ファイトカード

高田総統劇場

 「出て行ってやろうじゃないかよ!」。有田総統の挑発に乗った高田総統が『威風堂々』のテーマ曲をバックにゆっくりと登場。後ろにはモンスター軍が勢ぞろいだ。

 会場からは大音量の「総統」コールが巻き起こる。「大晦日にもかかわらず、ノコノコと埼玉くんだりまで電車を乗り継いできた下々の諸君。そして! 紅白も見ないで、『ハッスル祭り』を見ているちょっと変わった諸君。君たちは偉い! 我こそは高田モンスター軍総統、そしてハッスルの偉大なる支配者・高田だ!」と裏返らんばかりの声で自己紹介。そして、「おい! 有田総統とやら、何がハッスル軍のトップだよ! っていうか貴様、方々で私のモノマネをやっているらしいな。一体、どういうつもりだ。んん? そんなにこの私にぶっ殺されたいのか、このアゴ男がよ!!」と怒りをぶちまけた。

 一方の有田はなぜか「元気ですか〜ッ!」とアントニオ猪木のモノマネで対抗! 「元気があればなんでもできる。元気があれば、小川をスリーパーで絞め落とせるって……このバカヤロー!」とノリツッコミを見せたかと思えば、次は「とうとう会えたな高田総統! 私はな、『ハッスル1』からずっとスカパー!のペイパービューを購入して欠かすことなく、観てきたんだよ! 先月の『ハッスル・マニア2007』は、久しぶりにプロレスを観て号泣してしまったよ!」と告白……と思いきや、有田総統は高田総統の弱点を分析するためにハッスルを見てきたのだということを明かした。

 それを聞いた高田総統はビビってたじろぐ様子もなく、「貴様! この私に弱点があると言ったな!? プライベートはともかく、このハッスルに関してはそんなもん、あるわけねーじゃねーかよ! 君は、私の新たな化身“高田将軍”を見ていなかったのか? 将軍はな、あのエスペランサーよりもはるかに強力なんだ。分かるだろ! もしも、将軍がリングに上がった暁には、凄いことになっちゃうよ?」と逆に挑発してみせた。

 しかし、なんと有田は、「じゃあ、こうしよう! そっちが高田将軍で来るならば、こっちは、私の闘う化身“アリペランサー”を登場させてやってもいいんだぞ!」と、どこまでも高田将軍に張り合うつもりのようだ。そんな有田総統に業を煮やした高田総統は、「闘う化身だと! コンノヤロォォォオ!! ならば、その“アゴペランサー”とか言う奴と高田将軍どっちが強いか闘わせてみるか? ん?」と、わざと名前を間違えながらさらに挑発しつつ、「今日は、時間がないんだ。これ以上、君に付き合っていると、『やれんのか!』ができなくなっちゃうんだよ!」と、話を遮った。

 そして、「おい! ハッスル軍のアホどもよ! この激動の1年を、よくぞ生き抜いたな。そのしぶとさだけは褒めてやろう。だが、今年以上の苦しみをこれでもかと与えてやる。よ〜く覚えておくがいい。それでは、有田総統とやら。今日は君と絡めて楽しかったよ。また機会があったらお会いしようじゃないか! それでは下々の諸君も、よい年を迎えてくれたまえよ。バッドラックだ!」と退場していくのであった。

 リング上ではハッスル軍が、高田総統に一歩もひけを取らない有田総統のマイクに感心した様子。しかし、RGが「今度は是非、アリペランサーを登場させてください!」と頼み込むと、有田総統はあっさり、「あの話は、ウソだよ〜ん!」と暴露。ハッスル軍一同を思いっきりずっこけさせたのだった。
 しかし天龍は、「RG。男ってのはな、ハッタリをかまさなきゃならねえ時もあるんだよ。俺も若い頃はな、随分、ハッタリかましたもんだよ。有田総統、あんたは男だよ!」と褒め称える。

 そして、『大みそかハッスル祭り』の……いや、2007年の締めはなんと有田総統が音頭を取ることに! 有田総統はここでもサービス精神を忘れない。突然、長州力のモノマネをしたかと思えば、すぐさま有田統括本部長に早変わりしてマイクの前に立った。「ちょっとだけ時間を下さい! え〜本日は、『大みそかハッスル祭り』ご来場、誠にありがとうございます」と四方に挨拶。そして「2008年、ハッスルは頂点に君臨します。そして、私も必ずまた、ハッスルのリングに帰ってきます。ですが、お客さんの中のお客さんもまたハッスルを観にこいや! というわけで、最後は、皆でハッスルポーズ、やれんのか!」。観客は大喜びでその呼びかけに応える。

 そして、「いくぞ〜ッ! 3、2、1、ハッスルハッスル!!」と、ハッスル軍も会場も一体となってハッスルポーズを決め、2007年を締め括ったのであった。今年も実に様々なことが巻き起こったハッスル。闘いはもちろん、大物格闘家や芸能人の参戦、地上波放送の決定、さらにこの『大みそかハッスル祭り』の開催と、サプライズの連続だった。2008年は、さらなる飛躍を目指してまい進するハッスルから、今後も目を離すな!!

メインハッスル

9分49秒 ダイビングフットスタンプ→体固め

 11・25『ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)で、妻・小池栄子似の妖精さんと力を合わせ、エスペランサーを撃破した坂田亘。そして「ハッスルとは何か?」を身を持って証明し続ける芸人にして、真のハッスラー・HG! このハッスル軍エースの2人が、今日、大晦日ラストの試合を締めくくる!!
 敵はモンスター軍のスーパー重量級コンビ、スコット・ノートンとジャイアント・シルバだ!!

 果たしてハッスル軍はメインでモンスター軍を打ち負かし、世間の大注目を集める大晦日に「ハッスル軍ここにあり!」を打ち出すことができるのか? 『大みそかハッスル祭り』もいよいよ大詰め! 激動のクライマックスを迎える!!

