ファイトカード

高田総統劇場

 去っていく川田を見て「裏切り者とか言ったって…モンスターKとカイヤこそ裏切り者じゃないですか。似たもの同士なんでくっつく運命にあるんでしょう」と、なぜか一人納得するTAJIRI。そしてカイヤから首を絞められるという暴行を受けたニューリン様に向かって「ニューリン様をいじめる奴は、僕が絶対に許しません。僕が命を賭けてニューリン様を守ります!」と力強い言葉をかけた。
 するとここで「さあいよいよ、天下分け目の『ハッスル・マニア2006』だ。思えばこの3年、俺はマニアのために、いや、エスペランサーのためにハッスルしてきたんだよ」と、マニアへの想いを語る小川。そして「本来なら、俺がメインを務めるべきなんだが、今回はもう1人のエースに任せることに決めた。HG! 出撃準備は出来てんだろうな!」とHGを会場に呼び込む。
 いつものテーマ曲に乗って客席の中から現れたHG。「いや〜今日はいい日ですよ。何せあのRGが初めて輝いている姿を見ましたからね」と、この日奇跡的な活躍を見せた相方のRGに賞賛の言葉を送ると、やはり話題は『ハッスル・マニア2006』でのエスペランサー戦に及ぶ。しかしあまりの興奮具合でHGは「スペルマンサー戦が決まってから、オ●ニー我慢してます! もう朝勃ちが夕方まで続いちゃう状態でうちのペ●スが肉離れを起しちゃいそうです、本当に。我慢ならん状態です」と下ネタを連発。何とかその場を収拾しようとする大谷は「HG、落ち着け! あれだけきつい練習を乗り越えたんだ、自分自身の力を信じろう。…俺、大谷しんじろう」となぜかRGでも言わないようなオヤジギャグを口にしてしまう。失笑が起こる会場、しかしある意味、これで場内は静かになり「あちち先輩、その勇気、RGばりです。道場での練習でPWに磨きがかかったので、ありがとうございます」とHGも落ち着きを取り戻した。
 そしてここからTAJIRIがグランドキャニオンで発見したという、エスペランサー攻略の鍵に話は変わる。TAJIRIから送られてきたという木の箱を手に持ってきたHGに対して、「この箱のことはとりあえず置いといて、まずはこちらをご覧下さい」とスクリーンを指差すTAJIRI。するとそこに、TAJIRIがグランドキャニオンの原住民が住む村で見つけたという例の巻物の中身が映し出された。
 巻物を発見してからというもの、徹夜で巻物の研究に時間を費やし、ついにその謎を解読したというTAJIRI。巻物の中身にはエスペランサーの弱点が記されており、巻物に書かれている絵と文字によれば、エスペランサーの目の前で、オカリナのような笛を吹くと、エスペランサーは頭を抱えて苦しみもだえるというのだ。
 巻物に対して熱く説明するTAJIRIに対して、「TAJIRIさん、あなたは一体どこに向かっているんですか? 私、尺八は吹けますが、オカリナは吹いたことがないのですよ」と疑心暗鬼なHG。するとTAJIRIはこう続ける。
「誰が吹いてもいいわけじゃないんです。この巻物によれば、ほっぺたに傷のある少女が吹くと、初めて怪物が苦しむ出すと書かれているんです」
 ハッスル軍でほっぺたに傷のある少女と言えば………そう、ニューリン様だ! 「何で私なんだよ!」と声を荒げるニューリン様に対し、「だってそう書いてあるんですよ…」とTAJIRI。さらにHGに送った箱の中には、TAJIRIがグランドキャ二オンで発見したそのオカリナが入っているという。「TAJIRIさん、じゃあ直接渡してくださいよ! なんで宅急便なんですか!」というHGのツッコミには「僕なりのプチ演出です」とお茶目な一面をのぞかせるTAJIRIだったが、何はともあれエスペランサー攻略の重大な鍵を手に入れたことは事実。さっそくそのオカリナを箱から取り出して見るのだが…
 そこにはどこにでもありそうな普通のオカリナが一つ。「ごくごく普通のオカリナじゃないですか! もっとリアクションが取れるものじゃないんですか」と思わず腰砕けのHGであった。
 するとその時、突然場内が暗転し、エスペランサーの入場曲である『トレーニングモンタージュ』が流れ始める。一気にざわめく客席、そしてハッスル軍の面々。そして青コーナーから、あの真っ黒のガウンを着込み、フードをすっぽりと頭からかぶった男がゆっくりとリングに向かってきた!
 ガウンの男がエプロン越しにハッスル軍と対峙すると、一気にリング上の緊張感が高まる。リング上でのたうち回り、おびえるTAJIRIが、ニューリン様にオカリナを渡し、ニューリン様が慌ててオカリナを吹こうとするものの、「ピ〜ッ」と力ない音が出るばかり。ガウンの男は苦しむ素振りすら見せない。そしてガウンの男は左手をかざし、ハッスル軍に向かってその手を振り下ろした! その瞬間に身構えるハッスル軍!……しかしいつまで経ってもリング上には何も起こらない。
 異変に気付いた小川が恐る恐るガウンの男に歩み寄り、フードを取るとそこにいたのはアン・ジョー司令長官だ。「アン・ジョーじゃねえか! てめぇ! 高田、まただましやがったな!」と怒りに震える小川。ご丁寧にも髪を染め、エスペランサーマスクをつけているアン・ジョー司令長官はそんな小川を見てニヤリと笑う。するとそこに「引っ掛かっちゃったの?」という声が! 『威風堂々』のテーマに乗って、バルコニーに高田総統が現れた。
「ハッスル・マニアが待ちきれず、今日、ここに集まってきたモンスター軍信奉者の諸君、ご機嫌いかがかな! 我こそが高田モンスター軍総統高田だ!」と挨拶する高田総統。客席からは大総統コールが起こり、思わず高田総統も「今日は気持ちいいよ」と頬が緩む。そして「おい。おい! おぉい! おぉぉおい! ひょおぉおい! □×●※△&#!」と徐々にテンションを上げていくのであった。
 高田総統のいじりの矛先はアンペランサー(※アン・ジョー司令長官のエスペランサーバージョン)にびびってたじろいだハッスル軍の面々に向けられた。
「このアンペランサーとエスペランサーを勘違いしたんだろう? 相も変わらずこの低脳集団が! 考えてもみろよ、あのハリウッドクラスのエスペランサーが、こんなさびれた薄汚い小屋に降臨するわけないじゃないのよ! なんだそのしけた面はチキンくんよ!」
 次にその矛先が向けられたのは、『ハッスル・マニア2006』でエスペランサーと対戦するHG。高田総統は「腰フリよ! 貴様、少しは腕を上げたんだろうな? 一瞬で、決着がついちゃうと、ちっとも面白くないじゃん」と挑発的な言葉を吐き捨てる。するとそれを聞いたHGはニヤリ。「ご心配なく。私は一カ月半オ●ニーを我慢している状態、みこすり半でいつでもイッちゃう状態ですよ。11月23日はスペルマンサーが昇天するか、私が腹上死するかのどちらかです!」と力強く叫んだ。それを聞いた高田総統は満足気な表情を浮かべ「よかろう。それなら我々も死ぬ気で叩き潰しにいってやろう」とHG抹殺を宣告、そして『ハッスル・マニア2006』における大いなる野望を語った。
「下々の諸君もよく聞いておきたまえ。今年のハッスル・マニアは、ハッスルがスタートしてから3年間の集大成だ。私は常々言い続けてきた。日本のプロレス界を根こそぎブチ壊し、瓦礫の山と化した野原を希望の道に変えるとな。その答えを、今度の(ハッスル・)マニアで見せてやる。いよいよ準備は整ったんだ! 11月23日は、何を差し置いてでも横浜アリーナに来るがいい! 友達、恋人、家族すべてを引き連れて来るがいい。それでは、諸君!ハッスル・マニアでお会いしよう。バッドラックだ!」
 バルコニーから高田総統&モンスター軍が引き上げた後、リング上に残ったハッスル軍。大谷が「ニューリン! どうしてもっと上手く吹かなかったんだよ」がニューリン様に詰め寄ると、「そうだよ。ちゃんと吹かねえと、効果があるかどうか分かんねえじゃん」と同調する小川。するとニューリン様は「そんなこと急に言われても、上手くなんて吹けねえし…」とすねてしまう。
 そこに助け舟を出したのは、やはりTAJIRI。「大丈夫ですよ。そのオカリナはエスペランサーに必ず効きますから。これから毎晩、僕と一緒に練習しましょう」と、変態発言を交えながらフォローを入れると、大谷も「ニューリン、お前はM字で世界を救うんだろ? そんな地球規模のテーマを掲げてるんだから、オカリナくらいどうってことないだろ」と、らしい言葉でエールを送る。それを聞いたニューリン様は「分かったよ。頑張る」と照れくさそうに頷いた。
「よし、エスペランサー攻略に一致団結だよ! 皆も横浜アリーナに来てくれよな! 最後はいつものやついくか。頼むぜ、HG」とキャプテンとしてハッスル軍のメンバーをまとめる小川。これを受け、センターマイクの前に立ったHGは「11月23日は、プロレス史上、新宿2丁目史上にも残る素晴らしいイベントになることは間違いないので、是非横浜アリーナにバッチコイして、“生”でご観戦ください! いくぞ! 3、2、1、ハッスル、ハッスル、フォー!」と、『ハッスル・マニア2006』前最後の大会を締め括った。
 果たしてTAJIRIが発見した巻物とオカリナはエスペランサー攻略にどんな意味を持つのか? そして高田総統が改めて宣言した「日本のプロレス界を根こそぎブチ壊し、瓦礫の山と化した野原を希望の道に変える」という言葉の真意とは何か? 三冠王者の参戦や海川ひとみのプロレスデビュー戦も詰まった『ハッスル・マニア2006』まであと8日だ!

