ファイトカード

高田総統劇場

 してやったりと言わんばかりの表情で川田を見下ろし、リング上を勝ち誇りながら闊歩するニューリン様! 一体、何が起こったのか? ハッスル軍も川田も、ただ呆然とするばかりである。そこへ、あのお方の怒声が響き渡る!
「ニューリンよ。いったいお前は何を考えているんだ!?」
『威風堂々』のテーマ曲が流れ、1階客席の後方から高田総統が登場した。爆発する「そーとー、そーとー」のコール。しかし、高田総統は「もういいよ」とつれない。
「おい、せっかくの休日にもかかわらず……いや、そんなことなどと言ってる場合じゃないんだよ! 挨拶だけはしておこう! 我こそが高田モンスター軍総統・高田だ!」と、こんな異常事態でも挨拶は忘れない礼儀正しい高田総統。「そーとー、そーとー」コールが再び湧き上がるも、「うるさい! もういいって言ってるんだ」とやはり一喝されてしまった。
「最近、信頼していた人間がある日突然、どこかへ行ってしまうという出来事が世の中で頻発しているらしいじゃないか。ニューリン…お前もか!」と高田総統が問いかける。
 するとニューリン様は、「アタシの敵はハッスル軍じゃねえって分かったんだよ。アタシの本当の敵は…高田、オメェーだ!」と、高田総統を指差す衝撃の発言!
 ニューリン様の暴言にビックリするモンスター軍の面々。アン・ジョー司令長官はうろたえながら、「ニュ、ニューリン様! 総統に向かってなんデスカ、その口の利き方は! 今なら間に合いマース。す、すぐに総統に、謝ってくだサーイ!」と訴える。
 しかし、それを制したのは高田総統だった。「待て、アン! ほぉー、面白いことを言うじゃないか。どういう意味か、聞かせてもらおうか?」と再び問いかける。
 ニューリン様は「しらばっくれてんじゃねーよ! (マスクを取って)アタシのこの顔に傷をつけたのはオメェーだろ?」と、超ド級の真相追求だ!
 すると高田総統、「ちょっと待て。今なんと言った? この私に言うに事欠いて“オメェー”だと? こんのヤロー!」とニューリン様の暴言に怒り狂う高田総統であったが、あっさりと我に返り「まあいい」と話を続ける。
「そうか。知ってしまったのなら仕方がないな…。それには理由がある」と、高田総統はなんと傷をつけたことを認め、理由を語り出し始めようとしたが、その言葉にニューリン様がブチ切れた!
「理由なんかどうでもいいんだよ! アタシは許さねぇからな! こんなモンスター軍、辞めてやるよ。絶対、許せねぇ。オメェをぶっ殺す!」と、モンスター軍の離脱&高田総統抹殺宣言が飛び出した!
 衝撃の展開に大揺れとなるパシフィコ横浜。そこへ、さらに話をややこしくしそうな、あの男の声が轟く!
「セイセイセイセイ! ややこしい話はセイでお願いしますよ〜!」と、HGがステージに腰を振りまくっての登場!
「どうも〜。アメリカでも下ネタを連発してきたHGで〜す! ボーダレス下ネタ、フー! ニューリン様! それはセイでしょ。私はね、あなたに大阪での借りを返したかったのに、なんですかこの急展開は? あまりにも急転直下で誰も話を理解していませんよ。ついてきてますか〜、お客さ〜ん?」と観客に問いかけつつ、「モンスター軍を辞めて、一体どうする気なんですか、え?」とニューリン様に疑問を投げかける。
 ニューリン様は「大きなお世話なんだよ!」と吐き捨てる。キレられたHGは「セイ……」と意気消沈しながらも、「私はね、あなたたちの話を聞いていて、いいことを思いついたんですよ。あなたが高田総統のカリ首、セイセイ、首を狙うというなら、私も協力しますよ。いっそのこと、ハッスル軍に来たらどうですか〜? 私があなたのリベンジに力を貸しますよ〜」と、なんと過去の因縁を水に流し、共闘を申し入れたのである!
「おい、HG! お前、まだ時差ボケか? お前、自分が何言ってるのか分かってんのかよ! 今までこいつが俺たちに何をしてきたか、分かってんのか?」と小川が慌ててセイだ。
 HGは「キャプテン、私は日頃からアナルの大きな男……セイセイ、ケツの穴の小さな男ではありませんから、小さいことは気にしないんですよ〜」と、さすがの大穴(?)ぶりを発揮する。
 するとニューリン様は「腰フリ! 誰がオメェーの力なんて借りるかよ!」と共闘を拒否するが、「勘違いしないでください。別に私はあなたに興味を持っているわけじゃありませんよ〜。私はね、あのゴリゴリの中のゴリゴリ、スペルマンサーと私のTバックマッチ、ローションマッチを地上波で放送したいだけです。あなたがハッスル軍にいれば、チャンスが広がるかもしれませんからね〜。お互いのメリットを考えれば悪い話じゃないと思いますよ〜」と、エスペランサーに対する下心で共闘を申し込んだことを明かした。
 普通なら納得するような理由ではないのだが、ニューリン様は琴線に触れたのか「ふ〜ん……考えてやってもいいな。とにかく高田! オメェーだけは絶対に許さねぇからな! 覚えとけよ!」と、まさかのハッスル軍入りを匂わせながら、マイクをリングに叩きつけて去っていた。
