した。そうして、ようやく2人は相手をピコピコ・ハンマーで攻撃し始めた。「肉体的なダメージはゼロに近いんですけど、精神的ダメージは計り知れないですね」と的確な解説を続ける平塚。そしてスーパー・マリオ・ブラザーズたちは、懐から小さなマリモを取り出して、それを倒れ込むスパンキーに向けて、いくつも、いくつも放り続けている。「なんなんでしょうか?この攻撃は?一体どんなダメージがあるっていうんでしょうか?」と、さすがの解説者も解説のしようがない。そうして金的攻撃からのスモール・パッケージでスパンキーはやられてしまった。「なんか、幼い頃にマリモについて何かあったんでしょうか?」と首を傾げる解説者。しかしスパンキーのダメージは相当なもので、ファースト・ロープに腰を掛けて、前屈みになり、脂汗を滴らせて、相当に苦しそうであった。


高田総統劇場

続いてGM笹原がリング上に登場。
「ハッスル、北海道開催も本日で2日目。昨夜の対抗戦で、モンスター軍が勝利し、モンスター軍がマッチ・メイクをすることになりました。私たちも命懸けでハッスルしたいと思います」と、ここまで言うと、いきなりサングラスをかけて怒鳴りまくり、いつものポーズ。「大変、お見苦しいところを、お見せいたしました」
 そこに「GM、スター気取りもいい加減にしたまえ」と高田総統の声が。いきなりオープニングに、高田総統がアン・ジョー司令長官と島田二等兵を引き連れて登場したぞ。リングに立つ高田総統。会場はブーイングと喝采が交錯している。早くも北海道の人々も洗脳されてきた事実が、ここに露呈されていた。そしてリング上に立つ高田総統。「今のブーイング11点だな。ま、ど田舎にしては・・・・」ここで観客の声で遮られてしまう。「はじめていいかな?キミに言いたいことがある。最近、キミはスター気取りで。何なんだ、あの決めのポーズは?」そう言われたGM笹原は困ったように「ちょっとでも盛り上げようと思って・・・・そうですオリジナルです」と答えた。観客が何か叫び、皆が笑う。「リズムが狂うから余計なことを言うな」と高田総統は観客を黙らせる。「余計なことを言うな。今、言おうと思ったんだよ。GM、私より目立つな。諸君が注目しなければならないのは、私1人だ」島田二等兵が「わかったかあー!」と、あおる。「おっと、失礼。挨拶を忘れてたよ。今言う。我こそは、モンスター軍総統、高田だ。実は昨日、ススキノという町に行ってみたんだ。あれだなあ、ススキノという町も、いいもんだな」するとアン・ジョー司令長官が「スーススキノ、サッポロ、エクセレントでーす!」と言う。Ericaのようなドブス、デブはいなくて、スーツ姿の美人ばっかりだとアン・ジョーは喜んでいる。
そして高田総統が言う。「どうだ、期待した以上の成果が出た場合、ススキノの店を、すべて私が貸切るという、それでどうだ」それを聞くとアン・ジョー、島田が「飲んで、飲んで、食って」と、はしゃぎまくる。「はしゃぐな!島田、アン・ジョー、俺より目立つな!」と高田総統が怒る。「しもじもの諸君、昨日のメイン・イベントの結果を知ってるか。今日、我がモンスター軍のマーク・コールマンに負けたら、小川は我が軍に入るということだ」「俺の下の三等兵だ」と島田が高笑いだ。「おい、GM。聞いてたな」と、またGMに詰め寄る高田総統。観客が、また何かを言っている。
「いいか、一番いいとこだ。イッツ・モンスター・イン・サッポロ!」それだけ言うと高田総統は、リングから立ち去った。アナウンサーは「すでに洗脳がはじまっているようです。会場の雰囲気が紫一色に変わる」と叫んでいた。


オープニング劇場

前回の試合のダイジェストがオープニングで紹介される。昨夜の対抗戦にて勝利したモンスター軍は、本日の対戦カードを決める権利が与えられたのだ。そればかりでなく、小川がもし負けたら、モンスター軍に強制入団となり、島田の下の三等兵。そしてインリン様の靴磨きをさせられるハメになってしまうのだ。さらに今日はインリン様が札幌の試合場に降臨し「インラン試合」をすると言うのだ。いやがおうにも会場は盛り上がる。そして札幌の試合会場が映し出された。やはり、また石狩のお父さんの姿が。もちろん、お母さんも。そして今日は、お姉さんの旦那さんも、子供も揃ってリング・サイドで観戦だ。


黒田劇場

石狩の姿はなく、同じく北海道出身の黒田哲宏が登場し「ハッスル・ドリンク一気飲み対決」だ。しかし、またしても、お客さんの勝利。昨日と同様に「白い恋人対決」は、リング・サイドのサトウ・マドカちゃんという名前のお客さんと二階席のカップルが参加。小麦粉で真っ白な顔になりながら勝敗もつかず、一緒に「ハッスル、ハッスル!」で、オープニングは終了だ。


石狩太一からの諸注意