メインハッスル

9分29秒 ラリアット→片エビ固め

 ハッスル軍の控え室。カイヤのまさかのモンスター軍入りを受け、キャプテン小川は「どうしちまったのかな……、やっぱりお前の気持ち悪さに耐え切れなくなったんじゃねぇの? ヘンなことばっか教えたんじゃねぇのか?」と、TAJIRIに対してあまりにあんまりな言葉。
 これは失敬とばかりにTAJIRIは、「ボクは自分のプロレス哲学に誇りを持って誠心誠意教えましたよ!」と断固反論。その勢いに押されたのか、小川は「まぁ、気にすんなよ、カイヤがどこ行こうと『どうってことねぇよ』」とアゴに闘魂を宿らしながら、かつての師匠の口癖を真似る。
 するとTAJIRIは「よくないですよ! キャプテンはいつもそうだ、何かあればどうってことねぇって。そうやって問題を先送りするから『INOKI ●ENOME』だって韓国でやることになっちゃうんですよ!」と、ドサクサにまぎれて突拍子も無いことを指摘。
 これにはキャプテンも「そうそう、俺も実は誘われちゃって……、違うだろお前! 俺に関係ねぇじゃねぇかよ!」と、巻き込まれるのは心外だとばかりにノリツッコミ。
「こんな人がキャプテンでハッスル軍は大丈夫かな〜」となおもTAJIRIは口撃、キャプテンも反撃とばかりに「この野郎、お前のせいで俺たちまでヘンな誤解受けて迷惑してんだよ!」と、一向に口ゲンカが収まる気配は見えず。
 すると、そこにニューリン様が「いい大人がみっともねぇだろ!」と叱責しながらセクシーに登場。「ヤツがどこに行こうとどうでもいい、でもアタシをセクシーじゃないと侮辱したことは絶対に許さない! 今度のハッスル・マニアまでに女に磨きをかけてピッカピカになってやる」と宣言。そして、「ババァに今日はきっちり挨拶してやるよ!」と頼もしい言葉を残し、その場を去っていった。
 その後姿にうっとりと見とれるTAJIRIは、「ハッスル軍に来てからのニューリン様は大人になりましたね」と嬉しそうにニヤける。しかし、「お前も見習え!」「キャプテンこそ!」「俺はお前より大人だよ!」とまた些細な小競り合いが始まってしまう。ハッスル・マニアを前に、その結束力があやしいハッスル軍なのであった……。