 その後ろ姿に、泣きながら「ニューリン様! ニューリンさま―っ! 総統! なぜ、ニューリン様はあのようなことを!」と訴えるアン・ジョー司令長官。しかし、総統は冷静だ。「うろたえるな、アン! ニューリンはな、まだまだ子供だということだよ。分かるだろう?」と動じない。
 今度は小川が口を開いた。「高田、オメーもかわいそうだな」と同情いっぱいの口ぶりながらも、「でも、そんなことは知ったこっちゃねえんだよ! 今日の試合、俺たちが勝ったんだ。あのエスペランサーとかいうのと俺を闘わせろ!」と、エスペランサー戦を要求する。
 この会話に割って入るのは、当然、川田だ。「おい、チキン! 俺は心の傷が痛いんだよ。ニューリン様に裏切られただけじゃない、石狩は消息不明だぞ、この野郎!」と逆ギレし、「お前、こんなんで勝ったと思うなよ。それにな、エスペランサーの名前を出す前に何回も言ってるけどな、モンスター軍のNo.2は俺なんだよ! まず、俺と一騎打ちしてみろよ」と、その前に俺と闘えとアピールだ。
 小川は「おめぇと一騎打ち? そんなもんショートカットで十分なんだよ」と一蹴するが、高田総統がさらに割って入る。
「まぁ、我がモンスター軍のNo.2が、モンスターKかどうかはさておきな…」と言うと、川田は不服そうに無言で総統を睨む。そんな川田の態度にビビッてたじろぎながらも、総統は、「まぁ、いい。今日のような勝ち方で闘えるほど、エスペランサーは安モノじゃないんだよ。せいぜいこの私に、エスペランサーを再び降臨させてもいいと思わせるようにハッスルすることだ。しかしだ、エスペランサーが再び降臨することは、それはすなわち、君たちが終わりということになるがな。分かるだろう?」とニヤリ。
 そして、今日はあっさりと「それでは諸君、2日後の後楽園でまたお会いしよう。そういうことだよ…」と締め括ろうとするが、川田、の行動を気にしつつ「バッドラックだ!」。
『威風堂々』のテーマ曲が流れ、モンスター軍退場……と思いきや、「おい、ちょっと待て! 曲を止めろ。まだ私の姿を拝んでいない、気の毒な連中が後ろにいるんじゃないのか?」と、モンスター軍が整列していた通路よりも後方の客席を振り返る。
 これには大喜びの後方客席の皆さん。「そーとー、そーとー」とのコールで高田総統の心遣いに応えるが、「うるさい! そんなしけたコールはいらん!」と一喝されてしまった。
「ひとつ、言ってやろう。男の生き様、それはな、今キミたちが見ていた背中に出るもんなんだよ。分かるだろう? バッドラックだ!」と、横浜にふさわしい渋いセリフを残し、高田総統は姿を消した。
 リング上に残されたハッスル軍。まず大谷が口を開く。「おい、HG! お前、なに言ってんだよ。あんな奴がハッスル軍に来たら大変なことになるぞ。さっきキャプテンの言ったとおり、あいつが俺たちに何してきたのか分かってるよな? TAJIRIからもひとこと言ってやってくれよ」とHGを諭そうとするが、TAJIRIは「僕はMペランサーは苦手ですけど、ニューリン様が来るんだったら大歓迎ですよ。僕ね、めがねフェチなんで、太い黒縁のめがねをニューリン様がかけてくれたら萌え〜かなって」と、自分勝手な妄想に浸るのであった。
 TAJIRIは「それに、エリカさんとマーガレットさんには悪いですけど、かわいい子が来てくれると嬉しいんじゃないですか?」と、HGの意見に賛成のようである。
 納得いかない大谷は「キャプテン、こんなこと言ってるよ。どうする?」と、小川に結論を求める。すると小川、「まぁ、入りたいって言うんだったら入れてやりゃいいんじゃねえの?」と、先ほどとはうって変わってまんざらでもなさそう。しかも、適当な受け答え!
「えっ!? ちょっと待ってよ、さっき言ってたことと違うじゃん! いい加減すぎるよ、キャプテン!」と大谷も思わず突っ込むが、小川は知らん顔だ。
「まだ決まったわけじゃねえだろ? 今日は俺たちが勝ったんだし、キングのいい供養になったじゃないかよ。なるようになれだ!」と、かなり適当なキャプテンであった。大谷も納得いかない表情だが、最後には“まぁ、いいか”という感じになった。
「みんなのおかげで、今日は最高の1日になったよ! ありがとう! 最後にHG、いつもの頼んだぞ!」と、小川は今日のエンディングにHGを指名した。
「オッケ〜イ! それでは皆さん、最後に私がしっかり締め付け、セイセイ、締めをやらせていただきますので、ご勃起、セイセイご起立お願いします〜」と、アメリカ帰りでパワーアップした下ネタで観客を立たせる。
 HGは「楽しくなってきましたね〜。これからのハッスルは見逃せませんよ! これからもRG以外の応援をよろしくお願いします!」と、約1名を除いての応援願いをファンにアピールした。
「それではイキますよ〜。スリーツーワン、ハッスル! ハッスル!! フォー!」と、ファンと一緒にエンディング・ハッスルを決めるのであった。
 ニューリン様が高田総統に下克上を叩きつけるという意外すぎる展開に見舞われたハッスル! そして、まさかまさかのモンスター軍離脱宣言。果たして、ニューリン様がハッスル軍入りする日が来るのか? そして、ニューリン様が高田総統を許せない理由とは? タッグ・トーナメントの行方は? 全てのストーリーは11日の後楽園大会まで続く!