閉じる 純白のコスチュームと金フチのマスクを被ったHGと、坂田はLOVE&HUSTLEの盾を手に登場だ。そして、リングに上がって、ノートンとシルバを待ち受ける。

 先発は坂田とノートンだ。リング中央でガッチリとロックアップした両者だが、ここはノートンがパワーで坂田を吹き飛ばす。ノートンは続けて、ショルダータックルをお見舞いだ。坂田もフライングニールキックで反撃するものの、ノートンはすぐにショルダータックルの前に手も足も出ない。そして、逆水平チョップを放っていくノートン。坂田もチョップ、ショルダータックルで反撃していくが、ノートンはびくともしない。ならばと、カウンターでドロップキックを食らわして、ノートンをようやくダウンさせて見せた。

 続いて、HGがミサイルキックをノートンに発射。さらに、エルボードロップを連続で叩き込んだ。怒るノートンを挑発するHGは、ロープ際までノートンを誘うと、ロープ越しに三角絞めを極めて、さらにフランケンシュタイナーで投げ飛ばして見せる。ここでノートンはシルバにタッチ。巨大なシルバに立ち向かうHGだが、ロープに振ろうにもシルバはびくともしない。ならばと、坂田と2人がかりで飛ばそうとしたが、逆に飛ばされて、2人まとめてラリアットで吹っ飛ばされてしまった。続いて、シルバはコーナーにHG&坂田を重ねると、まとめて串刺し式のラリアット。坂田はたまらず場外に逃亡だ。

 その隙に、ノートンとシルバが重量級の攻撃を連発して、HGを追い込んでいく。HGはノートンの太い腕でスリーパーを極められて、大ピンチだ。場内の声援に応えて、立ち上がったものの、ボディスラムで叩き付けられたHG。それでも、「セイ!」と叫んでエルボーを見舞っていく。だが、ノートンもびくともしない。逆にノートンの逆水平チョップがHGに炸裂。さらに、パワースラムまで決められてしまった。ここは間一髪、坂田がカットに入ったものの、今度はシルバが落差十分のチョークスラム、ボディプレスを続けざまにHGに炸裂させる。

 そして、テーブルを持ち出したモンスター軍。シルバはテーブルをリング内に立てると、その上にHGを設置。そして、なんとジャイアントプレス・オン・ザ・テーブルだ! これを食らったら万事休す! しかし、HGはこれを間一髪避けると、シルバをテーブルに自爆させたのだった。そして、坂田にタッチ! 気合いを入れてリングに入ってきた坂田は、破壊王ばりに十字を切って、シルバにミドルキックを叩き込む。カットに入ってきたノートンにはスーパーキックをお見舞いだ。そして、シルバに再び蹴りを見舞うと、リング中央に引きずり出す。そして、共に対角線のコーナーに上ったHG&坂田。まずは一方のコーナーからHGがシルバにダイビングギロチンドロップを投下すると、続けて坂田が反対側のコーナーからダイビングフットスタンプを叩き込む! さすがのシルバもこの連続攻撃でノックアウト。坂田がシルバから3カウントを奪い、ハッスル軍に勝利をもたらした。

 ハッスル軍のメンバーがリングに駆け上がり、2人の勝利を喜ぶ。天龍は「お前ら、この1年で立派なメインイベンターになったな。大晦日の大トリ。北島サブちゃんに負けない、立派な締めだったぞ!」と大晦日ならではの賛美を送る。TAJIRIは「きっと妖精さんからもらったこの盾が、2人に力を与えてくれたんですね。さあ、坂田さんこれを」と坂田に盾を渡す。
 「セイセイ……。ハードな闘いでした。でも……、皆さんの熱い声援のおかげでなんとか勝つことができました! ありがとうございました!」とHG。坂田は「HG。俺はな、妖精さんに誓ったんだ。高田総統が、どんな強い奴を出してこようが、どんな理不尽な手を使ってこようが、このLOVE&HUSTLEの盾にかけて、絶対に負けないってな」と腕に装着した盾を見つめる。

 するとここで会場には高田総統の声が鳴り響く! なんと新たな闘う化身を紹介するというではないか! 高田総統の「戦国ビターン!」を合図に、何者かがステージの下から、ゆっくりと姿を現し始めた。その人物は戦国武将さながらの衣装を身にまとっている。この、ただ事ではない様子に身構えるハッスル軍。

 その人物がゆっくりと立ち上がるとモニターには「高田将軍」の文字が……! これが高田総統の新たな化身の正体か!? 高田将軍は、さらに腰から刀でも抜くかのようにゆっくりと手刀をハッスル軍に向ける。これはまさしくレーザービターンの体勢だ!! 慌てふためき逃げ惑うRGやTAJIRI。天龍やHGたちはその場で伏せる。そんな中、坂田だけがラブ&ハッスルの盾を構えている。
 その瞬間、レーザービターンは放たれ、坂田の盾に命中!! なんと盾はレーザービターンをはね返すことなく、そして坂田も衝撃に耐え切れず吹っ飛ばされた。

 壊れてしまった盾を見て狼狽するハッスル軍。TAJIRIは「もー! だから僕は嫌だったんですよー! 坂田さんが、カッコつけて高田総統を刺激するから! 僕は、余計なこと言わないほうがいいのにって、ずっと思ってたんですよ」とかんしゃくを起こしている。その言葉に「今、そんなこと言っても仕方ないでしょ!」と崔。ハッスル軍は勝利ムードから一転、険悪なムードになってしまった。

 するとどこからともなく「何をうろたえているんだ! ハッスル軍!!」と声が響く。そして登場してきた男は、なんと『ハッスル・エイド2006』以来の登場となる有田総統だ! 思わぬサプライズに沸く会場とパニック状態のハッスル軍。有田総統が口を開く。「大晦日にも関わらず、さいたまスーパーアリーナに集結したハッスルファンの諸君! ご機嫌いかがかな? 我こそが、ハッスル軍総統・有田だ!」。HGとRGが「総統」コールを促す。観客も大きな「総統」コールで応える。

 始めに口を開いたのはHGだ。「有田さん! くりぃむしちゅーの有田さんじゃないですか! こんなところで何をしてるんですか! 今、一番忙しいでしょ! 我々が言うのもなんですけど、こんなところにいていいんですか? 早く帰ってください!上田さんも心配してますよ!」と意外と冷静。有田総統は、「上田ぁ? 私はな、あんな天パーの男より、ハッスルのほうが何倍も大事なんだよ! ハッスルにとって一番大切な日に、来ないわけにはいかないだろ! ん? 今日はな、あらゆる仕事を断って、来ちゃったんだよ!」と告白。ハッスルファンは大喜びだ。

 そして、RGも「有田さん! お久しぶりですRGです! 『笑いの金メダル』には結局、呼んでもらえませんでしたが、2008年、RGと有田さんは……、一生、一緒ににいてくれや〜……」と挨拶。しかし、さすがの有田総統も絡みづらそうに苦笑いを浮かべつつ、「おい、RG! 同じ業界にいるのにずいぶん久しぶりだな。とにかく、私とくりぃむしちゅーの有田君は、別人、いや別人の設定なんだよ!」とバッサリだ。