閉じる ハッスル軍の入場はお馴染みブリブラダンス。今夜はニューリン様が初参加、ムチを振り回しながら、未だかつて無いほどセクシーなブリブラダンスを披露、TAJIRIと金村の視線も一段とあやしい。
 試合はモンスター軍の先制攻撃でスタート。序盤から両軍入り混じり、場外戦へと雪崩込む。戦場はリング上に移り川田と金村が対峙。
 金村はエルボーの連打で挑むが、川田の右ロー一発ダウンしてしまう。これは不利と見た金村はTAJIRIにタッチを要求するが、ビビったTAJIRIは拒否。しかし、川田に代わり鬼蜘蛛が登場すると張り切ってリングイン、得意のニールキックを放つ。鬼蜘蛛もトップロープに飛び乗り、その勢いでTAJIRIを投げるなど、お互い華麗な技の応酬を見せる。
 次にリングインした佐藤は、TAJIRIをその長身を利した強烈なボディスラムで叩きつけ、さらに滞空時間の長いブレーンバスターを見舞うなどパワーの違いを見せ付ける。TAJIRIは小柄な体を活かし、スキをついてスクールボーイで丸め込むと大谷にタッチ。気合い全開の大谷は豪快なバックドロップからエルボーの連打、さらにロープに飛ぶが、そこは佐藤がカウンターの腰投げを見舞う。
 続けて佐藤はジャーマンを狙うが大谷は空中で1回転して着地、その場飛びのニールキックを佐藤に炸裂させると金村にタッチ。息を吹き返した佐藤は金村に強烈なサッカーボールキック、続いて登場した川田も左ハイ、右ローで攻め込み金村は息絶え絶えに。K&K'の師弟コンビは、さらに二人して金村を蹴り上げて追い込む。なんとか佐藤の足をキャッチした金村はドラゴンスクリュー、ようやく大谷とのタッチに成功。
 満を持して登場の大谷は十八番の顔面ウォッシュを佐藤に炸裂、さらに金村がセカンドロープの反動を利用してムーンサルトアタックを敢行。続いてTAJIRIがトップロープからの攻撃を狙ったが、寸前のところでカイヤがリングサイドに上がり、それに呼応するかのようにニューリン様もリングイン。すると、慌てて両軍共にカイヤとニューリン様を引き剥がす。ハッスル・マニアでの一騎打ちを前に、両者共に気合い充分の前哨戦だ。
 リング内では川田がキックの波状攻撃をTAJIRIに仕掛け、さらに起き上がりこぼしチョップで翻弄する。TAJIRIはロープに飛ばされるもハンドスプリング・エルボーで反撃、さらにロープを利用して攻撃を試みようとするが、カイヤが足を引っ張って妨害。そこに鬼蜘蛛が蜘蛛の巣攻撃で体の自由を奪うと、最後は川田がなぎ倒すようなラリアットでTAJIRIをピンフォール! ハッスル・マニア最後の前哨戦は、モンスター軍に凱歌が上がった。
 ゴング後、カイヤは川田が捕らえたニューリン様の首にピンクのロープを巻きつけ、締め上げる暴挙に出る。TAJIRIがカイヤに毒霧を浴びせてニューリン様を救助、この緊急事態にキャプテンの小川も駆けつけるなど、リング上は大混乱状態に!
 カイヤは英語で「キル・ユー、ハッスル・マニア!」とニューリン様に英語で殺戮宣言。ニューリン様も「金髪のババァ、おぼえとけよ!」と一歩も引かずにヤンキー語で応戦。ハッスル・マニアでは、女と女の壮絶な死闘が繰り広げられることは必至である!
 最後に川田はニューリン様に、「お前がハッスル・マニアで痛い目に合うのをジッと見ててやるからな、バッドラックだ!」と、“裏切り者”に対して粘着質な言葉を残し退場していった。


鈴木軍団が乱入!

