ファイトカード

高田総統劇場

高田総統以下、高田モンスター軍の面々がバルコニーに勢揃いすると、さっそくアン・ジョー司令長官&特命係長 島田工作員らが観客に「総統」コールを促す。ここで高田総統が、「お前たちのことが、とっ〜ても愛おしいよ! ありがと!」と観客に礼を述べると、「我こそが高田モンスター軍総統、そしてハッスルの偉大なる支配者、高田だ!」と自己紹介! すかさず、アン&島田らが「総統」コールを促すと、場内からは大「総統」コールが沸き起こる。

ここで、マグナムTOKYOに敗れた“モンスターK”川田利明が「総統、すいませんでした。今日の負けは全部俺の責任です!」と謝罪すると、高田総統は「お前の責任じゃないよ、モンスターK。この敗北の責任はな、トップであるこの私の責任だよ」と主張。続けて、高田総統は、マグナムに向かって「マグナムくんだったな。まぐれにしても、ここまで勝ち上がってくるとは、正直、意外だな」とニヤリ。すると、マグナムは「まぐれ? 俺から言わせりゃ、完璧に計算通りだよ。日本プロレス界壊滅を目論む高田モンスター軍? たいしたことねえな!」とバッサリ! さらにマグナムは、「俺はな、こんなちまちました抗争をとっとと終わらせて、早く新しいハッスルを作りたいんだよ。悪いけど、『ハッスル・エイド』でアンタには消えてもらうからよ!」と、高田総統を激しく挑発だ!

ここですかさず、アンが「おいおい、誰に向かって口を利いてんだ、あん? お前みたいなポッと出が、総統と闘うなんて10年早いんだよ!」と怒りをあらわにすると、「おい! 今からそっちに行って、その減らず口を叩けなくしてやろうか?」と、今すぐにでも飛び掛からんばかりの勢いで激しくエキサイトする。すると、高田総統は「まあ待て、司令長官」とアンを制すと、「ポッと出のあんちゃんだから、まだ世間を知らないんだよ」とニヤリ。続けて、高田総統は「ハッスルで抗争が始まって、5年か……。ずいぶん時間が経ってしまったな。だが、お前たちとは、次のエイドでおさらばだ!」と終焉を予告すると、マグナムは「おい、何を勝った気でいるんだ? あんまり俺をなめてるとな、後で痛い目に遭うぜ」とすかさず応戦。すると、高田総統は「そういう意味で言ってるんじゃないよ。ここ数ヶ月、私は何度も“アルマゲドン”と言い続けてきた。その本当の意味を教えてやる。これを見ろ!」と言うと、なんと場内ビジョンに映し出されたのは、

7・29『ハッスル・エイド2009』(両国国技館)
〜さよなら高田総統〜

という文字が!

これには、場内から一斉に「エーッ!?」という声が! さらに、同じ仲間であるはずのモンスター軍のメンバーが驚き、騒ぎ始めると、高田総統は「身内が一番うろたえてるじゃないか!」とチクリだ。

まさかの展開に、マグナムは「おい、これはどういう意味なんだよ!!」と高田総統に問い詰めるも、すかさず高田総統は「7月26日の『ハッスル・エイド』まで待て!」とピシャリ! そして、高田総統は「実は、この後楽園のバルコニーに立つのも、今日が最後だ!」と告げると、場内から「エーッ!?」という声が飛ぶなか、最後に「下々の諸君よ! 今まで、ありがと。バッドラックだ!!」と言い残し、戸惑うモンスター軍の面々を引き連れ、去って行ったのだった。

突然の出来事に事態を飲み込めないでいるハッスル軍。ここでTAJIRIが「アルマゲドンってこういうことだったの? なんで高田総統はさよならするんだろ? どういうことだろ、これは?」と首をかしげると、RGが「あーっ! やっぱりハッスルが終わっちゃうだ! どうしよう! どうやって生活したらいいんだろ?」と取り乱す。ここで再びTAJIRIが、「でも、終わっちゃうとか、最終回って言ったって、8月以降の日程も発表されているし、年間シートのチケットだって買ってる人がいるわけでしょ」とアピールすると、今度は越中が「別に高田がいなくなったってよ、俺たちだけでやってきゃいいじゃねえか! ただし、看板は変えるぞ! ハッスルじゃねえよ! 看板は“やってやるって!”だ!」と、やる気マンマンだ!

ところが、「“やってやるって!”って……ハッスルが終わったら、どうやって生活したらいいんですか? 天龍さん! 天龍さんのお寿司屋さんで僕を雇ってください!」とRGがひとりで慌てていると、ここで天龍がマイクでRGの頭をゴツン! 「バカ野郎、うちは新鮮な江戸前の寿司屋なんだよ、この野郎!」とRGを一喝だ!

すると、なんと花道からモンスターHGが登場し、リングイン! ここでRGが、「HG! 俺はいつでもお前が戻ってきてもいいように、青コーナーの下にこれをいつも置いていたんだ」とHGのコスチュームを両手に抱えると、「そんなマスクを捨てて、これを着けろ! お前にはこれが一番合ってる!!」とモンスターHGにサングラスと帽子を手渡すと、場内から大「HG」コールが沸き起こる! すると、モンスターHGは、HGコスチュームをついに装着! すると、「フォー! オ〜ケ〜、戻ってきましたよ〜! HG、完全復活で〜す!!」と、元の姿に戻ったことをアピールだ!