 そして「ハッスル軍の諸君。私が出てきた以上、もう高田モンスター軍の好きにはさせないぞ! 高田将軍? たかがあれしきのことで、ビビッてたじろぐとでも思ったか? んん!? 分かるだろ?」と有田総統。それを聞いたTAJIRIは「たかがあれしきって、簡単に言わないでくださいよ。妖精さんの盾が粉々になっちゃったんですよ!」と噛み付く。さらに「さては、あんた! 高田モンスター軍のスパイだな!」と絡む始末だ。

 しかし有田総統は落ち着いて「確かに、突然来ちゃったから君たちが混乱するのも無理はない。1つ教えてやろう。実はな、高田モンスター軍の侵略を阻止するため、ハッスル軍を創設したのが、この私だ!」と、驚きの新事実を明かした。そして「高田総統! 会場のどこかで聞いているんだろう? この私とお話してみるか? 高田総統の中の高田総統! 男の中の男なら、私の前に……出てこいや!!」と高田総統に呼びかける。

 「おい! 出て行ってやろうじゃないかよ!」。高田総統の声が会場中に響き渡った。


セミハッスル

10分45秒 M字親子固め

 ハッスルのリングで衝撃の出会いを果たした男と女がいた。女の名は“愛と美と闘いの女神”、そう、ハッスルのリングを華やかに彩るインリン様。そして男の名は、神出鬼没にして、先の読めない攻撃を次々と繰り出し、まさにこの世の常識では測れない、“魔界の住人”グレート・ムタ!
 2人は6・17『ハッスル・エイド2007』で一戦を交えた。その際、ムタから放たれた毒霧により、インリン様はまさかの妊娠! そして産まれたのが“魔界の横綱”モンスター・ボノだ! ボノは、生まれ持った才能と素質で、ハッスル軍の精鋭を次々と撃破していった。
 そしてボノは、11・25『ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)で、インリン様との親子タッグを結成! 天龍、TAJIRI、RGとの対戦に挑んだ。しかし、結果はTAJIRIのハイキックによるインリン様の失神、それに動揺したボノがフォールを奪われ敗北に終わった。これにショックを受け、思わず「パパに言いつけるからな!」と口走ったボノ。さらに後日の会見では、インリン様も、ムタを呼び寄せることを示唆していたのだ。
 しかし! そんなボノのいたいけな気持ちを踏みにじったのがTAJIRIだった。「ママー。なんでクリスマスなのに、パパは帰って来ないの? ねー。なんで〜?」と、インリン様に詰め寄るボノに対して「それはね、ボノちゃん。パパがボノちゃんのこと大嫌いだからだよ! うひゃうひゃひゃひゃひゃ!!」と大人気ない意地悪を仕掛けるのであった。
 パパに会いたい。そうひたむきに願うボノちゃん。だが相手は、子供を作ったきり、何の音沙汰もない放蕩親父。運命のいたずらによって、家族となった3人に、リングの上で、どんなドラマが待っているのか……。

 ハッスル軍の控え室にハマショーこと浜田翔子が直撃リポートを決行! ドアを開けるとそこにはRGただ一人。RGはカメラに気付くと「ヨーヨーヨー! ハマショーちゃ〜ん! なんでも聞いてヨー!!」と、満面の笑みを浮かべて寄ってくる。浜田は「いや、できれば天龍さんか、TAJIRIさんにお話を……」と切り出すが、「ヨー! いま誰もいないヨー!」とRG。それを聞いた浜田は残念そうに、「そうですか。それじゃあ試合頑張ってください」と立ち去ろうとするが、RGは「ヨーヨーヨー!」と引き止める。
 「なにこれ、新発売のRGTシャツまで着てるじゃん! 僕に話聞く気満々でしょー! オッケー!」とRG。しかし浜田は、「いや、これはスタッフの人に『余ってるからあげる』と言われて……」とそっけない返事。コケるRGだったが「……まあいいや。せっかくなんで、ここで新年先取りRGお正月ギャグを!」と気を取り直してギャグ披露だ。「あけまして、おめで……、おめで……、おめでセ……」とRGがギャグを放つ寸前でリポートを締める浜田であった。

 一方、その頃モンスター軍の控え室では……。困り果てた様子の島田二等兵が、「司令長官! なんとかしてくださいよ〜」とアン・ジョー司令長官に助けを求めている。どうやらグレート・ムタ、すなわちパパが来ない! とボノが八つ当たりをしているらしい。それを聞いた司令長官は「正直なところ、ミーもムタが来るとは思えませんね〜」と諦め顔だ。
 と、そこにインリン様が登場。ビックリして飛び上がる島田と司令長官。インリン様は、「もうすぐ、魔界時間の午前0時。この世界と魔界がつながる時、必ずあの人はやってくるわ」と宣言する。そしてボノのもとに歩み寄ったインリン様は、「いつまでもスネてるんじゃありません。パパに笑われますよ」とやさしく声をかける。しかし「ママの嘘つき! パパは来なかったじゃないか!」とボノ。インリン様は「きっとパパはね、ボノちゃんをビックリさせようとして、なかなか出てこないのよ」とボノを納得させると、「さ、ママと一緒に、悪い奴らをうんと懲らしめてやりましょうね」とボノのやる気を奮い立たせた。ボノは「わかった! 僕が強い子だって、パパに見せてあげるよ」と、上手く気持ちが乗ってきたようだ。リングに向かった2人を見送る島田と司令長官。「本当にムタは来るのかな〜?」(島田)。「さあ……」(司令長官)。やっぱり、ムタの登場にまだ半信半疑のようだ。

閉じる 今日のインリン様は黒いゴージャスな衣装。小林幸子もビックリのセクシーさだ。そして、ムチを片手に、悠々と息子のボノを従え、ハッスル軍の待つリングに登場した。リングで待ち受けるハッスル軍は、3人揃ってボノを挑発。ボノも戦闘態勢に入る。と、これを見た会場からは、一斉に「RG!」コールが発生だ。

 怯えるRGだが、仕方なく戦闘態勢を取ろうとするが、ここでTAJIRIがすぐにタッチ。最初はボノとTAJIRIのマッチアップで試合開始だ。まずTAJIRIはボノをおちょくるように、攻撃をことごとくかわすと、低空のドロップキックでボノを跪かせて見せる。たまらず、ボノはインリン様にタッチだ。

