ファイトカード

川田総統劇場

場内から大「総統」コールが沸き起こる中、HGが観客の「総統」コールを制すと、川田総統に向かって「セイセイセイ! なんで、あなたが出てきてるんですか! とっとと帰ってください! ハッスル軍の主催興行ですよ!!」と門前払いだ!

ところが、川田総統は「うるさいよ!」とすかさずHGを一喝すると、「俺はな、そこのGUNMAに用があるんだよ!」とマグナムに口撃の標的を定めると、「おい、GUNMA! 高田総統から後継者って言われて、ちょっと調子こいてるらしいな」とニヤリだ!

これに対して、マグナムは「誰が調子に乗ってるって? 俺はな、そんな気になんかなってねえよ。自分の足元が見えてるよ。っていうか、ここに来て3ヶ月でそんな大役任されて、正直戸惑ってんだよ」と否定すると、川田は「お前みたいなポッと出の奴に、ハッスルを背負っていけるわけがねえだろ! 誰がなんと言おうと、私が後継者だよ!」と力強く主張!

しかし、マグナムは「あんたさ、いつまでそんなことやってんの? もう、誰も周りにいないし」と痛いところを突くと、川田総統に向かって「高田総統は、自分にできることはやり尽くしたって言ってただろ。そうやってな、いつまでも過去を引きずってると、また船に乗り損ねるぞ」とチクリだ!

痛いところを突かれた川田総統は、「おい、過去を引きずることが何が悪いんだよ!」と逆ギレすると、「でも、よく聞け! 守るべきものを頑として守っていけば、伝統が生まれるじゃん。そして、王道という道が拓かれて行くんだよ!」と自身の経験を踏まえているのか、なかなか説得力のある主張を展開! さらに、川田総統は「どうせ、お前なんか、はぐれもんだから、すぐに飽きて投げ出すんだろ」と勝手に決めつけると、「もし、新しい世界を創りたいなら、この私をもう一度倒してからにしろ」と、マグナムに再戦要求だ!

これを受け、マグナムは「俺は別にかまわねえけどさ。でも、そんなの今やっても意味ないんじゃねえの?」と疑問を投げかけると、川田総統は「俺にはな、お前に勝つ理由があるんだよ!」と反論。さらに、川田総統は「それはな、高田総統の敵討ちと、あのキングRIKIとかいう奴……。あいつに落とし前をつけねえと、俺は消えるわけにはいかねえんだよ!」と力説。これには場内の観客からも拍手が飛ぶ!

しかし、マグナムは「だから、そういうのにはもう聞き飽きたんだよ! 高田総統はもういないんだよ!!」と川田総統に現実を突き付けると、川田総統は「確かに、そうだけど……」としばらく沈黙し、何かを考えながら帽子とサングラスを外し、“モンスターK”川田利明の姿に! そして、川田は「現実を受け入れるには、それなりに時間がかかるんだよ。だから、俺は俺なりに、少しはハッスルっていうものを考えてみるよ」と語ると、「でもな、これだけは最後に、この一言を一回だけでいいから言わせてくれ!」と言うと、「バッドラック!」と、先に観客から声が飛ぶ! すると、川田は「先に言われたら、俺はこの後どうするんだよ!」と困惑しつつも、「そこのグッズ売り場で待ってろよ! バッドラックだ!」と観客に言い残し、去って行った。

川田が去り、リング上に残されたハッスル軍。ここでTAJIRIが、「あの……僕たちハッスル軍の存在意義っていうのは、高田総統を倒すということでしたよね?」とハッスル軍の面々に改めて確認すると、RGから「そうですよ! 何を当たり前のことを言ってるんですか!」とツッコミが入る。すると、TAJIRIは「いや、高田総統がいなくなった今、僕たちの存在意義ってなんなのかなと思って。キングRIKIだって、秋に来るとか言ってましたけど、そんなものは本当に来るかどうかわかんないし」と、疑問を投げかける。

これに対して、マグナムは「まあ、TAJIRIさんの言ってることはよくわかる。目的を達成した以上、こうやってつるんでること自体、意味もねえからな」と語り出すと、「この2、3日、いろいろ考えてみたんだけど、モンスター軍も解散したことだし、俺たちも先を見つめて、解散したほうがいいんじゃねえかなと思うんだよ。それが俺の正直な想いです」と、なんとハッスル軍解散を提案!