 ハッスル・ブレイクが終了したところで場内にアナウンスが流れた。「ピンポンパンポン〜♪ 突然ですが、ここで坂田GMWより皆様に大切なお知らせがございます」
 休憩前に試合を終えたばかりの坂田GMWと補佐官のRGが登場し、リングイン。坂田GMWは神妙な顔つきで話し始めた。
「えー、今日はこの俺サマとしたことが、3Dごときに負けちまった。お前が足を引っ張るからだ……」とRGに向けてしかめっ面。
 続けて「ま、RGが足を引っ張るのは最初から想定の範囲内だった。だが、ちょっとプライベートで想定外のことが起こってな。俺はこの3日間、ほとんど一睡もしてねえんだ。それで今日はすこぶる調子が悪かった」と言い訳がましいことを坂田GMWは語り始めた。
 心配するRGは「ヨウ! 何があったんですか?」
 坂田GMW、実は、彼女の“えい子”とちょっとした修羅場になったらしい。「来週の『ハッスル・マニア2006』に連れてくるつもりだったが……、無理かもしれない」と半分投げやりだ。
「ヨウ! それは残念だヨウ! ハッスル・マニアに“来い!けえい子”じゃないんですか〜?」とRGはガッカリ。会場にいた観客もガッカリだ。客の反応を受けた坂田GMWは「ダメなモンはダメなんだ! それに俺は今年の『ハッスル・マニア』と一言も断言したわけじゃねえ」と完全に開き直りだ。
 ブーイングが鳴り止まぬ中、ここで何と先日の会見で乱入したばかりのNOSAWA論外とMAZADAが乱入だ。
「はいはいはいはい、坂田GM〜! 彼女にふられちゃったんですか? 約束どおり、面接にきましたよ〜! ハッスルファンの皆さん、初めまして! 僕たち東京愚連隊で〜す!」とNOSAWA論外は観客に向けてご丁寧にあいさつ。
 それとは対照的にMAZADAは「おい、アホの坂田! 『ハッスル・マニア2006』でおれ達の挑戦受けんのか? 受けねえのか? ハッキリしろこの野郎!」と挑発的だ。
 この二人の乱入にキョトンのRGは「ヨウ。誰なんですか、この人たち。東京愚連隊? オフィス北野の芸人さんですか?」と問いかける。
 坂田も「本当に来たんだな? 前にも言ったと思うがな。『ハッスル・マニア2006』は、デパートに例えれば日本橋三越だ。お前らみたいな、ばったモンをお客様に出せるわけがねえ。場違いだ。とっとと失せやがれ!」と全く二人に取り合おうとはしない。
 NOSAWA論外にとって、この坂田GMWの対応は想定内だったのだろう。「まあね。そう言われると思いましたよ。仕方ありませんね。こうなったら、僕たちの師匠に出て来てもらいましょうか…。そろそろ呼びましょうか? 師匠!」
 ここで何と場内には『風になれ!』の入場テーマ曲が響き渡った! もしやこれは! ファンの歓声が鳴り響く中、全日本プロレス三冠王者である鈴木みのるが堂々と登場! しかし、観客のボルテージとは対照的に坂田GMWとRGはイスに座り込みテンション低っ! 鈴木のそれはそれは長い長い入場テーマ曲とシンクロしている入場パフォーマンスに疲れ切ってしまった坂田GMWは、「おい! 長いよ! そこに来るまでに何分かけてるんだ! お前、まさかサビの部分でリングインするの、カッコイイと思ってるんじゃないのか? 今どき歌謡曲かよ?」ともっともなご意見。
 そして、「やっぱりお前がこいつらの黒幕だったか? こんなザコどもよこさねえで、最初っからお前が来い!」と坂田GMWは鈴木を挑発する。
 マイクを握った鈴木が口撃しようとしたところ、NOSAWA論外とMASADAにまさかの耳打ち。
 すかされてしまった坂田GMWは「何、すかしちゃってんだこの野郎! 挑戦しに来たんじゃねえのか?」とブチ切れ。
 ここでやっと坂田GMWに口を開いたと見せかける鈴木は「お前がRGか! さっきから見てたけどお前、面白いな」とRGを誉め殺し。
 調子に乗ったRGは「ヨー。ありがとうございます。僕もみのるさんのファンでした」とヨイショ。
 ちょっぴり嬉しそうな鈴木は「うまいこと言うねぇ〜。今度、メシでも行く?」
「え、いいんすか? 行きます行きます」と坂田GMWそっちのけのRGに対し、坂田は思いっきり蹴りを見舞う! そして「おい。てめえ、俺サマより格上気取りか、この野郎。三冠チャンピオンになったらしいがな、あんな骨董品のガラクタは何のステータスにもならねえんだよ! いいか? 俺サマの方がお前より地位も名誉も実力も上だ!」と坂田GMWは、鈴木よりも実力があることをアピール。
 ちょっとカチンときた感のある鈴木だったが、ここでもまたもやNOSAWA論外に耳打ちだ。
「彼女に頭のあがんねえ奴が、ファンの前じゃ随分と強気だな? 確かにこのリングじゃ俺は新参モンだ。『ハッスル・マニア2006』で、俺たち3人がお前たちの挑戦を受けてもいいぞ」と、鈴木の言ったことを代弁するNOSAWA論外。
 最後に何か1つ思い出した鈴木は、もう一度NOSAWAを呼び、耳打ち。
「そのジャケット、センス悪いな」とまたもや代弁役のNOSAWA論外。
「じゃあな、RG!」そう言った鈴木は坂田GMW完全無視で、そそくさとリング退場。何をしにきたのか、本当にわからない鈴木であった。
 ふと我に返ったRGは「GMW! もしかしてこの調子でいくと、『ハッスル・マニア2006』では、また私も試合するんですか?」とおそるおそる坂田GMWに質問。
 煮えきれない坂田GMWは「あたりめえだろ。鈴木軍団だかなんだか知らねぇが、こうなったら、俺、リョウジ、RGとあいつらの3対3だ」と鈴木軍団の要求を受諾。
「お前ら、『ハッスル・マニア2006』で俺サマの試合を見逃すんじゃねぇぞ!」どこからこんな自信が湧き出るのか? はなはだ疑問ではあるが、自信を見せる坂田GMWは颯爽とリングを後にした。
 これにて『ハッスル・マニア2006』で坂田軍団と鈴木軍団の全面対抗戦が決定!? 知る人ぞ知る遺恨のある二人がリーダーである、この軍団抗争の結末やいかに?