ところが、ここでマグナムが「ホントにお前は戻ってるのか? 俺はお前にずいぶんひどい目に遭わされたからよ」と疑問を投げかけると、天龍も「HG、この前の後楽園で、このコーナーポストで俺にキスをしたんだよ」と教えると、HGは「それが、まったく覚えてないんですよ」と記憶にないことをアピール! すると、RGが「HG、覚えてないの? 俺を血だるまにして、便器に頭を突っ込んで、アイスを塗りたくったでしょ!?」とアピールすると、HGは「それはハッキリ覚えてるよ!」とアッサリ認め、場内は大爆笑だ。

ここでHGは、「でも、断片的でしか記憶にないけど、どうしようもないほど悪いことをしたのはわかってます。ファンのみなさん、ハッスル軍のみなさん、ホントに迷惑かけてすみませんでした!」と謝罪すると、RGは、「良かった! HGが戻って来てくれて良かった! これでハッスルが終わっても、生活していけるわ!」と安堵の表情を浮かべると、場内からブーイングが飛び、すかさずHGが観客に「帰れ」コールを促す。

ところが、RGの「ハッスルが終わる」という意味がよく理解できていないHG。するとTAJIRIが高田総統の件を説明するも、HGは「一体、何が起きたんですか? 何がなんだか、さっぱり浦島……いや裏筋太郎ですよ!」と、どうやらまだ理解できてないようだが、HGは「みなさんに迷惑をおかけしたぶん、『ハッスル・エイド』までフル回転しますんで、応援よろしくお願いします!」とアピール!

するとここで、マグナムが「おい、お前、本当に元のHGに戻ったんだろうな? まだ納得してねえんだよな」と疑うも、「じゃあよ、今日は俺と一緒に、最後締めねえか?」と誘うと、HGは「えっ、いいんですか?」と戸惑いながらもこれに呼応。

最後に、マグナムは「まっ、何がなんだか状況がさっぱりわかんねえけどよ。次の桐生、福岡と全部勝ち続けて、『ハッスル・エイド』で新しい世界を創るからよ。それが、俺たちのアルマゲドンだ!」とアピールし、帰ってきたHG、ハッスル軍の面々、そして観客と一緒に「3、2、1、ハッスル! ハッスル!! フォー!!!」と、HGバージョンのハッスルポーズを決めて、締めくくったのだった。

メインハッスル

25分32秒 絶縁

マグナムの野望。

「俺はあんたを一目、見たときから、いつか男として、サシで勝負をしたいと思ってた。こんなチャンス、二度と巡ってこねえかもしれねえ。もし、あんたにその気があるなら、名乗りを挙げさせてもらうぜ」

高田総統との一騎打ち。

「ところで、マグナムとやらの、あんちゃんよ。草加、そして後楽園と、テキサス・ナポレオンズから2連勝するとは、意外と大したもんだな」

野望の前に立ちはだかる壁。

「おい、GUNMA! 次の後楽園、俺がお前と闘ってやるよ。モンスター軍のNO.2が直々に指名してやってんだ。光栄に思えよ。ポッと出のお前に、真のハッスラーの偉大さを嫌って言うほどわからせてやるよ」

マグナムの野望

「偉大なる高田総統が支配してるハッスル? お前ら、とっくに見飽きてんだろ? こんな戦争、とっとと終わらせてよ。もっと楽しい夢、一緒に見ようぜ! だったらよ、俺に乗っかれ」

MAGNUM GO!!


場内ビジョンにモンスター軍控室が映し出されると、そこにはマグナムTOKYOとの一騎討ちを前に、険しい表情で臨戦態勢を整えている“モンスターK”川田利明の姿が! この様子を見たREY大原は、アン・ジョー司令長官に向かって「司令長官、今までだったら、間違いなくダンスにはダンスで対抗するはずですよね?」と語りかけると、アンは「しかし、あれは踊る格好じゃありませんネ」と言って、「ヘイ、モンスターK!」と川田に呼びかける。

ここでアンは、川田に「マグナムのダンスに対抗して、ダンシングはしないんデスカ?」と尋ねると、大原も「そうですよ。今だったら、“ずぐだんずんぶんぐん”じゃないですか?」とこれに続く。すると川田は、「なんでキング・オブ・ハッスラーの俺が、わざわざ挑戦しなきゃいけないんだよ!」と踊ることを否定すると、アンは「でもユーは、奴のダンスにむかついているんじゃないんですか?」と再び問いかける。

これに対し、川田は「勘違いすんな。俺がむかついてんのは、奴がポッと出のくせして、総統に闘わせろとか抜かしてるからだよ」と答えると、「あの田舎もんに、ハッスルのしきたりってもんを教えてやるよ」と吐き捨て、出撃したのだった。