 自信満々のインリン様は、TAJIRIを首投げで投げ飛ばすと、前方回転エビ固めで慌てさせる。しかし、TAJIRIはインリン様を捕まえてRGにタッチ。すると、変態顔のRGは、股先攻撃を敢行。スケベ丸出しの顔で、インリン様の股間に迫っていく。しかし、インリン様もこれに激怒! ローリングクレイドルでRGを回転させると、『ハッスル・マニア2007』で見せたパロスペシャルで絞め上げる。さらにM十字固めに繋げると、ラ・マヒストラルで3カウントを迫って見せた。そして、ムチ打ち攻撃を見舞ってからボノにタッチだ。

 ボノはRGを捕まえると、思いっきり溜を作って、アトミックドロップでRGの尾てい骨にダメージを与える。たまらず、吹っ飛ぶRG。ところが、この攻撃でRGも奮い立ち、果敢にも張り手攻撃を見舞っていく。しかし、すぐに強烈な張り手攻撃のお返しで悶絶だ。ならばと、天龍がボノにロープ越しで蹴りを見舞うと、チョップ攻撃、延髄斬り、ラリアットでボノを攻め立てる。そして、キャメルクラッチで捕まえると、RGも背後からこれをアシスト。グイグイとボノを絞め上げる。続けて、TAJIRIもインリン様にキャメルクラッチ。これを見たRGは、タイツを脱ぎ捨て、汚い尻を露わにする。そう、生肛門スターの体勢だ。

 ところが! ここで会場が暗転! 突如、不気味な音楽が鳴り始める。続いて、不気味な鐘が鳴り、花道が何やら盛り上がり始めたではないか! 何が起こるのか? すると、盛り上がった花道からなんとパイレーツ・バージョンのグレート・ムタが登場! 待ち焦がれたパパの登場に、リング上のボノは手を叩いて大喜びだ。リングに入ってきたムタはパイレーツ風のオーバーマスクを取ると、インリン様&ボノのもとに駆け寄り、天に向かって毒霧を噴射! そして、ボノの頭を撫でながら、ペロペロと舐めて、父親らしくあやしたのだった。さあ、魔界の一家が遂に勢揃いだ。まず、ボノが天龍をボディスラムで叩き付けると、ムタがすかさずフラッシングエルボー。そして、ボノもドライビングエルボーを叩き込む。さらに、ムタは天龍にシャイニングウィザードをぶち込んで見せた。

 ここで、リングに取り残されていたRGはムタと目が合ってしまう。慌てふためくRGは、ムタに「パパ〜!」とすり寄っていくが、この図々しい仕草にすかさずインリン様がムチでお仕置き。そして、インリン様はムタとボノを制すると、因縁深いTAJIRIと対峙した。TAJIRIがインリン様のムチ打ち攻撃をかわせば、インリン様もTAJIRIのグリーンミストを避ける。しかし、TAJIRIはインリン様を捕まえてコーナーに連行。そして、あの『ハッスル・マニア』でノックアウトに追い込んだハイキックを発射だ! しかし、インリン様はこれを間一髪スルー! そこにムタが出てきて、TAJIRIの顔面目がけて毒霧を噴射する。そして、視界を封じられたTAJIRIをボノがコーナースプラッシュで圧殺! 続いてムタがシャイニングウィザードだ! そして、トドメはインリン様のハイキック! これがズバリと決まると、最後は3人揃って、M字固めでTAJIRIからフォールを奪い、魔界ファミリーが勝利を飾ったのだった。

 勝利とパパに会えた喜びで大はしゃぎするボノ。ムタはもう一度、ボノの頭をなぜると無言のまま花道を帰り始めるではないか。
 それを見たボノは「パパ! 待って! お願いだから行かないで!」と懇願。立ち止まってボノを見やるムタ。ボノは続けて「パパァ! 僕、いい子になるから! だから、ママと僕と3人で一緒に暮らそうよ! ママも何か言って!」と必死だ。しかしインリン様は小さく首をふるだけ。
 「やだ! パパ行かないで!」と追いかけようとするボノを、インリン様が引き止める。するとムタは天に向けて毒霧をひと吹き。魔界へと吸い込まれ、姿を消していった。重い扉が閉まる音だけが鳴り響く。ボノは「パパァーーー!!」と叫ぶしかなかった。
 インリン様は「ボノちゃん。パパにはね、パパの生き方があるの。ボノちゃんもパパのような強いモンスターにならなくちゃね。さ、もう泣かないで。帰ってママと、年越しそばを食べましょう」とやさしくボノに語りかけて、2人はリングをあとにした。


第4ハッスル(ダイナマイト・ハードコア・ハッスル・ウェポンマッチ)

10分15秒 ミルコハイキック→体固め

 ダイナマイト・ハードコア・ハッスル・ウェポンマッチ──。この試合のルールを説明しておこう。
 選手はまず各自自由にウェポン、つまり凶器を持参して入場。もちろん試合中に使用するのも自由だ。そして試合開始から一定時間が経過すると、入場ゲートにあるパチンコ台のスロットが回転、と同時に、会場のどこかにこの回転を止めるボタンが出現。このボタンを押して、見事「当たり」を出すことができれば、ステージから登場する『スペシャルウェポン』を自由に使うことができる、というものだ。
 11・25『ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)で行なわれた際には、ウェポンとしてなんとマーク・ハントが登場! 今回は果たしてどんなウェポンが隠されているのか……?

 今回、この試合に挑むのは前回と同じくキンターマンとクロダーマン。そして対するはハッスル軍から崔領二と10ヵ月ぶりのハッスル参戦となるEricaだ! キンターマンとクロダーマンはモンスター軍としての初勝利を上げられるのか? そしてハッスル軍の2人は、ハッスル軍を裏切りモンスター軍へと寝返ったキンターマンとクロダーマンに怒りの鉄槌を落とせるのか? 全ての鍵はウェポンが握っている……。

閉じる まずはキンターマン&クロダーマンがファンたちと共に登場。キンターマンはラダーを手にしている。そして、リングに上がると、引き連れてきたファンたちと共に、ブリブラダンスを決めてみせた。一方のハッスル軍は、Ericaが一斗缶、崔が2つのおもちゃのハンマーを手にしての入場。さあ、試合開始だ。まずはキンターマンとEricaのマッチアップでスタート。