セミハッスル

17分49秒 3D

数多くの名勝負を生み出した2006年のハッスル。その中でも先日、名古屋で行われた坂田軍団の試合がベストバウト候補として、一部関係者の中で絶賛されているとか。
 その要因となったのは、現GM補佐官のRGのやられっぷり、すなわち「受け」の才能。相手の「受け」があってこそ成立するプロレスの素晴らしさを、希代の嫌われ者であるRGが身を持って体現した模様だ。
 しかし、今回の相手は現ハッスルスーパータッグ王者、強敵にもほどがある「チーム3D」。舞台やTVでは決してウケないRGは、果たしてこの試合で「受け」の凄みを発揮することができるのか? その「いじられっぷり&やられっぷり」に注目が集まる!

閉じる 3Dがホール南側からベルトを誇示しながらスーパースターの雰囲気を漂よわせて入場、一気に会場のボルテージが上がる。リング上ではそれをこわばった表情とダラしない肢体で見つめるRGの姿が……。
 坂田と崔が3Dに殴りかかるのを合図に試合はスタート、傍らにはそれをただ煽るだけで何もしないRG。坂田と崔は3Dを同時にロープに飛ばすが、逆にラリアットでなぎ倒され、さらにボディスラムをくらってしまう。
 続いて3DはRGを指差すと「YOU!」次はお前だとにじり寄る。それに対して命乞いを始めるRG、その絶体絶命なところを間一髪で坂田と崔がカット。闘いはそのまま場外へと雪崩込む。客席を所狭しと動き回りハードヒッティングな攻防を繰り広げる両軍、ただ一人RGはリング上でその戦況を傍観するのみ。
 そのRGに対してババがイスを投げつけるが、RGはシレっとよけると、危ないものは排除とばかりにリング外に椅子をどける。場外では崔とディーボンが激しいエルボー合戦、坂田とババはイスを振り回しチャンバラ状態。リングに戻ると、崔はノーザンライトスープレックスでディーボンをホールドするが、ディーボンはカウント2で跳ね除ける。
 崔はディーボンをロープに飛ばすが逆にフライングラリアットで反撃される。ここで交代したババは、タックルで崔を相手軍のコーナーまで吹き飛ばす。崔に代わってリングインした坂田はババに詰め寄るが、ババは圧倒的な体格差を見せ付けるかのように組み付いた坂田を軽く吹き飛ばした。
 機動力で勝負とばかりに坂田はババのパンチをかわし、ナックル、ケリを入れるが、ババはビッグブーツ一発で逆転してしまう。さらにババは場内がどよめくほどの強烈な張り手を坂田の胸板に叩き込み、追撃の手を緩めない。坂田は果敢にもボディスラムでババの巨体を投げようとするが、ババはビクともせず。さらにババは坂田をおちょくるかのように、オドけて空手の型の見栄を切る始末。この屈辱的な状況を坂田は何とかドロップキックで一矢報いると、ここでRGと交代。
 テンションの高いRGは駄々っ子のようなストンピングから、ババをコーナーに追い詰めて張り手を見舞う。しかし、情けないことに自分の手を傷めてしまう体たらく。気合を入れなおし、もう一度張り手を見舞うが、腕が折れんばかりに痛がるRG。ババは余裕の仁王立ちだ。
 心が折れたのか、RGはババに対し張り手ではなく優しくソフトタッチ。そして「すいません!」と詫びを入れるが、時すでに遅し。ババは逃げるRGを捕らえると強烈な張り手を背中にお見舞い。さらにRGのパンツをまくし上げて半ケツ状態にすると、強烈なお尻ペンペン攻撃! 
 悶絶するRGだったが、ババのスキをついて目潰し攻撃に転じる。さらに命知らずにもババの仕草をおちょくるように真似をして、なおかつRGダンスも取り入れて攻撃を試みるがこれはあえなく失敗、逆にババにRGダンスを真似をされて反撃される。
 ババがRGをボディスラムで叩きつけると、ディーボンがコーナートップからRGの股間めがけてダイビングヘッドバット。しかし、ダメージを食らったのはなぜかディーボン、頭を押さえてフラフラ状態に。なんとRGは股間にファールカップを隠し持っていたのだ! 
 そのファールカップでババにも一撃を加えるRG。キレたディーボンに追いかけられ、一目散に南側の客席へ逃げ込むRG。命からがら逃げ伸びてリングに戻るが、そこで待っていたのはババの巨体。驚きおののくRGはババと顔を見合わせて「あ〜〜〜〜!」と声にならない声、そしてババの張り手でダウン。
 そこに坂田がコーナーからナイスタイミングで椅子を投げ入れ、ババに命中させる。続けて崔を呼び込むとババをダブルでブレーンバスター! ここをチャンスと見たRGがコーナートップからババに飛び掛るも、股間をダイレクトにキャッチされ悶絶、命からがら場外に避難する。
 続いてディーボンが崔をネックブリーカー、坂田をサイドバスターとフルスロットルで相手を蹴散らす。このピンチにRGがカットイン、そして崔がディーボンを羽交い絞めに捕らえ、そこにRGがエルボーを狙うも誤爆。坂田軍の結束を見せるはずが崔に往復ビンタを食らってしまう。
 目まぐるしく動くリング上、3Dは坂田にバックドロップとネックブリーカーのツープラトン、崔には超高層フライングラリアットを見舞う。ここで仕上げとばかりにディーボンが机をリング内にセット、RGを抱えあげテーブル葬に持ち込もうとするが、何とか崔がこの危機をカット。坂田はババをトラースキックからボディスラムで見事に投げきり勝機を見出そうとするも、パワーに勝る3Dに捕獲されてしまい、ババのパワーボムで机に突っ込んでしまう。
 最後は現ハッスルスーパータッグ王者が、崔を得意技の3Dで完全フォール! 最強タッグの底力をまざまざと見せ付けた。そして場外には、死んだフリをするRGが……。