閉じるなんと今日のマグナムダンサーは南側の席から登場! 総勢6名で客席を通りながらリングに向かうと、マグナムを待ち受ける。そして、マグナムが登場すると会場は大爆発! 今日も大盛り上がりのマグナムダンスタイムとなった。続いて、川田が入場してきて、いよいよゴング。しかし、観客の「川田!」コールにへそを曲げたマグナムは帰るそぶりを見せてしまう。ここで「マグナム!」コールも発生。ようやくマグナムもリングに戻り、試合開始だ。まずはロックアップでロープに押し込んだマグナムが素早い動きで川田を翻弄しにかかる。しかし、冷静な川田はすぐさまフロントハイキックで迎撃だ。続いてグランドの攻防、手四つによる力比べを展開する両者。これが終わると、今度はお互いが得意とするキックによる攻防。ここは川田のローキックが勝って、マグナムをダウンさせた。一方のマグナムも胸板に張り手を叩き込み対抗していく。これに対して、川田はボディスラムからサッカーボールキック、そして強烈な逆水平チョップでお返しだ。ここから二人は意地になって、チョップ合戦を繰り広げる。業を煮やした川田はダンシングドールキックで流れを変えると、マグナムをコーナーに押し込みチョップを連打。さらにミドルキックの連打で痛めつけていく。しかし、マグナムはこの蹴り足をキャッチ! そして、ドラゴンスクリューで川田の右足を捻ってみせる。川田もすぐさま立ち上がり、フロントキックを放ったものの、マグナムは再びこの蹴り足を捕獲。ドラゴンスクリューで再度捻ると、低空ドロップキック、レッグロック、エルボー、ヒザ十字固めで川田の右足に集中攻撃だ。試合の流れは完全にマグナムが握っている。川田は右足へのダメージで立ち上がるのも困難なようだ。これを見たマグナムはコーナーの最上段からミサイルキックを発射。川田の右足をピンポイントで打ち抜いて、してやったりの表情だ。そして、抵抗する川田の足を捕らえて、足4の字固め! リング中央でガッチリ極まり、川田も苦悶の表情を浮かべる。なんとかロープに逃げようとしても、マグナムが無理矢理引き戻す。ならばと川田はいったん足4の字固めをひっくり返し、マグナムの足にもダメージを与えてから、ロープになんとか逃げおおせた。しかし、マグナムも攻撃の手を緩めない。マグナムはエプロンで倒れている川田の足にストンピングで集中攻撃を加えていく。だが、さすがはモンスターKだ。底力を発揮して立ち上がると、エルボーでマグナムに反撃していく。そして、マグナムの顔面を蹴り飛ばして、場外に転落させた。このエプロンサイドでの攻防で息を吹き返した川田は、マグナムを鉄柵に叩き付けると、ヒザ蹴りの連打。そして、続けて放ったのはなんと危険度マックスの場外でのパワーボムだ。さすがのマグナムもこの一発にはグロッキー。セコンドに付いていたRGが怒りの形相で川田に挑みかかるが、顔面を張り飛ばされた挙げ句、場外の硬い床にボディスラムで叩き付けられるハメになってしまった。RGを始末した川田はマグナムをリングに戻してカバー。だが、マグナムも意地でキックアウトする。ならばと川田はマグナムの首筋にニードロップを投下。それでもマグナムは肩を上げる。川田はロープ越しのブレーンバスター、ヒザ蹴り、サッカーボールキックを連発して、マグナムにトドメを刺しにかかる。そして、再びニードロップを投下! しかし、マグナムはこれを間一髪かわしてみせる。自爆した川田だが、そんなダメージを見せることなく、ステップキック、串刺しフロントハイキック、サッカーボールキックでマグナムを痛めつけ、必殺のストレッチプラムだ。マグナムのピンチに会場からは大「マグナム!」コールが発生。川田はマグナムがギブアップしないと見るや、すかさずカバーに入る。だが、マグナムはまだまだ沈まない。足下がフラフラになりながらもエルボーで反撃を試みる。そして、素早い動きでローリングソバット、延髄斬りを連続で決めてみせた。だが、川田はバックドロップ一発でマグナムの反撃を断ち切ると、起き上がり小坊師式のチョップだ。ここでマグナムは川田の腕を獲って、エレクト・スマッシュに切り返す。そして、すぐさま串刺し式ラリアット、フェースバスターを決めたマグナム。今度はコーナーに上がると、ミサイルキックの体勢だ。しかし、川田はこれをかわして、ラリアットをぶち込む。そして、パワーボムに捕らえて、マグナムを高々と抱え上げた。もはや万事休すか? だが、マグナムはこれを空中で脱出。川田のエルボーワンツーによる反撃もものともせずに、ジャンピングニーで川田の顔面をぶち抜いた。これで動きの止まった川田にマグナムは絶縁を発射! 最初の一発は返されたものの、改めて絶縁で川田の顔面をぶち抜き、大熱戦の末にマグナムが大金星をもぎ取った。

試合後、マイクを持ったマグナムは、「おい、みんな、俺は勝ったぞ! 高田総統、残るはあんただけだ!!」とアピールすると、場内に「見事な闘いぶりだったな」という声が! そして、『威風堂々』と共に、バルコニーから姿を現わしたのは高田総統だ!


セミハッスル

2分35秒 ダイビングゲドン

“アルマゲドンへの最終兵器”として高田総統が用意した謎のXがついに降臨!

高田総統の話では、ラストチャンスを求めてきたカウボーイ・ランス・ケイド&レネ・ボナパルトのテキサス・ナポレオンズに改造ビターンを施し“禁断のラストウェポン”となったのが、この二人のXと言われているが、はたしてどのように生まれ変わったのか!?

一方、迎え撃つハッスル軍は、5・27後楽園大会で川田との一騎討ちに敗れてしまったボノくんの復調が気になるところ。闘いの行方はいかに!?

第4ハッスル試合後、モンスター℃&パンチを下した天龍&越中が勝ち名乗りをあげているところで、花道から謎のマスクマン二人が現われて、天龍&越中を急襲! するとここで、天龍&越中の救出をするために、ボノくん&TAJIRIが登場! そのままセミハッスルのゴングが打ち鳴らされた!