メインハッスル

11分00秒 エビ固め

 先月行われた『ハッスル・エイド2006』で驚愕の事実が発覚した。メインのタッグマッチでTAJIRIがニューリン様のマスクをはがしてしまい、仮面の下に隠された痛々しい傷がさらけ出されたのだ。そのことが発端となり、それまで怖いもの知らずだったニューリン様は、初めて弱々しい姿を見せ、そのままカウントを奪われ、負けとなってしまった。ニューリン様は傷を隠し、そのまま大観衆の視線から逃げるように、走り去ってしまった。
 一方、ニューリン様に快勝し、有頂天のTAJIRIはその直後、ニューリン様の仇を取るべく登場した高田総統の闘う化身ザ・エスペランサーの餌食に。静まりかえる会場には、TAJIRIの断末魔の悲鳴がこだましたのだった。その時に受けたTAJIRIの精神的ショックは凄まじく、その心にはエスペランサーのトラウマが深く刻み込まれてしまった……。
 そんなTAJIRIへのさらなる報復として、高田総統はニューリン様を、今宵、TAJIRIのトラウマを増幅させる手段としてザ・Mペランサーに変身させるという。
 そこはハッスル軍の控え室。「おい、TAJIRI。お前、心の傷は癒えたのかよ。」と小川はTAJIRIを気遣い声をかけた。「だ、大丈夫ですよ。この日に向けて、メンタルトレーニングもしっかり積んできましたから」と答えるTAJIRIだったが、どうもまだ完治してない様子だ。
「本当か? ホレ。」疑う小川はザ・Mペランサーの写真を見せると「う、うわ〜!! や、や、やめて〜!!」とTAJIRIは断末魔の叫び!
 途方にくれる小川は「きたねえッ! やっぱりダメじゃねえかよ。しっかりしてくんなきゃ困るぞ。今日、俺たちが勝てば、もう一回、あのエスペランサーを引っ張りだせるかもしれねえんだから」とTAJIRIにゲキを飛ばすも、当の本人は恐怖におののいている。TAJIRIは「僕、後悔してるんですよ。僕がニューリン様にあんなことしなきゃ、エスペランサーと闘わずに済んだかもしれないのに」と、ザ・エスペランサーとの闘いを後悔するばかりだ。
 なだめる小川だったが、TAJIRIは「エスペランサーはもう嫌だ。とにかく、そっちの方はキャプテンにお任せします。それに比べれば、あの歯抜けの川田が天使のように思えてきますよ…。エスペランサーはやばい、やばいよ!」と恐怖心でいっぱい、いっぱい。どうなるTAJIRI? こんな状態で一体闘えるのだろうか?
 ここで場内スクリーンにはモンスター軍のアジトに切り替わる。KATAKARI300%としてトーナメントに出たばかりのアン・ジョー司令長官に島田二等兵は「あ! 司令長官! KATAKARI300%から元に戻ったんですね」と声をかけるも、当の本人のアン・ジョー司令長官は先ほどの闘いをほとんど覚えてない様子だ。
 メインに出場するニューリン様を見つけたアン・ジョー司令長官は「今日は、ミーたちがセコンドについてますから安心してくだサイ! 必ずTAJIRIにこの前の落とし前をつけてやりまショウ」とはげます。しかし、アン・ジョー司令長官のテンションとは違うニューリン様は「オメーらの手なんか借りなくても、アタシ自身の手でTAJIRIの落とし前はきっちりつけてやるよ」と闘志を燃やすも、どこか様子が変だ。「それよりも、あたしにとって本当の敵が誰なのかがやっとわかったんだよ」とニューリン様は、意味深な発言。ニューリン様の本当の敵とは…?
 続けてニューリン様は「ああ。今日はよ、そいつが一番ビビッてたじろぐやり方で復讐してやるよ」と、その誰かにリベンジを宣言する。「どういうことですか?」と島田二等兵とアン・ジョー司令長官は全くニューリン様の言ってることが疑問でしょうがない。
「フッ。すべてはあとでわかるよ。それより、これから総統にMペランサーに変身させてもらうからよ」そう言ったニューリン様は高田総統のところへ。これから一体何が起こるというのか…
 ザ・エスペランサーのイントロが流れる中、フードを頭からすっぽりかぶったザ・Mペランサーが登場。ザ・エスペランサーに姿もそっくりだ。フードをとり、顔を見せたザ・Mペランサーの表情はまさに闘う化身と化していた。
 続いて小川とTAJIRI登場! しかしTAJIRIは小川の後ろにこそこそ隠れている。ザ・Mペランサーの姿を見て、TAJIRIはなかなかリングインしようとしない。

閉じる ゴングが打ち鳴らされるも、なかなかリングに上がらないTAJIRIは小川に必死に助けを求める。しかし川田が先発と分かると、TAJIRIは元気よく飛び出した。しかし手を合わすことなく、川田がザ・Mペランサーにタッチすると、TAJIRIは小川に頼み込む始末。「全然エスペランサーとは違う! 大丈夫!」と説得する小川。しぶしぶTAJIRIは勢いよく出て攻撃するが、ザ・Mペランサーは動じない。恐怖心が蘇ったのか、TAJIRIは逃げるように小川にタッチ。ザ・Mペランサーも川田にタッチする。
 小川は川田にローキック。川田も負けじとローを返す。一進一退の攻防の中、両者はチョップ合戦へ。川田は小川をコーナーに追い込み、チョップ連打。小川も負けじと踏み付けで反撃に出る。 小川は柔道仕込みの巴投げで投げ飛ばし、川田に蹴りをお見舞い。追い討ちをかけるようにTAJIRIが川田にドラゴンスクリュー。これで膝を負傷した川田に対し、小川は足4の字で絞り込む。しかし川田は必死に体をロープに近づけて、何とかエスケープ。グロッキー状態の川田に対し、小川は走りこんでのラリアット! ザ・Mペランサーの視線を感じるTAJIRIは、ザ・Mペランサーの様子をうかがうように川田に攻撃する。
 しかし一瞬の隙をついて川田がザ・Mペランサーにタッチしようとすると、慌てるTAJIRIは「ダメです!」と懇願しながら川田の体にしがみつき、なかなかタッチさせようとしない。TAJIRIはザ・Mペランサーの恐怖から全く闘いに集中できない様子だ。
 そんなTAJIRIに川田はブレーンバスターをお見舞いし、ようやくザ・Mペランサーにタッチ! ザ・MペランサーはTAJIRIにフランケンシュタイナー。するとザ・Mペランサーに近づくことさえも拒否したいTAJIRIは慌てて逃げだし、頭を鉄柱にぶつけてしまった。
 ザ・Mペランサーのムチ攻撃に悲鳴を上げるTAJIRI。ザ・Mペランサーの攻撃に防戦一方のTAJIRIだが、相手が川田と知ると猛反撃するのだった。川田のパワーボムをくらったTAJIRIはダメージ大! トドメとばかりに川田はサッカーボールキックからキャメルクラッチでTAJIRIを追い込む。
 さらにアン・ジョー司令長官はザ・エスペランサーの大きな写真をTAJIRIの目の前にチラつかせ、TAJIRIは絶対絶命だ! するとザ・Mペランサーがリングに上がり、その写真を奪い取り、TAJIRIに一撃を食らわすと思いきや…
 何とザ・Mペランサーは自分の膝でザ・エスペランサーの写真を叩き割り、毒霧ミストを川田の顔面に噴射! 何を血迷ったのか、ニューリン様が川田を不意打ちする形となり、訳も分からぬままTAJIRIが川田から3カウントを奪い、ハッスル軍がメインを勝利で飾った。
 ニューリン様の突然の裏切りに騒然とする場内。すると突然どこからともなくあの男の声が…