第2ハッスル

7分49秒 バボム

 次週開催される『ハッスル・マニア2006』で新たな芸能人がリングデビュー! その名はグラビアアイドル・海川ひとみ!
 つい先日、人気タレントの真鍋かをり、同じくグラビアアイドルの浜田翔子と共に、ハッスル・マニアに向けての記者会見に参加した海川は今後のハッスルをよりメジャーにすべく、ファンサービスを担ってゆくはずだったのだが…。突然のプロレスデビュー宣言!
「私はハッスルで試合がしたいです!」
 尊敬する大先輩を前に、突然、思い切った行動に出た海川。そんな彼女に胸を打たれたのか? それとも、ただのグラビアアイドル好きなのかどうか定かでないが、坂田GMWは「ハッスル・マニアでデビュー決定だ!」と独断と偏見でいきなり正式発表!
 しかしながら、海川は格闘技経験はもちろん、スポーツ経験すらほとんどなし! 本当に、こんな娘をリングに上げて大丈夫か? そんな心配をよそに、坂田GMWはデビュー戦の相手をなんとモンスター軍のジャイアント・バボに決定した!
 デビューが決まり、嬉しさいっぱいの海川に対し…先日行われた会見に乱入したバボは「おいアホ! お前、ええ加減にせえよ。何で、この“世界のジャイアント・バボ”が、こんなガキと闘わないかんのじゃ!」そう吐き捨てると、バボは海川の練習パートナーKUSHIDAと\(^o^)/チエを一瞬にしてKO!
 バボと一緒に乱入していたアン・ジョー司令長官は、「まったく聞き分けもおつむも悪いアイドルデース! 最強のモンスター軍が、アイドルとのシングルマッチを『はい、そうですか』と受けるわけにはいきまセーン! その代わり、ユーにはお勉強をする機会をあげまショー! 今度の後楽園でプロレスがどれだけ厳しいか、セコンドについてしっかりスタディしなサーイ! いいですネ!」と提案。
 というわけで、プロレスを全く知らない海川ひとみは本日、KUSHIDA&\(^o^)/チエのセコンドについてお勉強! 果たして海川は何かを掴むことが出来るのだろうか?
 入場テーマ曲が流れる中、\(^o^)/チエとKUSHIDAが入場。セコンドにはピンクのジャージに身を包んだ海川がつく。続いてバボがゆっくりとリングイン。

閉じる 先発で出たKUSHIDAとバボがまずはロックアップ。体格でもパワーでも完全に上回るバボは、KUSHIDAを軽くひとひねりで吹き飛ばした。それにめげずKUSHIDAは、またロックアップ。油断しているバボに対し、コーナーで控えていた\(^o^)/チエが急襲。そしてバッタリと倒れこんだバボに対し、KUSHIDAと\(^o^)/チエはストンピングの連打をお見舞いだ。
 しかし、そんな攻撃が通用するはずのないバボはすくっと立ち上がり、チョップで2人を吹き飛ばした。すぐにコーナーにKUSHIDAを追い込んだバボはチョーク攻撃。
 さらにKUSHIDAをロープにふってスラム2発。しがみついてくるKUSHIDAに対し、バボは無理やりにねじ伏せるとカウントの体勢へ。 ここはうまく\(^o^)/チエがカット! バボはお返しとばかりにKUSHIDAをコーナーに備え付けチョップ連打。
 バボの一方的な攻撃の前にKUSHIDAはグロッキー状態となってしまった。追い討ちをかけようとバボが助走したところ、うまくかわしたKUSHIDAは反撃開始。そして\(^o^)/チエへタッチ。
 試合の勢いを掴んだ\(^o^)/チエは張り手連発にエルボー。全く効いていない素振りのバボは「バチン!」と強烈な張り手一発! ものの見事にクリーンヒットし、KO状態となった\(^o^)/チエを救出するKUSHIDAだったが、バボの返り討ちを食らってしまう。
 死に物狂いで立ち上がった\(^o^)/チエはここから反撃開始。フランケンシュタイナー、ナックル連打、ボディプレスとバボに集中放火だ。これをKUSHIDAも援護する。
 しかし、2人の奮戦も虚しく最後にバボは旋回式スタナー(バボム)をKUSHIDAと\(^o^)/チエにお見舞いし、2人重ねて3カウントを奪ってしまった。
 ダウンしたKUSHIDA&\(^o^)/チエの姿を見ていた海川は怒り心頭。「バボさん! あなたを『ハッスル・マニア2006』で、絶対にぶっ潰します!」
 今日はプロレスの厳しさを教えるお勉強だったはずだが、どうやら海川には通用しなかったようだ。キョトンな感じのアン・ジョー司令長官は「ヘイ、おじょうちゃん。今の試合を見ていなかったんデスか? 見てたら、ユーと、このバボが闘うなんて無理だってわかったよネ? いい子だから、デビューはあきらめた方がいいですよネ?」と優しく問いかける。
 それを受けて海川は「聞こえないんですか、バボさん! あなたをぶっ潰してやります!」
 笑いの止まらないアン・ジョー司令長官は「おじょうちゃん、無茶言って大人を困らしたらダメダヨ! じゃあ、こうショー! バボに一回だけ、おじょうちゃんの技を一回だけ受けてあげるチャンスをあげまショー! それで気が済むでショー」と海川に提案。
 バボはリング中央で大の字に横たわり、まぐろ状態に。海川は「それじゃあ、サソリ固め!」とバボの両足を掴み、長州ばりに技に入ろうとしたところ……。
 なんと! 海川は思いっきりバボの急所目がけてサッカーボールキック! バボはジュニアを蹴られてたまったもんではない、その場でうずくまってしまった。
 せっかくの好意を踏みにじられた司令長官は「おいおいおい! おじょうちゃん! それはちょっと、やりすぎなんじゃないノ?」と呆れ顔。
 シテヤッタリの海川は「でくのぼうさん! あなたをマニアでぶっ・つ・ぶ・し・ま・す!」と必勝宣言。
 ここまで言われて黙っていられるわけがない。アン・ジョー司令長官は完全に切れてしまった! 「ガキ、コラァ! いつまでもプロをなめてんじゃねぇぞ! 夢見てんじゃねぇぞ! そうかよ、そうかよ! そんなに痛い目にあいてえか? ああーん?」と、今までの英語まじりのアン・ジョー司令長官の言葉ではない。
 ここでアン・ジョー司令長官はモンスター軍の誇りにかけて、『ハッスル・マニア2006』でバボ1人に対し、KUSHIDA&\(^o^)/チエ&海川の3人とのハンディキャップマッチを要求。
「そんな余裕ぶっこいて後で後悔しますよ! じゃあ、お言葉に甘えて3人で力を合わせて頑張りましょう! せーの!」そう言った海川は「バ〜カ!」と叫びながらすたこらサッサ。
「バボ! 『ハッスル・マニア』で、あのバカドルを二度とグラビアに出れない身体にしてやれ!」とアン・ジョー司令長官はバボに命令!
 モンスター軍に怒りの炎をつけた海川の身体は一体どうなるのか!? 暇でもてないプロレスファンは、今後も海川のグラビア姿を見れるように切実に願うばかりです……。