閉じる乱入してきた謎のマスクマンの二人の名前は、アルマとゲドンであることが判明。黒いTシャツを着込んだ大柄の選手がアルマで、上半身裸の選手がゲドンであるようだ。恐らく高田総統が再三言っていた、「アルマゲドン」にちなんでいるのであろう。この二人の乱入を受けて、ハッスル軍のボノくん&TAJIRIもリングに駆け付ける。しかし、ラストウェポンと呼ばれるだけあって、なかなかに強力だ。特にアルマはTAJIRIのハンドスプリング式エルボーアタックにもびくともしない。ならばと登場したのがボノくん。凄まじいラッシュで二人組におそいかかると、ゲドンをコーナーに叩き付ける。ついでにアルマをも叩き付けて、まとめてコーナースプラッシュだ。ところが! こんなボノくんの超重量級の攻撃を食ってもアルマ&ゲドンの勢いは衰えない。二人の連続ラリアットでボノくんの動きを止めると、ゲドンがトラースキックを炸裂させる。続けてアルマがフロントキックをぶち込むと、今度はなんとボノくんの巨体をブレーンバスターで投げ飛ばしてみせた。そして、最後はゲドンがダイビングボディプレスを発射! 驚異的な強さでボノくんをマットに沈めた。

試合後、マイクを持ったフランソワーズは、「ハッスル軍のみなさん、いかがかしら? 高田総統の改造によって、新しく秘密兵器ができたの。今度の最終戦争で叩き潰されるのは、あなたたちハッスル軍よ。よ〜く覚えてらっしゃい!」と言い残すと、謎の大男たちと共に去って行ったのだった。


第4ハッスル

3分53秒 ダイビングヒップアタック

“C”ポーズのやりすぎによる肩の負傷から戦線を離れていた高田モンスター軍のザ・モンスター℃が、約5ヶ月ぶりに復活!

復帰戦では、欠場中に2代目を襲名したパンチ・ド・Cとタッグを結成するモンスター℃だが、「彼にはまだ迷いが感じられる。私の2代目であるからには、シーっかりしてもらわないと困る」とパンチにダメ出ししながらも、「ハッスル軍を倒すことが私のシー命(使命)。シーかし、迷えるパンチに私が本物の“C”、そして“Cの魂”を叩き込む!」と気合十分!

はたして、天龍&越中という強敵を相手に、初代&2代目のシー弟(師弟)コンビは、ハッスルに新たなる“C旋風”を巻き起こすことができるのか!?


ここで場内ビジョンに、モンスター軍控室が映し出されると、“C”ポーズの練習をしているパンチの姿が! するとそこに、モンスター℃が登場! モンスター℃は「シー、シーシーシー(おお、気合い入ってるなあ)」と練習熱心なパンチに感心すると、パンチは「シー! シーシーシー!(あ、先輩! 復帰戦おめでとうございます!)」とモンスター℃の復帰を祝う。

これに対し、モンスター℃は「シー! シーシー!(そんなことより、今やってた“C”、もう一度やってみろ!)」と命令すると、パンチは言われた通りに“C”ポーズを披露。ところが、モンスター℃は、「シーシー!(違う! もっとタメを利かせるんだ!)」とダメ出しすると、自ら“C”ポーズを手本としてパンチに見せる。

この二人のやり取りを見ていた特命係長 島田工作員のもとに、高田総統が登場! 高田総統は「なんだよ、さっきからシーシーうるさいな。何してんの、あいつら」と島田に尋ねると、島田は「なんか初代モンスター℃が、後輩のパンチ・ド・Cに“正しいC”のやり方を教えてるみたいですよ」と説明。すると、高田総統は「今日のあいつらの相手、天龍&越中だろ。強いじゃん。もっとさ、他にやることあるんじゃないの」とチクリだ!

そんなこともおかまいしなしに、黙々と“C”ポーズの練習をする二人。すると、モンスター℃は「シーシーシー!(小手先でやるんじゃない! 心でCを表現するんだ!!)」と、またしてもパンチにダメ出ししながら、「シー! シー!(お前のCには心が足りない。Cとは、ココロのCという意味もあるのだ!)」と力説。これには、パンチも「シー!? シーシー!(し……し〜らなかった……)」と頭を抱えながら驚きの表情を見せると、モンスター℃は「シーシー!(いいか、今日の試合では俺が“Cの魂”ってやつを見せてやる! し〜っかりと勉強するんだぞ!)」とパンチに気合注入!

これには高田総統も「ぶっちゃけ、どうでもいいわ」と呆れるしかなかったのだった。

閉じる今日が復帰戦となるモンスター℃。しばらくリングから離れていたものの、観客は「シー!」と大きな声援を送る。しかし、これに苛ついたのか、天龍はモンスター℃目がけてペットボトルをぶつける。それでもめげないモンスター℃とパンチは「シー!」とポーズを決めると、その勢いで天龍&越中に襲いかかった。そして、早速天龍を捕まえると、久々のCの字ストレッチを敢行だ。しかし、天龍からお返しの強烈な逆水平チョップを食らってしまった。それでも勢いが衰えないのがモンスター℃。続く越中を捕らえると、パンチの連打から「シー!」。さらにパンチとのダブルショルダータックルで越中を吹っ飛ばし、「シー!」だ。今度はパンチが越中をコブラツイストを極め、「シー!」のポーズ。しかし、モンスター℃よりも声援が少ない……。それでも勢いに乗るモンスター℃とパンチはローキックの連打で天龍&越中を痛めつけ、調子に乗ってCポーズを乱発だ。だが、天龍と越中のベテランコンビがこれで黙っているわけがなかった。越中のケツ爆弾、天龍の逆水平チョップがCコンビを襲う。越中がモンスター℃にヒップバットの連打を食らわせれば、天龍はパンチのコスチュームの胸をはだけさせて、チョップの連打だ。そして、最後はモンスター℃に越中がミサイルヒップを発射! この一発でモンスター℃を沈め、天龍&越中が貫禄の勝利を飾った。


試合後、モンスター℃&パンチを下した天龍&越中が勝ち名乗りをあげているところで、花道から謎のマスクマン二人が現われて、天龍&越中を急襲! するとここで、天龍&越中の救出をするために、ボノくん&TAJIRIが登場! そのままセミハッスルのゴングが打ち鳴らされた!