セミハッスル ハッスル・キング メモリアル6人タッグトーナメント 準決勝

7分11秒 53才

 組み合わせ抽選会では、橋本の後継者を自負する大谷を挑発し、トーナメント制覇をぶち明けた坂田。抽選では幸運にもシード枠を引き当て、ノーダメージのままでモンスター軍のチーム6mと激突することとなった。
 一回戦ではバボの誤爆攻撃でややチームワークを乱しかけたチーム6mだったが、仕切り直しとばかりに準決勝の試合前には結束の固さを感じさせる。そして坂田軍団がリングに上がると、ゴングが鳴る前に、チーム6mは坂田軍団に襲い掛かった!

閉じる チーム6mはいきなり坂田を孤立させると、3人がかりで坂田を攻撃する。さらに坂田が痛めている左膝を狙い、ゴモラが強烈なバスターとローキックを叩き込んでいく。続けて入ったバボと耕平も容赦なく坂田の左膝を攻撃し、バボのハーフボストンクラブやゴモラのローキックを受けた坂田の膝は早くもパンク状態。開始直後から坂田が満足に動けないという状況に陥ってしまった。しかしトーナメント抽選会であれだけ大谷にタンカを切っている坂田だけに、こんなところで弱音を吐くわけにはいかない。チーム6mの合体攻撃をヒラリヒラリとかわし、天龍にタッチした。
 満を持してのリングインとなった天龍は、チーム6mの3人を逆水平で蹴散らすと、耕平と迫力十分のチョップ合戦を繰り広げ、耕平をマットに膝まずかせる。しかしここはチーム6mがチームワークの良さを発揮し、バボが長身の高角度ドロップキックで天龍をコーナーまで吹っ飛ばした。
 天龍に代わってリングに入った崔だったが、この6人の中ではもっとも体が小さく、バボの高角度のドロップキック、そして耕平のパイルドライバーをモロに受けて動きが止まってしまう。しかし坂田同様に気合の入り方が違う崔は、トップロープに上った耕平をエルボーの連打で弱らせると、そのままトップロープからブレーンバスター。自陣コーナーの3人を呼び込んで、耕平を連携攻撃で攻め立てる。そして選手が入り乱れての乱打戦となると、バボと耕平が天龍を孤立させ、バボのアタックチョップから耕平が天龍をバックドロップ。さらに耕平が天龍を羽交い絞めにし、その天龍にバボがバレーボール袋による凶器攻撃を仕掛けるが、これが耕平に誤爆! すかさず坂田と崔がチーム6mを分断させ、天龍が耕平にグーパンチと逆水平の連携、そして延髄蹴り。そして説得力十分の53歳で耕平をマットに沈めた。
 これで因縁の相手・大谷組とトーナメント決勝で対戦することが決まった坂田軍団だが、試合後マイクを持った天龍が「おい坂田君、俺に報告することがあるんじゃないか?」とつぶやく。一瞬、とぼけようとした坂田だったが、天龍に「読んだよ、フ●イデー」と言われてしまっては言い訳はできない。
坂田は先日のフ●イデーで、例の彼女とのツーショット写真を撮られてしまっていたのだ。
 オジキ天龍の思いもよらぬツッコミにタジタジの坂田。そこを救ったのは弟分の崔だ。「例の彼女を兄貴に紹介したのは、実は橋本さんなんですよ。兄貴はね、橋本さんの恩に報いるためにも、今回のトーナメントに勝負かけてるんですよ」と助け舟を入れる。すると坂田も「リョウジ。ちょっと恥ずかしいけどよ。たまにはいいこと言うじゃねえか」と、照れながらも笑顔を見せた。
 そんな坂田に「今度、彼女を俺の店に連れてこいよ。お前にふさわしい女かどうか、俺に査定させてくれて」と天龍。しかし一度、店に入れば最低5時間は監禁され、吐くまで酒を飲まされるともっぱらの噂が立っている天龍のお店だけに、「オジキ、それだけは勘弁してくれ。だがな、このトーナメントに必ず優勝して、それができた時にあいさつに行かしてもらうよ」と天龍に告げる坂田。
 それを聞いてうれしそうにうなずく天龍のとなりで、坂田は「自称ハッスル・キング後継者、大谷さんよ! 聞いてるか? お前はな、このトーナメントに優勝できる器じゃねえんだよ。このトーナメントは必ず俺たちが優勝して、俺様がハッスルの新しいキングになるんだよ!」と、打倒大谷、そして大谷を差し置いて新ハッスル・キングの襲名を誓った。