 会場からは久々登場のEricaに声援が飛んでいる。その声援に応えて、いきなりEricaはキンターマンをショルダータックルで吹っ飛ばす。しかし、キンターマンがエルボーで反撃してくると、途端に「痛〜い!」と叫んで崔にタッチしてしまった。代わった崔とキンターマンは、「キン!」、「雀(ジャン)!」の掛け声エルボー合戦。しかし、キンターマンは卑劣にも崔の股間に一撃見舞って、クロダーマンと合体エルボーを決めてみせたのだった。

 と、ここで巨大パチンコ台が回転。そして、回転を止めるボタンも出現した。ウェポンの登場か? しかし、これは外れ。パチンコ台に気を取られていた崔をキンターマンはラダーにブレーンバスターで叩き付け、優勢に試合を続ける。キンターマンはムーンサルトを崔に見舞うと、今度はクロダーマンがラダーごと崔に落下。さらにラダーを崔の股間に叩き込むと、崔の股間に突き刺さっているラダーをイスで叩いて、さらにダメージを与えていく。これが終わると、今度はEricaを捕まえたキンターマン&クロダーマン。なんと女性であるEricaの股間にあろうことかラダーを激突させたのだった。デリケートな場所に攻撃を受けて、遂にEricaが激怒! キンターマンに背後から羽交い締めにされていたがこれを急所蹴りで脱出すると、クロダーマンには一斗缶をお見舞い。そして、キンターマンには裏拳を叩き込んだのだった。

 と、再び巨大パチンコ台が回転! なんと、ボタンが登場したのは真鍋かをりのいる実況席だ! 真鍋は慌ててリングに持っていこうとするが、スケベ顔丸出しのキンターマンが迫ってきたため、エプロンに置いて、逃げ去ってしまった。そして、キンターマンがボタンを押す。すると、巨大パチンコ台には真鍋の顔が3つ揃い、ステージにウェポンが登場した。しかし、出てきたのは何の変哲もない鍋。しかも、蓋の裏には「ま」と書かれている。真鍋かをりと「ま鍋」をかけたダジャレだ。崔はステージまで行くとこれを奪取するが、なんと鍋攻撃はEricaに誤爆してしまう。このチャンスにクロダーマンは自転車で花道を疾走して、崔にチャリンコ・アタック!

 と、またもここで巨大パチンコ台が回転。ボタンが現れたのはステージにいたスタッフの頭の上だ。これを押したのはキンターマン。すると、出てきたのはなんとグラビアアイドルのほしのあきではないか! 懐かしい『おっぱいがいっぱい』が流れる中、その豊満な胸の谷間を露わなセクシーな衣装で登場したほしのあき。手にはパチンコ台の回転を止めるボタンを持っている。ほしのは、性欲剥き出しで迫ってくるキンターマンを避けると、Ericaたちのコーナーにボタンを持っていく。そして、ほしのが持ってきたボタンを今度はEricaが押した。さあ、今度のウェポンは何だ? 巨大パチンコ台には高田総統が3つ揃い、大当たり! すると、会場に流れ始めたのはなんと、ミルコ・クロコップのテーマ曲ではないか! そう、最後のウェポンは、来場が予告されていたミルコだった! オープンフィンガーグローブを着用したミルコはリングに向かうと、クロダーマンにスープレックスだ。続けて、ミルコはクロダーマンにローキック、そしてキンターマンには戦慄のハイキック! これでマスクマン2人は完全にKO状態。最後はEricaが押さえ込んで、3カウントを奪って見せた。

 「勝ったわよ〜! それにしてもあなた、凄く強いのね。なにか格闘技やってたの?」とErica。「いやいやいや! Ericaちゃん! このひとミルコ! ミルコ・クロコップですよ!!」とつっこむ崔。それを聞いて「ミル子ちゃん? え? 女の子なの?」と困惑するEricaを「いや、もういいですわ」と一蹴した崔は、「ミルコさん! 今日はほんまありがとうございました!!」とお礼。

 するとミルコから日本のプロレス・格闘技ファンに向けてメッセージが放たれる。「ゲンキデスカ? 日本のハッスルファンの皆さん、こんにちは。そしてお久しぶりです。今回、私が尊敬するミスター高田から高田総統を通じて参戦のオファーがありました。今日は2007年、不甲斐なかった自分を謝るために日本に来ました。でも、2008年は素晴らしい闘いをお見せすることをお約束します」。ミルコは盛大な拍手の中、崔とEricaとともに会場をあとにした。


第3ハッスル

10分48秒 ギンガプレス

 これまで数多くの芸能人やアスリートが参戦し、存分にパフォーマンスを発揮してきたハッスルのリング。そして今回、名乗りを上げたのはこの男! バルセロナオリンピック体操銀メダリスト・池谷幸雄だ!!

 池谷は参戦発表記者会見でこう語った。「僕は子供の頃、タイガーマスクに憧れていました。タイガーマスクの四次元殺法。当時は、あんなことがやりたいなと思っていたんですが、今となっては、五次元、六次元の技ができるようになっています。期待していてください」。
 そして12・25『KYORAKU presents ハッスル・ハウス 〜クリスマスSP 2007〜』(後楽園ホール)で、ハッスルのリングに初登場、見事な体操技で観客の度肝を抜いた。さらに、ここで池谷は重大発表! 「大晦日は、池谷幸雄ではなく! マスクマン・池谷銀牙(ぎんが)として登場します!!」。一夜にしてハッスルファンの心をわしづかみにした池谷は、その後公開練習を行い、ウルトラC級の必殺技・銀牙プレスを初披露!!
 コーチを務めるサスケも「池谷さんの身体能力は本当に凄いです。そんじょそこらの空中殺法の使い手なんか目じゃありません! 私のように空中殺法を得意としている者には、良い刺激になります!」と絶賛だ。

 タイガーマスクの四次元殺法に憧れた少年が、体操選手を経てハッスルのリングに。果たして池谷銀牙は、タイガーマスクを超えるマスクマンとなって、マット界にその名を刻むことができるのか!?