三沢光晴さん、テッド・タナベさん追悼

6月13日に逝去されたプロレスリング・ノアの三沢光晴さん、同月16日に逝去された大阪プロレスのレフェリー、テッド・タナベさんの追悼セレモニーが行なわれた。

場内に全選手が登場しリングを囲むと、志賀賢太郎、島田裕二がリング上へ。三沢さんの遺影は志賀が、テッドさんの遺影は島田がそれぞれ持つ。

そして、三沢さん、テッドさんの功績を偲び、哀悼の意を捧げながら、黙祷と共に10カウントゴングが打ち鳴らされた。


第3ハッスル

13分30秒 昇天ドロップ

かつての陽気なゲイキャラは何処へやら、傍若無人、極悪非道の限りを尽くす、モンスターHG。そのあまりの変貌ぶりに、ハッスル軍の誰もが彼を見放した。この男を除いて……。

『愛のHG奪還物語』

物語の主人公は、RG。HGの相方ということでハッスルに潜り混み、ちゃっかりハッスル軍の一員に。ただし、RGがリングで闘えるのも、すべてはHGのネームバリューのお陰。心強い相方がいたからこそ実現したのである。

そんな中、悲劇は突然起こった。なんとモンスター軍最高医局長・ドクター中松の手によって、HGはモンスターHGへと改造させられたのだ! 

「おい、HG! もうええ加減、目を覚ませや! お前は所詮、モンスターになりきれん男や! 相方の俺がようわかってる! こっちに戻って来い!!」

コンビ芸人にとって、恋人よりも大事な相方。RGは、幾度となくHGに問いかけた。しかし……。

「やかましいわっ! もうお前とは、マジでコンビ解散じゃ!!」

完全にモンスター色に染まってしまったHGの心。すると、失意のRGに奇跡が起こる。これまで勝利を知らなかった男が、勝ち星を連発! RGは、HGへのコンビ愛を自らのパワーへと変えたのだ。

そして迎えた、5・27後楽園大会。覚醒したRGが、ついにHGと激突! RGは、ここでも奇跡を起こし、大逆転勝利を飾った。そして、誰にも邪魔されない、1vs1のレイザーラモン対決がついに決定! 出会いは、大学時代の学生プロレス。コンビを結成して12年、辛いときも楽しいときも、その隣には常に相方がいた。RGは、迷惑をかけながらもずっと相方でいてくれたHGへの感謝を力に変え、この試合に挑む!

レイザーラモンの思い出を無駄にしないため! レイザーラモンの輝ける未来を築くため! 万感の思いを胸に、RG、いざリングへ!!

閉じるHGがリングに上がってくると、マイクを手にしたRG。手には何やら紙を持っている。「HG、何回も言ったけど、おまえに悪役は向いていない。もう一回、俺と一緒にやろう」とHGに語りかけるRG。ところが、「今日は俺の思いを手紙にしたためてきた。この手紙を読めば……」と言いかけたところで、HGがRGを襲撃! 相方に全く容赦のないHGは場外でスリーパー&噛み付き攻撃で先制だ。RGがブレーンバスターを切り返したバックを奪うと、急所蹴りを決めるなどやりたい放題。HGは攻撃の手を緩めない。噛み付き攻撃、ストンピング、串刺し式ラリアット、PWを次々と決めていく。だが、最後の一撃はRGにかわされ股間をコーナーに強打。これがさらにHGの怒りに火を点けた。HGはコーナーの金具を剥き出して、そこにRGの頭部を叩き付ける。続けて、顔面を張り飛ばしたHGは、RGをコーナーに逆さ吊りに。そして、RGの股間目がけて、カカト落としを投下だ。だが、RGも弱々しい攻撃ながらもHGに必死に食らいつく。だが、HGからはさらに強烈なビンタとハイキックをお返しされてしまった。そして、リング中央で逆エビ固めを極められたRG。もはや万事休すか? だが、RGは勝負を諦めない。HGに体を絞り上げられながらも、必死にロープブレイク目指して、這いずり回る。HGはわざとRGの体を離して、ストンピング攻撃だ。そして、RGが用意してきた手紙を足で踏みにじってしまった。これで怒ったRGはHGの張り手をものともせずに、HGの顔面を張り飛ばしていく。HGのロープを使ってのスタンガン攻撃、昇天ドロップといつ決まってもおかしくないような攻撃を受け続けても必死にキックアウトだ。この粘りに業を煮やしたHGは場外からイスを持ち出してきた。さすがにこれは野口レフェリーが阻止。しかし、その際に突き飛ばされた野口レフェリーは失神! 無法地帯となったリング上でHGは改めて、イスでRGの背中を強打した。さらにHGはイスの上に69ドライバーでRGを串刺しにする。それでもまだ痛めつけ足りないのか、HGはなぜかリング下にあったラダーを持ち出し、RGを痛めつけていく。HGはコーナーにラダーを立てかけると、そこにRGを据え付けて、イスとのサンドイッチ攻撃を試みる。しかし、ここはRGが間一髪回避! イスをフルスイングしたものの空振りとなってしまったHGはラダーに自爆! この隙にRGは用意していた手紙をパンツから取り出す。そして、場内が暗転し、両者にスポットライトが当たると、RGは手紙を読み出した。