第4ハッスル ハッスル・キング メモリアル6人タッグトーナメント 準決勝

12分19秒 スパイラルボム

 一回戦でKARI族3人衆を倒し、準決勝に勝ち進んだのは大谷、安田、田中のチーム・ハッスル・キング。対するは故橋本と親交が深かったハードコア・ブラザーズの金村、黒田、本間。奇しくもハッスル軍同士の闘いとなった。情け無用のハードコア殺法が優勝候補の大谷らを襲う!
 毎度お馴染みフリフラダンスを踊りながら入場のハードコア・ブラザーズ。コーナーに上り、RGダンスを披露するサービスっぷりだ。続いて白いギターを手にした田中、安田、大谷が登場。

閉じる 先発は黒田と田中。お互いに体ごとぶつかり合い気合い十分だ。両チームとも目まぐるしく選手が入れ替わる攻防の中、例のごとく場外乱闘がスタート。黒田は大谷を連れて客席の通路でDDTをお見舞い。そして全速力で走りこんでのラリアットだ! 場内を所狭しと暴れまわる両チーム。コーナーポストに上った金村は、黒田を机に備え付けながらダイビングボディプレス! それでも攻撃が足りないハードコア・チームの金村は大谷を羽交い絞めにし、そこ目がけて黒田は全速力でラリアットを叩き込む。
 5分経過したところで両チームはリングに闘いを戻した。大谷を捉えたハードコア・ブラザーズは3人がかりで顔面踏み付けへ。ダメージの大きかった大谷は黒田にバックドロップを見舞い、ピンチ脱出!
 田中は二人同時にDDTを決める“まとめて”でハードコア・ブラザーズを蹴散らす。安田もその勢いに乗り、ボディプレスで3人を痛めつけた。そして、安田は金村にダブルアームスープレックス! 体格では安田に太刀打ちできないと見た金村は、黒田とツープラトン攻撃で安田に対抗する。大谷は本間を捉え、本日2度目となる顔面ウォッシュ! そこから追い込みをかけようとしたところ、金村は机の破片を大谷の背中に叩き付け、本間を救出することに成功する。
 大谷を捕らえたハードコア・ブラザーズはランニングエルボーで盛り返しを図る。そしてダイビングボディプレス。本間がシャイニング・ウィザードを叩き込むも、大谷は何とかそれを耐える。そしてとどめとばかりに仕掛けてきた本間のラリアットをかわした大谷は、ドラゴン・スープレックス! 立ち上がる本間の頭部目がけて、田中が白いギターで一叩き。フラフラの本間に、大谷がスパイラルボムを食らわし、決勝への切符を手に入れた。

 試合に敗れ、悔しそうにマイクを握った金村は「ハードコアやったら絶対負けへんけど。今日は色んな意味で制限があったんや。補欠のアホ(本間)が使えたら勝ててたんや」と愚痴を飛ばす。更に負けた理由はそれだけではなかったようで、「いつもは体育館をいっぱい使うけど、パシフィコ横浜はうるさいんや。スタッフはいつも以上にピリピリした顔をしとるやろ!」と会場のせいにするのだった。しかしその一方で「破壊王の後継者は大谷、お前や! 責任を取って絶対優勝してくれ!」と金村は死闘を展開した大谷にエールを送る。
 金村の激励を受け、マイクを持った大谷は「恐縮です。このトーナメントは誰が何と言っても優勝しないといけないのは俺たちなんだ!」と気合を入れなおし、故橋本のために優勝することを誓ったのだった。


ハッスル・キング 追悼セレモニー

 ハッスルブレイク後、ハッスル・キングのメモリアルVTR流れ、橋本の入場曲『爆勝宣言』が鳴り響く中、キャプテン・ハッスル小川、かずみ前夫人、大地君、茉莉ちゃん、ひかるちゃんが登場し、リングに上がった。
 それぞれを紹介した小川は「“ハッスル・キング”橋本真也、こんなかわいい子たちを置いていくなんて、お前はつくづく大バカ野郎だよ。でもな、そんな大馬鹿野郎のお前のことを皆愛していたんだよ。だから、今日こうしてこんなにたくさんのファンが集まってくれたぞ!」と天国の橋本に語りかける。そして小川に続きマイクを握ったかずみ前夫人は「あれから1年が経ちました。1年前に告別式、合同葬に、たくさんの人に来てもらいました。そしてこのような場を開いていただいたスタッフ、選手のみなさん、そしてファンの方々、ありがとうございます。橋本はもうこの場からいなくなってしまいましたが、同じ時間を過ごしていると思います」と挨拶した。
 そして小川は大地君に「おい、大地。お前はプロレスラー目指すんだろ? すげえプロレスラーを目指すんだよな?」と問いかければ、「お父さんのような、凄いプロレスラー目指して頑張ります」と大地君。「そしたらハッスル軍に力貸してくれ」という小川の言葉に「ハッスルなくして創造なし!」と力強く返す。
 大地君に続き、小川に将来の夢を聞かれた茉莉ちゃんは「小学校の先生」と答え、ひかるちゃんは恥ずかしがって顔をそむけてしまう。さらにひかるちゃんはリング上をウロウロ歩き回るなど、幼いながらも破壊王イズムを発揮。小川によれば事前に聞いたひかるちゃんの夢は「4歳になること」。そんな愛らしいひかるちゃんに小川は「すてきな4歳になってくれ」と言葉を送った。
 こうしてハッスル・キングの家族と言葉を交わした小川は「これからも、大地と茉莉とひかると、そしてこのハッスルがすくすくと大きくなるように、天国から見守ってくれよな」と、橋本にメッセージを送る。そして小川は「天国にいるハッスル・キングにトルネードハッスルをささげようか?」と、大地君と共にアフロのカツラをかぶり、「ハッスル・キング、お前は永遠に不滅だよ!」と、トルネードハッスルを天国の橋本にささげた。