閉じる 最初に入場してきたのは池谷幸雄改め池谷銀牙とサスケだ。銀牙は銀色を基調とした顔の大部分が見えるマスクを着用。レオタード姿の女子体操選手に先導されて、リングに上がると、コーナーから月面宙返りを披露した。一方の司令長官&バボの入場。バボは銀牙を挑発するように、花道で連続で前転を披露したのだった。

 試合はサスケが先発を買って出るが、いきなり司令長官とバボのダブルショルダータックルで吹っ飛ばされてしまう。たまらずサスケは、銀牙にタッチ。さあ、早速、銀牙の登場だ。銀牙は身軽にトップロープを飛び越えると、突っ込んできた司令長官をその場飛びでスピンしながら簡単に避けてしまう。続く司令長官の攻撃も側転で避けた銀牙は、今度はフェイントでスピンしながら司令長官の背後に回り、アームドラッグ投げ飛ばしてみせた。怒りの司令長官も背負い投げを試みたが、簡単に空中で前転して着地する銀牙。さらに銀牙はロープに飛ばされると、途中で倒立! そして、そのまま歩いて、サスケにタッチしたのだった。

 タッチを受けたサスケはバボにパンチ攻撃を見舞っていくが、すぐに体格差の中で劣勢に立たされる。ドロップキックで吹っ飛ばされたサスケ。しかし、バボのチョークスラムをアームドラッグで切り返すと、バボの首を捕まえて、自軍のコーナーに連行。そして、銀牙にタッチする。身軽な銀牙はバボの攻撃をことごとくかわすと、ロープに自爆させて、背中にサマーソルトキックをぶち込む。さらに、トップロープから体をスピンさせながらのアタック攻撃。しかし、ここで司令長官が救出に入る。司令長官とバボの2人がかりの攻撃に捕まった銀牙は、バボの変形バックブリーカーで背中を痛めつけられ、代わった司令長官からも背中にストンピング攻撃を食らってしまう。バボも背中に張り手攻撃を連発。倒れる銀牙を足蹴にして、勝ち誇って見せる。さらに、今度は司令長官がキャメルクラッチ。バボと司令長官の猛攻の前に銀牙も為す術なしだ。もはやグロッキー状態の銀牙を、バボはコーナーに叩き付けて、サスケを呼び込んだ。

 ならばと、登場したサスケだが、バボの逆水平を食らうと、マスクに手をかけられてしまう。それでも、パンチ攻撃で反撃に出たサスケはセカンドロープを利用しての背面エルボーアタックを食らわせる。そして、司令長官とバボを同士討ちさせると、今度は2人に対して、背面エルボーアタックだ。流れを掴んだサスケは、場外に出たバボに向かって、コーナーの最上段から鉄柱越えのミサイルキックを発射! そして、再び銀牙にタッチする。銀牙はリングで四つんばいになるバボを鞍馬に見立てて、一回転しながらセントーン! そして、トドメは噂の銀牙プレスだ。コーナー最上段に上った銀牙は、ムーンサルトからもう一捻り入れたプレスで、バボに対して背中から落下! これが見事に炸裂して、バボから3カウントを奪った。

 見事な勝利を飾った池谷銀牙。「疲れました!! でも、会場の皆さんやサスケ先生の前で勝つことができました! ありがとうございました!!」とファンに向けて一礼。サスケは「素晴らしい! さすが世界を制した男! 感動しましたよ!!」と絶賛するが、「でも、このままモンスター軍が引き下がるとは思えないんですよね……」と表情を曇らせる。
 しかし、池谷銀牙は「ご心配には及びません、サスケ先生! 僕はいつなんどき、どんなモンスターの挑戦でも受けます!」と約束。それどころか「ハッスルのリングに上がりたいと思っている体操選手はまだ他にもいます! だからよければ銀牙軍団を作ります!」と宣言。これにはサスケも思わず「入ります!」と挙手。続けて池谷は、「これからも応援宜しくお願いします!」と挨拶して、リングを後にした。会場からは盛大な拍手が送られたのであった。


第2ハッスル

5分57秒 逆片エビ固め

 モニターには、ジャイアント白田の控え室前に立つリポーターの姿が映し出される。リポーターがドアを開けると、入念にアップするKUSHIDAと\(^o^)/チエのとなりで、もくもくとお弁当を食べている白田の姿が……! 「なんと白田選手、試合直前にも関わらず、お弁当を平らげています!」とリポーター。さらに「表情をご覧ください。実に真剣です。ものすごいスピードで食べ進める白田選手。対戦相手を食い尽くしてやるという、試合への意気込みがうかがえます!」と白田の様子を伝えた。

 世間の大注目を集めた11・25『KYORAKU presents ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)で白田はハッスル参戦を電撃予告。誰もが、大食いを絡めた試合を予想していたが、白田本人はこれをバッサリと否定。プロレス対決を要求するとともに、なんと対戦相手にあの川田利明を指名してみせた。
 しかし、「プロレスラーをナメるのも大概にしろ!」と怒った川田は、この対戦要求に応じるどころか、「お前なんてただの食いしん坊じゃねえか! 俺だって若い頃、身体をでかくするために毎日死ぬほど食ってたんだ」と、逆に白田に大食い対決を突きつけた。この挑発を聞いた白田は「僕が勝った場合は、大晦日にプロレスで勝負させていただきますよ」と条件付きでこの勝負を受託した。
 迎えた12・25『KYORAKU presents ハッスル・ハウス 〜クリスマスSP 2007〜』(後楽園ホール)では、『喰えんのか!クリスマス2007』と題した2人の大食い対決を開催。大食いチャンピオンを相手に健闘を見せた川田だったが、一歩及ばず。川田は白田がタッグパートナーを連れてのハンディキャップマッチで、という条件付きで対戦に応じることとなった。

 そして白田が選んだパートナーは、KUSHIDAと\(^o^)/チエだ! 一騎打ちとはならなかったものの、川田とのプロレス対決に漕ぎ着けた白田。果たしてデビュー戦を勝利で飾り、川田とのシングル対決へつなぐことはできるのか? いよいよ究極の異種対決が始まる!!