「HG。4年前、いつもそばにいたお前がハードゲイでブレイクして、俺はひとり取り残された。表面上は、平気な顔をしとったけどな、心の中はずっと、嫉妬と不安でいっぱいやった。お前が人気者になって、俺は正直、お前とのコンビを本気で解散しようって思ってたんや。でも、それを思いとどまられてくれたのが、あの日やった。覚えてるか? 2年前、大阪で初めてタッグを組んだ日のこと」

するとここで、場内ビジョンに『ハッスル22』(2007.4.21/大阪府立体育会館)で行なわれ天龍源一郎&“モンスターK”川田利明vsHG&RGの試合映像が流れ出す。と、同時に苦しみ、もがき出すモンスターHG。そして、さらにRGは手紙を読み続ける……。

「忘れたとは言わせへんぞ。あのとき、控え室で泣きながら抱き合ったよな! 俺たちにとっては、M-1で優勝するよりも、こっちのほうが誇りや! お前と一番、一緒にいるのは、お前のかみさんでもない。この俺や! お前のことを一番わかってるのは俺や。俺はお前が好きや! お前も俺のことが好きやろ!! HG! 目を覚ませーっ!!」

再びライトの点いたリング上。HGが頭を抱えて苦しんでいる隙にコーナーに上がったRGは、HGの必殺技である昇天ドロップを発射! これが見事にHGに炸裂し、RGが奇跡の逆転勝利を飾った。


試合後、敗れたモンスターHGは気遣うRGの手を振り払い、頭を抱えながら退場。すると、RGがマイクを持ち、「みんな、ありがとう! 俺は、HGが戻って来るのを待ってますから! 信じてますから! RGは、HGを愛してまーす!」と改めて“相方LOVE”をアピールしたのだった。

ここで場内ビジョンに映し出されたのは、高田総統だ! 高田総統は「HGめ、ケツを巻いて逃げ出しおったな。どこまでいっても中途半端な男よ。まっ、あんな兵隊のひとりや二人消えたところで、我がモンスター軍の戦力には、なんら影響はないのだがな」とニヤリ。するとここで、フランソワーズが登場! フランソワーズは、「総統、テキサス・ナポレオンズへのパワーアップビターン、ありがとうございました」と礼を言うと、「本人たちも力を持て余していて、一刻も早く出撃したいと言ってますわ」と報告。

これを受け、高田総統は「ふっ、そうか……きたるべきアルマゲドンに向けて、我がモンスター軍が送り込む“禁断のラストウェポン”。いよいよその実力を公開するときが来たようだな。ハッスル軍よ、この後、リング上は阿鼻叫喚の地獄と化すことをここに宣言しておこう! それまで、せいぜい楽しみにしていたまえ!」と不気味な予告をし、消え去って行ったのだった。


第2ハッスル〜3WAYマッチ〜

5分38秒 決別逆十字

男は、迷っていた……高田モンスター軍、小路二等兵。彼は今、レスラーとしての岐路に立たされている。

事の発端は、5・4横浜大会でのこと。「パンチ・ド・C! 俺はお前の噛ませ犬じゃない! いつまでも……二等兵なんてやってられるか!」。次々と新たなモンスターが活躍する中、自分の扱いは、いつまでも二等兵のまま。完全に蚊帳の外に追いやられた現状に、疑問を抱き始めたのである。

しかし、小路にとってモンスター軍入りは、高田総統と古くからの友人である高田延彦氏の強い推薦で実現したもの。しかもその際、どんなに辛いことがあろうとも、乗り越えると誓っていたのだ……。

すると、そんな小路の心に、あの男が歩み寄った。「おい、小路! しんどいよ! 小路、あのな、お前、どう見たっていい人だろ! どうだ、俺と一緒にやるか?」。かつて、同じく自分を見失ったことのある坂田亘は、シングルで肌をあわせたことで小路の本性を感じ取ったのだ。

しかし、坂田と手を組むことは、明らかな“裏切り”。そこで高田総統は、揺れる小路に、ラストチャンスを与えることにした。今宵繰り広げられるのは、小路二等兵と坂田亘、そこにアン・ジョー司令長官を交えた、三つ巴の闘い。はたして、小路はこの一戦にどう挑むのか!? 坂田亘か、高田総統か? 小路二等兵の未来に、答えが出る!

閉じる小路、坂田、アンの順番で入場。選手が3人揃うと、「おい、小路、この状況が分かってんのか! おまえはあの高田延彦氏のコネでモンスター軍に入ったんだぞ! 高田氏の顔に泥を塗るなよ!」とアンのセコンドに付いてきた島田が小路を怒鳴りつける。ゴングが鳴ると、アンは小路に共に坂田を攻撃するように促す。これに怒った坂田がアンに襲いかかると、小路が坂田を迎撃だ。気合い満点で坂田に攻め込む小路。坂田もそれに応えるかのように強烈なチョップで切り返していく。だが、小路の勢いは止まらない。デスバレーボムで坂田をマットに串刺しにすると、フロントチョークで坂田を絞め上げる。と、その時! 島田が突如としてリング上に乱入! 竹刀でいきなり小路を滅多打ちだ。たまらず小路は場外に転落だ。ここでアンが放った「モンスター軍がおまえを許すと思うか!」という言葉が、造反行為を起こした小路に対する答えだった。場外で小路を待っていたのは島田、大原、黄鬼蜘蛛、青鬼蜘蛛のモンスター軍の面々によるリンチだ。その間、アンは小路に痛めつけられていた坂田を攻撃。キック、エルボーで坂田を追い込んでいく。しかし、遂に坂田の怒りが爆発。カウンターのボディブローでアンの動きを止めると、ニールキックでアンをダウンさせた。そして、リング下で痛めつけられている小路を救出。ここでリングに戻ってきた小路に、場内は大声援を送る。小路も怒りが爆発だ。アンの顔面を張り飛ばして、モンスター軍に完全に決別宣言。坂田と共にパンチを連打して、アンを追い込んでいく。そして、坂田のローリングソバットで土手っ腹を打ち抜かれたアンを払い腰で投げ飛ばした小路は腕ひしぎ! 見事にギブアップを奪い、3WAY戦に勝利した。