第1ハッスル

8分3秒 空から黄色い悪魔がふってきた

 モンスター軍のアジト。ジャイアント・バボが所在なげに佇んでいる。そのバボを「お前には呆れてものが言えねぇや、コノヤロー!」と“モンスターK”川田が叱責すれば、アン・ジョー司令長官は「最近の若者は予想外の動きをするものが多すぎマース! もう総統が来ちゃいますヨ!」と嘆く。「す、すいません」とつぶやくバボ、何かミスをやらかしたのだろうか? 
 そこに全知全能の高田総統がお出まし、「どうした、何があった?」と問い正す。するとバボは「総統に“東スポ”を買ってこいと言われたのに、これ買ってきちゃいました……」と“何か”を差し出す。すると総統は「おい、美味そうな“東スポ”じゃないか!」と叫ぶやいなや「さすが“東スポ”だ、一面がインチキくさく輝いている!」と的確な感想を述べながら“東スポ”を口に運ぶ。
「おい、ちょっと待てよ……この口の中に広がる豊かな味わい、たまらんぜよ、オイ!」“東スポ”の妙味を心行くまで堪能する総統、しかし、何かがおかしい……?
「こんな“東スポ”はいまだかつて食べたことがない、まさに味のIT革命や〜!……ってこのやろう! トーストじゃないかよ、コレ!」と総統は、グルメレポーター風に感嘆しながらノリツッコミするという高度なテクニックを見せつける。これには川田も「すごい“予想外”だ……」とつぶやく限り。
 ここに試合前のイエローが律儀に名刺を持って総統に挨拶に来る。その名刺には「野口イエ郎」の4文字……、これにはモンスター軍揃って「予想外だ!」。
 総統は「日に日に腹黒さを増し、悪の心をブクブク太らせた貴様の使命はハッスル仮面を叩き潰すことだ!」とビターンでイエローを送り出した。

閉じる アン・ジョー司令長官と島田二等兵に先導される形で、ブラックと共にモンスター軍Tシャツをピチピチ状態で着込んだイエローが登場。そのイエローに正義の心を取り戻してもらうべく、レッドとブルーも颯爽とリングイン。
 ゴング前にレッドとブルーがイエローに説得を試みるが、イエローは容赦なく二人まとめてラリアットでなぎ倒す。ブラックがブルーを場外に連れ出し、リング上ではレッドとイエローが対峙。イエローは軽量のレッドをまるで物のようにロープに飛ばすと豪快なラリアット。続けざまに高々と肩に担ぎ上げると、全体重を預けた強烈なバックフリップ。早くもとどめとばかりにトップロープから攻撃を狙うが、これはレッドが辛くもかわす。
 続いてブルーとブラックがリングイン。ブラックはフライングメイヤーから強烈なサッカーボールキック、思わずのけぞるブルー。コーナーに追い詰めると、イエローと二人がかりで足で顔面を踏みつける非情な攻撃。交代したイエローはブルーに馬乗りになり、首絞めの反則攻撃と悪の限りを尽くす。
 瀕死のブルーは何とか自軍コーナーに戻ろうとするが、モンスター軍はそれを許さずなおもいたぶり続ける。ブラックはブルーに対して挑発するような馬乗りビンタから、深く腰を落とした強烈な逆エビ固め。必死にロープに逃れるブルーだが、再びブラックにリング中央に引きずり戻され、キャメルクラッチで捕獲される。
 そこに間髪いれずイエローが低空の顔面ドロップキックを炸裂! リング上はブルーに対する公開リンチの様相を呈してくる。イエローがブルーに怪力ぶりをみせつけるような滞空時間の長いブレーンバスター、なんとかブルーはカウント2で返す。
 続いてリングインのブラックは、ブルーをロープ上段に固定すると顔面キック。モンスター軍のなすがままにされているブルーだったが、ブラックに豪快なキックで反撃、ここでようやくレッドと交代する。
 レッドがブラックを旋回式のDDTで吹き飛ばすと、ここでイエローがリングイン。レッドとブルーに握手すると見せかけて殴りかかる。さらにラリアットの体勢に入るがこれはブラックに誤爆。チャンスとばかりに得意のコンビネーション、空中殺法を繰り出すハッスル仮面。ロープワークを駆使してその場飛びのシューティングスタープレス、619と波状攻撃で畳み掛ける。ハッスル仮面はイエローをコーナーに追い込むと、意識を取り戻すように手を差し伸べるが、イエローはレッドにラリアット、ブルーを場外に吹き飛ばす。イエローはとどめとばかりにブラックと、レッドに高角度パワーボム、最後は「空から黄色い悪魔がふってきた」で圧殺した。
 試合後も攻撃の手を緩めないモンスター仮面、アン・ジョー司令長官は「イエロー、日に日に腹黒さを増していきますネ! さすが、高田総統が見抜いた通りデース!」と高笑い。続けて「ハッスル仮面! 次のマニアでは、仲間も全員連れてくるのデース! その時がハッスル仮面はジ・エンド!」と最終宣告。レッドは「おい! イエロー! 頼むから、元のお前に戻ってくれ! 俺たちにはもう時間がないんだ! 11月23日のハッスル・マニアが終わったら、俺たちはハッスル星に帰らなくちゃいけないんだぞ! そんな大事なこと、忘れちまったっていうのか!?」とイエローに切実に訴え、ブルーも「そうだよ。イエロー! 皆、お前の帰りを待ってるんだ!」と必死に言葉を投げかける。
 じーっと、レッドとブルーの話を聞いていたイエローは、頭の中で過去の記憶がうずき始めたのか、突然頭を抱え苦しみ始める。その様子をみた司令長官は、「何をうなってるんですカ! イエロー、ユーの帰る場所は、ハッスル星ではないデース! イエローは、わがモンスター軍の一員としてちびっ子たちの夢や希望を踏みにじるのデス! ハッスル・マニアでは、ハッスル星に帰れないようイエローがユーたちの息の根をストッピングしマース!」とハッスル仮面に宣戦布告。
 小さなお友達から大きなお友達までのヒーロー、ボクらのハッスル仮面が最終回!? ハッスル星に帰らなくちゃいけない!? そしてイエローにはこのまま正義の心は戻らないのか!? 果たしてハッスル仮面の運命やいかに!?