閉じる まずは白田が、縞々の長袖のTシャツに、背中に「大食魂」と大きく書かれた白いツナギ、そして巨大スプーンを片手に、KUSHIDA&チエに先導されて、花道を歩いてくる。続いて、川田が堂々と入場してくると、すぐにゴング! いきなり白田と川田がリング上で対峙だ。

 長身の白田は川田を挑発するように、手四つを挑んでみせる。川田の手が届かないと、勝ち誇った表情を見せる白田。これに怒った川田は、白田の土手っ腹に蹴りを1発見舞うと、すぐに白田を押し倒し、両腕を手四つに極めて攻撃だ。このピンチにKUSHIDAとチエが救出に入るが、川田は容赦なく蹴散らしてしまう。

 そして、白田へはこれまた容赦ない逆水平チョップとストンピング攻撃! さらにリングの中央に白田を引きずり出すと、何でも平らげる白田の胃袋に踏み付け攻撃を見舞う。続けて、ボディシザーズで白田の腹を絞め上げる川田。悶絶の表情を浮かべる白田に、再びKUSHIDAとチエが救出に入る。しかし、川田のスピンキックに蹴散らされてしまったKUSHIDAとチエ。だが、白田もここで意地の反撃を見せる。突っ込んできた川田に、ロープに寄りかかりながら、なんと故ジャイアント馬場さんばりの16文キックをぶち込んで見せたのだ。これに川田は激怒。すぐにフロントキックでお返しをすると、ストレッチプラムで白田を絞め上げる。

 だが、白田はこれを噛み付き攻撃で切り抜けると、ケサ斬りチョップで反撃だ。そして、KUSHIDAとチエのアシストを得て、クロスボディアタックを見舞ってみせる。ようやく倒れた川田に、3人がかりで押さえ込み! しかし、川田はこれをカウント2でキックアウトすると、邪魔なチエを捕まえ、頭部を白田に向けて突進攻撃だ。さらに、白田が倒れている間に、再びチエを捕まえると、パワーボムで抱え上げる。そして、KUSHIDAに向かって、チエを投下! 強引な荒技で邪魔なKUSHIDA&チエをノックアウトした川田は、白田に土手っ腹に蹴りを叩き込むと、続けざまにスピンキックを側頭部に炸裂させる。

 そして、白田の長い足を捕まえて逆片エビ固めだ。白田は必死にロープエスケープしようとするが、川田も手を離さない。川田は、再びリング中央に白田を引きずり戻し、腰を落として、さらに絞め上げる。これでさすがの白田も万事休す。川田の逆片エビ固めの前にギブアップ負けを喫した。

 マイクを握った川田は、「おい! 分かったか? ハッスルのリングはなすごい大変なところなんだよ!」と白田に苦言を呈すが、続けて「でもな、お前なりに、真剣に取り組もうっていう気持ちだけは、しっかり受け取ったぞ」とフォローも忘れない。と思いきや、「だ・け・ど! 気持ちだけじゃどうにもならねえこともあるんだよ。俺だって気持ちだけじゃ歌えねえんだよ! そういうことだよ、バッドラックだ!」と追い討ちをかける川田であった。
 川田が立ち去り、ようやく立ち上がる白田。会場から温かい拍手が送られると、白田は深々と一礼。KUSHIDAとチエに支えられてリングをあとにした。


第1ハッスル

6分0秒 ケロロスプラッシュ

 「ペコポン(地球)侵略の一環」として高田モンスター軍に一方的に宣戦布告したケロロ軍曹。しかし、自信満々で臨んだ11・25『ハッスル・マニア2007』(横浜アリーナ)で、スコット・ノートンを相手に大敗を喫してしまう。だがその2週間後、再びハッスルのリングに立つことを決意したケロロ軍曹は、同じくケロロ小隊のギロロ伍長、タママ二等兵を引き連れて『ハッスル祭り』参戦会見を行なった。
 「前回の『ハッスル・マニア』のデビュー戦では、チビッ子たちの前で、まさかの不覚を取ってしまったわけでありますが、大晦日はもうあんなふうにはいかないでありますよ!」とケロロ軍曹。ギロロ伍長とタママ二等兵は、セコンドについて応援することを約束。

 これに対して、二度もケンカを売られた形となった高田モンスター軍は、ケロロ軍曹たちケロン人の天敵であるヘビ型モンスター・猛毒コブラ男爵を対戦相手として送り込むことを予告した。これにビビってたじろいだギロロ伍長とタママ二等兵は、ケロロ軍曹に参戦を強く反対。しかしケロロ軍曹は、「やってやるよぉ!! コブラ男爵との対戦受けてやるよぉ! 我輩は、前回の『ハッスル・マニア』で、チビッ子たちをガッカリさせたことを、今も悔やんでいるんでありますよ! 大晦日はきっちり勝って、我輩のカッチョイイ姿を、全国のチビッ子たちに見せてやるでありますよー!」と、今回の対戦を決意。

 新型戦闘用ペコポンスーツと仲間たちのバックアップを得たケロロ軍曹は、チビッ子たちを納得させる闘いを見せてくれるのか? ケロロ軍曹、リベンジに向けて再出撃であります!!

閉じる ケロロ軍曹のテーマ曲をバックに、「ゲーロゲロゲロゲロ、ゲロリンチョ!」と、陽気にケロロ軍曹が入場。後ろにはギロロ伍長、タママ二等兵も付いている。ケロロ軍曹は前回同様、花道の途中で立ち止まり、「いくでありますよ〜! 戦闘用ペコポン人スーツ装着!!」と早着替えだ。「どうでありますか〜!? 前回よりもパワー重視で開発した戦闘用スーツは! カッチョイイ?」と、ギロロ&タママにたずねるが、「軍曹さん。正直、微妙っすね〜……」とタママ二等兵。今回の戦闘用スーツは、前回よりも大型だが、微妙に太り気味だ。ギロロ伍長も「なんだその腹は! そんな体で動けるのか!?」と前回との変貌ぶりにビックリ。しかし、ケロロ軍曹は気にしない。「まあまあ、ごちゃごちゃ言う前に、試合を見てよ! スゲーんだって!」と自信満々に花道を再び歩き始めた。3人でテーマソングを歌いながらゆっくりとリングイン。タママ二等兵とギロロ伍長は、リングサイドへ。

 ケロロ軍曹たちがリングに上がると、不気味な音楽が鳴り響く。コブラ男爵の登場だ! タキシードにハットを被った紳士的な装いのコブラ男爵だが、顔はケロロ軍曹たちの天敵・蛇そのものだ。そして、コブラ男爵がリングに上がると、いよいよゴング! 前回の『ハッスル・マニア2007』で対戦したスコット・ノートンに比べれば、体格的には普通のコブラ男爵にケロロ軍曹は余裕の表情で立ち向かっていく。しかし、コブラ男爵の右腕を見せられて、いきなり仰天! なんと腕が蛇の口の形をしているではないか! 途端に怯え始めたケロロ軍曹は、コブラ男爵の前に防戦一方だ。