試合後、造反した小路に島田が怒りをあらわにすると、「おい、小路! 何が“最後の日本男児”だ、この裏切り者が! いいか、27日の桐生大会で目にものを見せてやるからな!」と制裁を予告すると、アン&モンスター軍の面々と共に退散。するとここで、マイクを持った坂田が、「小路! 最後の日本男児がいつまでもウジウジしてんじゃねえぞ! おい、お前、高田本部長に気を使ってんのか? どうしたいのか、ハッキリしろ!」と問い詰めると、小路は「俺は、ただ正々堂々と闘いたいだけなんだ! もう高田モンスター軍には戻らない!」とモンスター軍離脱を表明! さらに、小路は「高田統括本部長! もう俺は吹っ切れたよ! 俺は、二等兵なんかじゃない! 俺は……俺は……小路晃だ!!」とアピールし、坂田とガッチリ握手を交わしたのだった。


第1ハッスル

REY大原

KG×

12分10秒 ムイビエン

今、ハッスル軍イチ押しのスター候補生、KG。昨年秋のデビュー以来、強豪モンスターとの対戦を繰り返してきたKGは、技術面でも精神面でもひと回り大きく成長し、5・27後楽園大会では、“ケツおやじ”越中詩郎とのタッグながらも、高田モンスター軍のREY大原から勝利をあげたのだ。

すると、なんとKGは、REY大原が保持するNWAインターナショナルジュニアヘビー級王座への挑戦を要求! ちなみに、このベルトは、これまで藤波辰爾、チャボ・ゲレロら、そうそうたる歴代王者の腰に巻かれてきた。その伝統を誰よりも重んじているのが、現・タイトルホルダーのREY大原である。もちろん、キャリア1年にも満たないKGの対戦表明に対し、大原は「10年早い!」と真っ向拒否! その後、KGはイベントやサムライTVの番組を通じて、何度もタイトル挑戦を要求するも、当の王者は完全無視。最終的に、ノンタイトルマッチのシングル戦が行われることになったのだ。

デビュー以来、ただ目の前のことだけしか見えなかったKGが、初めて抱いたベルトへの欲。KGよ! 夢は最後まであきらめるな!!

閉じる今日も自分に酔いしれながら入場してきた大原。エプロンに上がると、KGにNWAインターナショナルジュニアヘビー級のベルトを見せびらかす。そして、背中を向けて、観客にアピールした瞬間、KGがドロップキックで奇襲! さらにKGはコーナー最上段に上って、場外に落ちた大原目がけてプランチャを発射だ。リングに戻ってきても、素早い動きで大原を翻弄するKG。真正面から綺麗なフォームのドロップキックを打ち込み、気勢は上がるばかりだ。勢いに乗るKGは大原をコーナーに追い詰めて、空手仕込みのキックを連打。さらに顔面にドロップキックをぶち込んでいく。しかし、さすがに百戦錬磨の大原。ストンピング一発で形勢を変えると、先程のお返しとばかりにKGをコーナーに追い詰め、ストンピングを連打だ。KGの顔面を蹴飛ばす大原に場内は大ブーイング。一方のKGには声援が集まる。この声援に応えて、KGも反撃開始。ラ・マヒストラルで大原を慌てさせると、再び串刺し式のキックの体勢に。しかし、大原は上手くKGの蹴り足をキャッチ。そのまま抱え上げると、ロープ目がけてKGを落下させる。続けてボディスラム、反則のチョーク攻撃を行った大原。KGをコーナーで逆さ吊りにすると、低空のドロップキックで顔面を打ち抜いてみせた。そして、強烈な逆水平チョップを放った大原は、勢いに任せて串刺し攻撃だ。ここはKGがフロントキックで迎撃したものの、続くウラカン・ラナは大原に踏ん張られて、逆に逆エビ固めに捕らえられてしまった。ここをなんとかロープブレイクで脱出したKGは得意の打撃で反撃を試みる。しかし、大原の余裕を崩せない。ボディシザーズで絞め上げられ、さらに風車式のバックブリーカーを食らって虫の息だ。だが、KGは勝負を諦めない。大原の風車式バックブリーカーを旋回式のDDTで切り返したKGは、上段回し蹴りで大原の側頭部を蹴り飛ばすと、アンプリティアー(変形のフェースバスター)で大原の顔面をマットに叩き付ける。さらにやや崩れがちながらも回転エビ固めを放ったKGは大原の体に旋回しながら絡み付いて、メキシカンストレッチを極める。だが、反撃もここまでだ。大原は強引にサイドバスターでKGを叩き付けると、変形のドライバーでマットに串刺し。最後は必殺のムイビエンを極めて、粘るKGからギブアップを奪った。