RGリングに登場

『ハッスル・マニア2006』まであと8日という大事な大会だというのにも関わらず、オープニングに登場したのはハッスル最高責任者の坂田GMWではなく、補佐官のRGではないか!
 毎度おなじみとなったRGダンスを踊りながらRGはリングイン。それまでは温かく見守ってくれていた観客だったが、RGがマイクを握った途端にブーイングの嵐でお出迎えだ。
「後楽園の皆さ〜ん。坂田GMWは忙しいので、オープニングに帰ってきましたGM補佐官のRGで〜す!!」自己紹介するやいなや、ブーイングは更にヒートアップしていく。
 帰れコールやブーイングに対し、RGはRGダンスで挑発。そしてRGは今までのことを振り返る。
 1年前といえば、まだ大阪在住。自腹で『ハッスル・マニア2005』でのHGのデビュー戦を見に来てた時期もあった。
 そして今……。「どうですか!? 最近では、しゃべりはともかく、そして、試合までもHGより面白いと言われているわけです! ノリに乗っているんです!」とRGは自分に酔いしれる。そんなRGに対して観客は更なるブーイング。会場が一体になったと大勘違いしたRGはここで本日の対戦カードを発表した!!
 ビジョンに本日の対戦カードVTRが流れ終わると、RGはふと疑問を抱いた。「4試合って、少ないと思いませんか?」と観客に問いかけるRG。これには今までRGにブーイングを飛ばしていた観客も「少な〜い!」と同調する。
 しかし、ここでRGは「なので、今日はとうとうRGのギャグ100連発をやりたいと思いま〜す!」と宣言。するとどうだ! すぐに大「帰れ」コールが巻き起こった。
 物凄いブーイングと「帰れ」コールが見事なハーモニーを折りなす中、さすがに堪えた感のあるRG。
「もういい! もう分かった! ちょっとはみんな俺のこと好きになってくれてると思ったけど帰るわ。お疲れ様でした!」といきなりいじけモードとなってしまう。誰よりもブーイングを糧に生きてきたRGなのに、これでいいのだろうか?
 マイクを投げ捨てたRGは、脱兎のごとくリングを後にしてしまった。いったんはロビーに向かう通路へはけたものの、通路で待ち構えていた崔リョウジと大勢のDSEスタッフに首根っこを捕まえられ、RGは再びリングに押し戻されてしまうはめに。
 RGと共に崔も一緒にリングイン。RGは何とか逃げようと必死になるが、リングを囲み、厳しい表情で見つめるDSEスタッフを見るとタジタジになってしまった。
 そんなRGを見て怒った崔は「おい、こら! なにお前、逃げようとしてんねん! 皆さん。コイツはね、チーム3Dが怖くて今日は試合が出来ないんですよ。でも兄貴が怖いから何も言えん……ただのヘタレですよ!」と暴露。ヘタレコールが飛び交う中、「それじゃあ踊れないよ〜」とRGはさらにへこみ気味。
 気を取り直したRGは「ちょっと待って下さい 相手は3Dですよ! 僕、殺されますよ!! 嫁もいるし、子供もいるんですよ〜」と半べそ状態に。
 それを聞いた崔に「それなら、ちゃんと稼がなあかんやないか! 3Dに勝って、親父の威厳を見せたれや」と説教をくらうRGだった。
 するとRGは「子供はまだ1歳だからわからないヨウ!!」と再びリングから逃げようとするが、崔に取り押さえられる。「逃げようたって無駄やで、こんだけのスタッフがお前をずっと見張ってるからな! もうええから、はよ開催宣言しろや!」と崔はRGに詰め寄る。
 RGは「僕にとっては死刑宣言ですよ〜」と言いながら、物凄く小さい声で「ハッスル・ハウスvol…」と仕方なくぼそぼそと開会宣言…。
「声が小さい!」と崔に怒鳴りつけられたRGは、「くっそー、そんなに俺がボロボロにされるとこ見たいか、くそ! この人でなし! ハッスルハウスvol.21スタートです!!」と完全に開き直りの開会宣言!


オープニングムービー