 しかし、コブラ男爵の串刺し式で見舞ってきたコブラクロー(?)を避けてコーナーに自爆させると、すかさず反撃開始。コブラ男爵にストンピングを食らわしていくケロロ軍曹は、続けてショルダータックルでコブラ男爵を吹っ飛ばしてみせた。さらにボディスラムを見舞ったケロロ軍曹は、コーナー最上段に上って、フロッグスプラッシュを狙う。しかし、コブラ男爵がここで蘇生。コーナーにいるケロロ軍曹を捕まえて、デッドリードライブでマットに叩き付けてみせた。そして、倒れたケロロ軍曹にコブラクローだ! これはなんとか耐えたケロロ軍曹だが、続けてチョークスラムで叩き付けられてしまう。しかし、ケロロはこの技もカウント2でキックアウト。ならばと、コブラ男爵はコブラツイストでギブアップを迫る。ケロロ軍曹の大ピンチだ! このピンチに、セコンドのギロロ伍長とタママ二等兵が会場に「ケロロ!」コールを促す。これに応えて、会場のチビッ子たちは一斉に「ケロロ!」コールだ。

 これでケロロ軍曹も奮起! コブラ男爵のコブラツイストを外すと、ギロロ伍長&タママ二等兵からもらった黄色い袋でコブラ男爵の蛇型の右腕を包んで封じる。そして、ラリアットを叩き込むと、トドメはトップロープからのフロッグスプラッシュ! これが見事に炸裂し、ケロロ軍曹が嬉しい初勝利を飾った。

 ケロロ軍曹は「チビッ子諸君! 見たでありますか!? コブラ男爵、見事倒したでありますよ〜! いやっふ〜! いやっふ〜!」と上機嫌。応援に駆けつけたチビッ子たちも満面の笑みでヒーローの勝利を喜ぶが、ギロロ伍長とタママ二等兵は、1人の手柄にするなとブーたれている。ケロロ軍曹は「あ〜、はいはい。ありがとうございます〜。とりあえずさ、これ脱いでいい? 実はかなり重たいんだよね」と花道を歩き始める。

 そしてケロロ軍曹は戦闘用ペコポン人スーツを脱ぎ、改めて勝利に酔いしれる。「うおりゃあ! 高田モンスター軍、見たか、コラー!! 我輩がちょっと本気を出せば、コブラだろうがエスペランサーだろうが、絶対に負けないんでありますよー!!」と浮かれ放題だ。さらにケロロ軍曹は、「まあ、高田総統も怒ってるかも知れないけど、そっちがど〜してもってお願いするなら、また闘ってやってもいいでありますよ〜! その代わり、手土産にガンプラ忘れんなよー!」と、高田総統を挑発してみせた。そして「ギロロ、タママ! 帰るであります!」と会場をあとにしたのだった。

 前回の大敗から一転、大勝をもぎ取り名誉挽回したケロロ軍曹。お茶の間のチビッ子たちも胸を撫で下ろしたことだろう。ケロロ軍曹の挑発を受けた高田総統は、リベンジに動くのか? ケロロ軍曹の今後の参戦が気になるところだ。


オープニング

 本日のオープニングは、なんと出場する全選手が顔を見せるという豪華な演出で幕を開けた。第1ハッスルのケロロ軍曹組と猛毒コブラ男爵以外の全員が登場し紹介を終えると、最後に高田総統が『威風堂々』のロックバージョンが鳴る中、花道に降臨。ファンからは、大きな「総統」コールが巻き起こる。高田総統が「ありがと!」と言っても鳴りやまないほどだ。

 高田総統は笑みを浮かべつつ、「時間がないんだよ!」とそれを遮って、「政治家の汚職! 年金問題! 食品偽装問題! 実に『偽り』に満ち溢れていた2007年の日本列島。しかし! 我がハッスルに偽装表示一切なしだ! 今日は、ここにいるハッスラーたちが、“本物”のスポーツエンターテインメントショーを披露する! ハッスラーよ、観客の諸君よ、そして日本国民よ! 今こそハッスルするのだ!!」と開幕を宣言! いよいよ、ハッスルファンが、世間が待ちに待った『大みそかハッスル祭り2007』が堂々の開幕だ!


オープニングムービー

 ハッスルファンで埋め尽くされた会場。モニターに『ハッスル祭り』発表記者会見での高田総統の姿が映し出される。「紅白歌合戦に代わる! 大晦日の新たな風物詩として! 育ててゆく強い気持ちで取り組むよ!」。

 「プロレスを再び大衆娯楽の王様に」。そんな王政復古の大号令の下、スタートした『ハッスル1』(2004年1月4日さいたまスーパーアリーナ)から丸4年。今日、ハッスルはいよいよ大衆娯楽復権へと向け、世間に討ち入りを開始する。ハッスルの支配者・高田総統率いる高田モンスター軍とハッスル軍の抗争に加えて、初参戦の大物芸能人や、まさかの超大物格闘家を加えた一夜限りのお祭り騒ぎ、『年忘れKYORAKUスペシャル 大みそかハッスル祭り2007』がいよいよ開幕!!


前説

 本日も12・25『ハッスル・ハウス 〜クリスマスSP2007〜』(後楽園ホール)のときと同様、前説が行なわれた。開演前の会場に『炎のファイター』が響き渡る。ハッスルでは常連となったアントキの猪木の登場だ!

 アントキのは「元気ですか〜ッ! 元気があればなんでもできる! 元気があれば、『大みそかハッスル祭り2007』の前説もできる。しかしハッスル、コノヤロウ。俺を前説で使うとは偉くなったもんだな。バカヤロウ!! ……怒鳴ったらスッキリしました」と挨拶だ。
 続けて「これから開演に先駆けて、とってもダー! いじな諸注意をするから、耳の穴かっぽじって聞けよ!」と注意事項の説明を始める。「まず、会場内の撮影は禁止だ。無許可でビデオ撮影している奴を見つけたら、俺が延髄食らわせてやるから覚悟しろ、コノヤロウ! ルールを守れ! 殺すぞ、コノヤロウ!!」と4年前の大晦日に行われた某イベントでのアントニオ猪木を思い起こさせるような脅迫じみた注意を促す。そして、「ハッスル軍の登場には拍手を、高田モンスター軍の登場にはブーイングを、高田総統には『総統』コールを忘れるな!」と説明し、練習を試みる。「はい。では、まずハッスル軍が登場したと仮定して……」と拍手を促す。会場からは大きな拍手が鳴り響いたがアントキのは納得せず。「情けをかけろ! やるなら殺すつもりでやれ!」と、額に血管を浮かべて熱く訴えかける。続けてブーイングも同様に練習。そして「総統」コールの練習へ。割れんばかりの「総統」コールを聞いたアントキのは、「そうとういいぞ、コノヤロウ!」とダジャレで賞賛した。