試合後、マイクを持った大原は、「KGさあ、よく頑張ったよね。だけどさ、その程度の実力ってことだよ。お前さ、その程度の実力でこのベルトに挑戦したいとか寝言を言ってんじゃねえよ。それにさ、この歴史的ベルトに、今まで女は挑戦したことがないんだよね。お前なんかに、挑戦させるわけねえじゃねえかよ!」と、改めてKGの挑戦を拒否。続けて、「もういい加減、うざいんだよ。でもな、デートの誘いくらいは受けてやるよ。じゃあ、そういうことで今日も、ムイビエ〜ン!」と憎まれ口を叩き去って行ったのだった。

これを受け、KGはマイクを持つと、「女の人がベルトに挑戦しちゃいけないなんて……初めて知りました」とショックで呆然としながらも、「でも、ベルトに挑戦っていう目標ができて、凄く闘うことが楽しくなってきました! これから、もっともっと練習して、強くなりますので、みなさん、これからもよろしくお願いします!」と、涙ながらに観客にアピール! 場内からKGに、温かい拍手&歓声が沸き起こったのだった。


オープニング・これがケツ論だって!

なんと今宵は、オープニングから全開バリバリでケツおやじが突っ走るって!

いつものケツおやじ部屋には、MCのキャラクターがいるだけで、越中の姿はない。ここで、MCのキャラは、「今夜はケツおやじがオープニングで歌っちゃうよ!」と、今宵のオープニングは越中が務めることを改めて明かされると、外堀通りの歩道橋にて緊張の面持ちでスタンバイする越中が映し出される。

そして、MCのキャラは、「ケツおやじコールをお願いします!」と観客を煽ると、場内からは「ケツおやじ」コールが沸き起こる。すると、場内に越中の入場テーマ曲が流れ、花道から姿を現わしたのは“ケツおやじ”越中だ!

越中はリングに上がると、「おい、みんな! 元気かー!! やってやるって!!」と観客に気合を入れつつ、「おい、元気がねえな! やってやるって!!」と煽りまくる。

するとここで、MCのキャラが「さあ、これからケツおやじが歌っちゃうぞ! では、張り切ってどうぞ!」という号令と共に場内に流れてきた曲は、氷川きよしの『きよしのズンドコ節』だ! ケツを振りながら、「ズン、ズンズン、ズンドコ、ケツおやじ!」とノリノリの越中。そして威勢良く歌い始めたところで、なんと場内が暗転し、ビジョンでは扉が閉まると共に“終”の文字が! これには、「おい! ふざけんな、この野郎! 歌わせろ、テメー!!」と怒りをあらわにする越中だったが、必死の訴えもむなしくそのままオープニングは終了となったのだった。


オープニングムービー

壊滅、洗脳、謀略、そして悪の限りを尽くす高田モンスター軍。そして、その侵攻を食い止めるべく立ち上がった正義、覇権奪回に燃えるハッスル軍。誇りを賭けた、はてしなき物語を紡ぎ出すファイティングオペラ、それがハッスルである。

先月、ハッスルの支配者・高田総統が予言した7・26『ハッスル・エイド2009』(両国国技館)のアルマゲドン。一般的にアルマゲドンとは、世界の最終的、破滅的な戦争の例えに用いられる言葉である。まさに今、ハッスルのリング上では、ハッスル軍とモンスター軍の生き残りをかけた壮絶な最終決戦が始まろうとしている……。

今夜は、ハッスル軍の新エース・マグナムTOKYOが、高田総統との直接対決を賭け、“モンスターK”川田利明と一世一代の大勝負に挑戦! ちなみに、5・27後楽園大会では、同じく高田総統に対戦要求していたハッスル軍のキャプテン、ボノくんを川田が一蹴し、ハッスルを“CHANGE”させると燃えていたボノくんの野望を粉々に打ち砕いている。

注目の初対決。勝つのは、勢いに乗るマグナムか!? それとも、ボノくんに続き、川田がマグナムの野望を打ち砕くのか!?

さらに、7・5福岡大会では、ハッスル軍とモンスター軍のシングル5vs5勝ち抜き戦、題して『ハッスル・アルマゲドン・サバイバー』が決定! 先鋒戦で天龍vs川田が実現するなど、両軍共に最終戦争へ向け、ベストメンバーを揃えた。今日、そして福岡の結果次第では、7・26『ハッスル・エイド2009』(両国国技館)を前に両軍の抗争に終止符が討たれる可能性も……。

今宵、アルマゲドンの真の意味が明かされる? 5年半に渡り繰り広げられてきた、ファイティングオペラの行方やいかに!?

運命の『ハッスル・エイド2009』まで……あと31日。


前説

「みなさん、ハッスルしてますか〜!」。恒例の前説を務めるのは、ハッスル中継の実況でおなじみの高橋大輔アナウンサーと、ハッスルPRレディの楢原ゆりかチャンだ!

ハッスルのラジオ番組『夜ナ夜ナハッスル』(ラジオ関西、毎週金曜深夜0時より放送)のパーソナリティも務めている“夜ナハス”チームの二人は、さっそくハッスルの正しい観戦方法を観客にレクチャー! 「ハッスル軍の選手が登場したとき、また、選手が素晴らしいパフォーマンスをしたときには大きな拍手を! 高田モンスター軍の特命係長 島田工作員が卑劣な行為をしたときは、大きなブーイングをお願いします!」と、拍手&ブーイングの実践練習から始まり、続いては、越中詩郎の「ケツおやじ」コール、そして高田総統の「総統」コールを高橋アナ&ゆりかチャンが観客を煽りながら応援指導だ。

そして最後に、高橋アナウンサーが会場でのマナーを観客に説明して前説を締めくくったのだった。