第3ハッスル ハッスル・キング メモリアル6人タッグトーナメント 1回戦

9分49秒 キングコブラホールド

 モンスター軍控え室ではアン・ジョー司令長官と島田二等兵が、KARI族最強3人衆について何やら心配している。どうやらKATAKARI KING、KATAKARI MAXに続く3人目のKARI族の正体を知らされていないらしい。アン・ジョー指令長官に「きっと、YADOKARIって名前で、二等兵、ユーが闘うんじゃないですカ?」と茶化された島田二等兵は「僕はビックマッチ要員なんですから、東京ドームクラスじゃないと出ませんよ!」と返すのであった。
 するとそこに高田総統が登場。「貴様らが心配せんでも、KARI族最強3人衆は既にそろっておるわ」と一喝。しかしその残りの1体というのは何とアン・ジョー司令長官! 「アン、貴様にやってもらう」と、高田総統はアン・ジョー司令長官にビターンを注入し、アン・ジョー司令長官をKATAKARI300%へと変身させたのだ。そして「ハッスル・キング追悼などという湿っぽいことをぬかしているハッスル軍の連中の肩を狩り、あのポークと同じ目にあわせてやるがよい!」とKARI一族を送り出した。
 一方、ハッスル軍控え室ではやる気がなさそうに競馬新聞を読みふける安田の姿が。しかし大谷と田中が控え室に現れると「大谷さん! 田中さん! 今日はよろしくお願いします。橋本さんの宿敵KARI一族を一緒に叩き潰しましょう」と態度を急変させる。そんな安田を見て、大谷は「安田! 橋本さんが受けた肩の痛み。今日は倍返しにしてやろうぜ!」と熱さ倍増となる。しかし大谷とは対照的に田中は「そやな…」と安田のやる気に疑心暗鬼の様子。すると安田は「元気がないじゃないですか! 今日はゴールデンアフロ…じゃなかった、橋本さんのために頑張りましょう」と本音がチラリ。「あいつ、絶対に金目当てやで…」と、田中は疑いを確信に変えるのだが、「ここは安田を信じよう」と説得する大谷。しかし田中は最後まで「大丈夫かな…」と安田への疑惑の思いを捨てきることはできなかった。
 KATAKARI300%と化したアン・ジョー司令長官を先頭に、一族のテーマに乗って3人が登場。リング上で息のあったダンスを披露する。すると場内アナウンスがあり、ハッスル軍が認めたということで、KARI一族の戦闘意欲を駆り立てる、一族のテーマが試合中に流されることが発表された。

閉じる 試合が始まるといきなり踊りだすKARI一族。しかし大谷がMAXに強烈な二ールキックを決めると、張り手の攻防からMAXを吹っ飛ばした。するとここで珍しく安田が自ら進んでリングイン。MAXを豪快に投げ捨てたものの、続いてリングに入ったKINGに左肩を狙われてしまう。しかしここは何とかKINGの攻撃を耐えて田中とタッチした。
 リング上が300%と田中のマッチアップとなると、場内にはKARI族の音楽が鳴り響き、一気に波に乗るKARI族。テーピングで固めた田中の右肩を3人がかりで集中攻撃する。田中も痛めた右腕を使ってKINGの顔を張っていくも、やはり右肩を狙われて動きが止まってしまう。より一層大きくなるKARI族のテーマ。それに合わせてKARI族の攻撃も激しさを増し、田中は右肩を抑えて悶絶する。しかし田中に背を向けたまま、田中の右肩をアームブリーカーで痛めつけていたMAXが、誤ってKINGの右肩を攻撃。これで息を吹き返した田中が、MAXと300%を同時に投げ捨てて安田へとタッチした。
 代わって入った安田が300%を得意のダブルアームスープレックスで豪快にマットにたたきつけると、大谷が待ってましたとばかりに300%に顔面ウォッシュ。一気に試合を決めようとドラゴンスープレックスの形に持っていくが、MAXとKINGがすかさずカットに入り、それを阻止する。しかし田中と安田がカットに入ったMAXとKINGにダブルでDDT。大谷が300%をミサイルキックで吹っ飛ばすと、最後は必殺のキングコブラホールドで300%からタップを奪った。ややKARI族の肩攻撃に苦戦したものの、最後はチーム ハッスル・キングが底力を見せ、トーナメント準決勝へ駒を進める結果だったと言えるだろう。


第2ハッスル ハッスル・キング メモリアル6人タッグトーナメント 1回戦

4分44秒 狂犬タックル

 ハッスルを創り出し、ハッスルを最も体現した男・橋本真也。その橋本が死去してから早くも1年が経とうとしている。そこで今宵、“ハッスル・キングメモリアル6人タッグトーナメント”が開催! このトーナメントにモンスター軍が送り込んだのは、ゴモラ、“モンスターK'”佐藤耕平、ジャイアント・バボの平均身長2メートルの3人が超大型タッグチーム! これに対抗するのはZERO-ONEで故橋本と共に闘い、現在もハッスル軍で活躍している浪口、日高、横井。この両軍が一回戦で激突する。

閉じる まずはハッスル・トゥモローの3人が元気良く登場。続いてモンスター軍がリングイン。
 ゴングが打ち鳴らされる前に、浪口は勝手に一人で受け身を取りはじめ、トーナメントに対する意気込みを見せる。そして威勢よく先発を買って出た。対するモンスター軍はというと……ゴモラだ。 
 2人の身長差は30センチ以上。それにメゲルことなく浪口はゴモラの胸元めがけてチョップを見舞う。しかし浪口のチョップはペチャペチャ音を立てるだけで、ゴモラの体に到底響くわけがない。攻撃を仕掛けたゴモラのトーキック1発で浪口は完全に伸びてしまった。
 次に入れ替わるように横井とバボが対峙。バボはバレーボールが詰まった凶器袋を振り回し、横井は一気に追い詰められた。追い討ちをかけるように佐藤は横井にサイドスープレックス!
 一方的なモンスター軍の攻撃を見かねた日高はミサイルキックで救出に! 佐藤は投げっぱなしジャーマンで反撃に出る。しかし、投げられながらもうまく着地した日高はスイング式DDTをお見舞いした。
 佐藤をコーナーに備え付けた「チームハッスルトゥモロー」の3人は、入れ替わりで体当たり攻撃。浪口はコーナー最上段からミサイルキックを放つも、佐藤は寸前で交わした。
 両軍が入り乱れる中、バボは凶器を振り回し味方のゴモラや佐藤にも誤爆してしまった。ここでまたもやゴモラが登場。浪口は全身全霊でショルダータックルを見舞うも、ゴモラは動じない。跳ね返された浪口は勝手に後頭部を強打し意識もうろう。それを見逃さなかったゴモラはそのまま浪口を踏みつけ、カウント3を奪取し2回戦に駒を進めた。
 先ほどのバボの暴走で怒り心頭のゴモラと佐藤だったが、勝ち名乗りを受け気を落ち着かせたのだった。


第1ハッスル

7分11秒 怒りの青いイナズマ

 場所はモンスター軍控え室。久しぶりのハッスル横浜大会ということで、アン・ジョー司令長官は五●ひろしの名曲を口ずさみながら「二等兵、横浜は久しぶりですネ。今夜の祝勝会は中華街で中華三昧ですヨ」と上気分だ。そんなアン・ジョー司令長官に乗せられて、島田二等兵も「ワクワクしますね。そして食後は曙町に繰り出してドゥ・ザ・ハッスルですよ」とエロさ満天の笑顔。すると「夜の満願全席デス!」と島田二等兵以上にエロい笑顔を見せたアン・ジョー司令長官。モンスター軍のエロエロコンビは、再び五●ひろしの名曲を「♪横ハメ〜、タテはめ〜」と替え歌にするのであった。
 するとそこに「はしゃぐな! 島田・アン! なんだその下品な歌は!」といつもの声が…と思いきや、そこにいたのは予想以上のトークセンスで人気急上昇中の川田総統代行である。「モンスターK、また総統の真似をしてるんですカ?」というアン・ジョー司令長官を無視し、「横浜の歌といえば、こっちの歌だろう」とダ●●タ●●ブギウギバンドの『●のヨーコ、ヨコハマ、ヨコスカ』の替え歌を、気持ち良さそうにこう歌った。

♪チョップの名手と言われちゃいるが
拳の入れ方はチト分からねえなぁ
コ●クロの『桜』を死ぬほど練習して歌番組にも出ました
実はプロレスより歌が好きなんだよ

川田、本当は歌手志望♪

「暇でもてないプロレスファンの諸君! ご機嫌いかがかな。我こそは、高田モンスター軍総統代行、川田だ!」と止まらない川田総統代行。ここまでは目をつぶってきたアン・ジョー司令長官も「いくらモンスターKでも、いい加減にしないと、高田総統に本気で怒られますヨ!」と釘を刺す。しかし川田総統代行は「戦いを忘れ、遊びモードの貴様らにそんなこと言われる筋合いはないわ!」と一喝すると、「前回の『ハッスル・エイド2006』では、ニューリン様をお守りできず、総統の闘う化身ザ・エスペランサーまで登場させてしまった。その責任の重さを考えれば、満願全席とはしゃいでいる場合ではないはずだ!」と、怒りを露にする。この説教にさすがのアン・ジョー司令長官と島田二等兵も言葉を失ってしまった。
 するとどんどん調子に乗るが川田総統代行が悪い癖。「今宵は、秋の『ハッスルマニア2006』に向けての大切なスタートだ。総統に頼らず、もちろんエスペランサーにも頼らず、我々の力だけで、調子に乗るハッスル軍を壊滅させてやるのだ!」と、まさに川田総統代行の独壇場。「トップバッターの鬼蜘蛛よ。これ以上、ハッスル仮面に負けることは許さん! そのことを、よく肝に銘じるがいい」と、3匹の鬼蜘蛛に渇を入れ、代行ビターンでオープニングを締めようとすると…
「待て! 貴様、とうとう、ここまで入り込んできたな。オープニングは私が仕切ると決まっているんだよ。どきたまえ!」とようやく本物の高田総統が登場。定番の自己紹介を済ますと、川田総統代行に「モンスターK。今夜の食事会の幹事は貴様だったはずだ。もう、店は決めてくれちゃったのかな?」。「何でNO2の俺が幹事をやらなきゃいけないんですか?」と口答えする川田総統代行だったが、「何だ、その反抗的な態度は? 嫌なら、貴様は不参加でもいいんだぞ!」と怒られてしまった川田総統代行は、黙っているしかないようだ。
 いつも足並みがそろっているモンスター軍には珍しく、ややドタバタ感のあるオープニングだったが、最後は高田総統が「まずは、あのこざかしいハッスル軍の連中を叩き潰してからだ。トップバッターの鬼蜘蛛よ。あの生意気なハッスル仮面を食い尽くしてくるがいい。ビターン!」と締めくくった。

閉じる 先発はレッドと赤鬼蜘蛛。レッドが鮮やかな空中殺法で赤鬼蜘蛛を場外へ落とすと、早くもレッドは場外へダイブする。しかし鬼蜘蛛チームはブルーに標的を絞り、3人がかりでブルーを痛めつける。赤鬼蜘蛛が関節技でブルーを固めているところに、黄鬼蜘蛛がドロップキックを見舞うなど、えげつない攻撃を繰り広げる。黄鬼蜘蛛はブルーをチョークで締め上げ、強烈なバックブリーカー。コーナーのレッドとイエローを場外に落とすと、3人がかりでブルーをトップロープからマットに叩きつけた。
 ここまで防戦一方のブルーだったが、青鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛のダブル攻撃をボディプレスで切り返すと、会場では一番人気のイエローが登場。得意のパワー溢れる攻撃で青鬼蜘蛛と黄鬼蜘蛛を蹴散らしていくが、トップロープからのボディプレスは失敗。救出に入ったレッドとブルーは糸攻撃で身動きを奪われてしまう。その間に鬼蜘蛛チームは力を合わせてイエローにパワーボム。しかしイエローは二人をラリアットで吹っ飛ばして、二人を救出。レッドが赤鬼蜘蛛をミサイルキックで迎撃すると、最後はブルーがトップロープからのボディプレス、怒りの青いイナズマで青蜘蛛から3カウントを奪った。


RGMリングに登場

 これまでのハッスルの流れを説明する予習VTRが終了し、場内暗転。ドラムロールの中、ミラーボールの光が場内を駆け巡り、「GM…RG!」のコールと共にRGMがいつものダンスで舞台から登場した! 誰も反応していないのに、本人だけはノリノリである。
「YOYOYO! 横浜フォフォフォフォー! オッケ〜!」と得意の挨拶をぶちかましたが、場内は当然ブーイング。続いて「帰れコール」。
「早すぎるYO! 段階を踏もうYO!」と、あまりにも早すぎる帰れコールに説教するRGM。「ど〜も〜、ハッスル最高責任者のRGMで〜す!!」とひとこと喋るだけで、場内から湧き上がる「帰れコール」! ここ横浜でもまったく歓迎されていない。それならばと、「早いYO! 前戯から行こうYO!」下ネタで応戦するRGM!
「この間の『ハッスル・エイド2006』も大盛況のうちに終了しました。これもひとえに全部、ぼくの力で〜す!!」と胸を張るRGMだが、勘違いも甚だしい。沸き起こるブーイングには耳を貸さず、「その勢いで次期シリーズ開催も決定いたしました!」と8・8&9後楽園ホール大会、9・7後楽園ホール大会の開催を発表、「俺を拝みに来て下さ〜い!」と無駄にアピールするが、当然の如く観客の怒りを買っただけだ。しかし、「嫌い嫌いも好きのうち」と開き直るRGM。
 話題は突然、変わる。「ところで、このみなとみらいですが、どれだけ未来都市かと思って来てみたら、ただ道路が広いだけじゃないですか〜。僕の地元の愛媛県八幡浜市の方が、はるかに栄えてますよ〜!」と勝ち誇るRGMだったが、「そして、愛媛県八幡浜市は過疎地の認定を受けました…市と名乗っていながら2万人しかいません……」といきなり落ち込むのであった。
 それでもRGMは、「なにがインターコンチネンタルホテルですか! あの形はインターチ●コネンタルですよ〜」と、会場関係者が激怒しそうな命がけの下ネタを飛ばしたが、場内シーン。
「オッケ〜、琵琶湖なみの静けさ……。僕のボキャブラセンスが分からないんですか? あなたたちは、下ネタの好きな横ハメ市民じゃないんですか〜?」と再び自慢の下ネタを飛ばすも、やはり場内からはクスリとも笑いが起きない。
 それでへこたれるRGMではなかった。
「この会場は、あの亀田三兄弟の次男が、ハウンドドッグの『ONLY LOVE』を歌った場所でもあります。僕も歌っていいですか、お客さん! いいですか〜」と、なぜか亀田三兄弟をやたらと意識するRGMだったが、場内からは「エ〜ッ!」と拒否の声。
 だが、何を勘違いしたのかRGMは「俺の人気、本物! それでは歌わせていただきます! フルコーラスでいかせていただきます。ここ、音響最高ですから」と歌う気満々。
「ミュージックスタート!」とRGMが宣言すると、スクリーンにはいかにも安っぽいカラオケの映像が流れ出す。場内からはもう、うんざりと言わんばかりのため息が洩れる。が、前奏が終わりRGMが歌い出そうとしたところで、カード発表が始まった! ずっこけるRGM! ナイス演出!
 カード発表が終わると、キレたRGMは「YO! スタッフ! 手の込んだVTR創りやがって!」と怒り狂い、「もうアカペラで歌います」と逆ギレ。無理やりにでも歌うつもりである。
 ところが、「強制退場システムを発動させます。このシステムはお客さんの帰れコールが頂点に達すると発動します。どうぞご協力お願いします」とのアナウンスが流れ、場内からは割れんばかりの「帰れコール」が大爆発! 
「シャラップ! 帰れコールはダメです」とRGMはビビリながらも抵抗するが、ファンファーレと共に屈強な5人衆が現れ、RGMは哀れ、手足を持たれて強制退場。ご協力ありがとうございました!


オープニングムービー


オープニングハッスル

 ケイ・グラントの軽快なMCにのって、『ハッスル18』いよいよスタート!
 まずはサインボール投げ。プレゼンターは金村キンタロー、田中将斗、黒田哲広、日高郁人、横井宏考、本間朋晃、どっこい浪口、中村カントクが務めた。
 次は“ハッスルあちち”大谷晋二郎と、リング上でオープニングのハッスルポーズを決められるという豪華特典。選ばれたのはカラフルなアフロのカップルと、なんと橋本真也にそっくりな男性! あまりにも似ているため、場内からは大歓声が沸き起こる。彼の風貌に大谷もビックリだ。
 大谷は「横浜の皆さん、ハッスルしてますか? 天国のハッスル・キングが喜ぶように大きな声でハッスルしてください」とアピールするが、場内の視線は橋本のそっくりさんに釘付け。場内からは「橋本コール」が爆発し、場内のカメラも彼を捉えているため、大谷はその素人さんにジェラシーを燃やす。
 しかし、大谷は気を取り直して「ハッスル・キングは湿っぽいことが大嫌いでした。元気よくハッスル・ポーズを決めたいと思います」と観客にアピールし、「スリーツーワン、ハッスル! ハッスル!!」とファンと一緒に元気よくハッスル・ポーズを決めた。