マグナムの口から飛び出したまさかの仰天発言に戸惑うRGは、「ちょ、ちょっと! せっかくハッスル軍が天下を取ったんですよ! 解散? 僕の生活はどうなるんですか?」と反論すると、マグナムは「俺だって先のこと考えたら、不安だらけだよ。でもな、こうしてなんの目的もなく、ただ漠然とやってるだけじゃ、ジリ貧になって、先が見えてるだろ」と、あまりにもシビアな意見をぶちかます。

するとここで、足の痛みに耐えながらHGがマイクを握ると、「みなさん、見ての通り、足はいっちゃうし、こんな大事な時期にこんなケガをして、ホント、自分が情けないです。ケガをまず治すことと、自分を見つめ直すために、しばらくハッスルを離れて、旅立ちます」と、まさかの休養宣言! これに一番驚いた表情を見せた相方・RGは、「ちょっと待ってくれよ、お前! どうすんねん!!」と怒り心頭だ!

ここで、今度は越中詩郎がマイクを持つと、「おい! ハッスル軍が解散するんだったら、俺がいっちょ軍団でも興して、旗揚げでもするか、おい! 名前はな……“やってやるって!サムライケツ盟軍”だ!」と、さっそく新軍団結成を表明! すると、ここぞとばかりにRGが「越中さん! とりあえず、そこに入れてください」と軍団入りを直訴だ!

マグナムのハッスル軍解散宣言から慌ただしい動きを見せる中、今度はTAJIRIが「ボクも3年半、ハッスルにいたし、そろそろ離れてみようかなと思ってですね。他団体に上がるのもいいし、また海外のほうにも行きたいな」と、なんと他団体&海外出撃を表明! これには、「そんな! TAJIRIさんまでどこかに行っちゃったら、私はどうすればいいんですか!?」と不安になるKGだが、ここでRGが「KG、サムライケツ盟軍にとりあえず入れよ!」と勧誘。すかさず、越中が「とりあえずってどういうことだ、この野郎!」とツッコミを入れる。

すると、これまでの一部始終を黙って見ていた天龍源一郎が、「KG、俺も昔、若い頃は、ひとりでアメリカじゅうをサーキットしたもんだ。そのときは不安で、不安でどうしようもなかったよ。でも、そのときに必ず3年経ったら戻って来ると思っていたのが心の支えになって、その経験が今でも貴重な財産になってる。だから、お前も、悩んで、悩んで、そして掴んだものが本当の心だよ!」とKGに温かいアドバイスを贈ると、マグナムも「今が一番大事な時期なんだろ? これからの毎日をどうするんだよ! また集まるときがきたら、みんなで集まればいいじゃねえか! 俺にとって、ハッスル軍のみんなは、大事な戦友だよ」と、これに続く。

ようやく落ち着きを取り戻したKGを見たマグナムは、「よし! じゃあ、この瞬間を持って、ハッスル軍……解散します!!」と、改めて解散宣言! するとマグナムは、「高田総統は俺のことを後継者に指名してくれたけどさ。高田総統の魂を受け継ぎたい奴がいれば、ハッスル軍だろうが、モンスター軍だろうが、やりたい奴が一緒になってやってくれればいいんだよ」と考えを披露すると、「おい、レネ! お前も自己主張しろよ!!」と、モンスター軍を離脱したレネ・ボナパルト改め、レネ・デュプリーを呼び寄せる。

マグナムの問いかけに、姿を現わしたレネはマイクを持つと「ニッポン・ダイスキ! ハッスル・ダイスキ!!」と力強く主張! これには、場内からも大きな拍手が沸き起こる。

そして、レネとガッチリ握手を交わしたマグナムは、最後に「みなさんにもハッスルへの心があると思いますけど、新しくまた始めようと思うから、一度はゼロにする必要があると思うんです! でも、その中でいろんなものが出てきてウザいけど、俺たちは思い通りにはさせない! だから、これからもっともっと進歩していくために、俺たちはハッスルしていきます! みなさんも、“俺がハッスルだ!”“私がハッスルだ!”、そういう気持ちを持って、ちっちゃなところから積み重ねていけば、最後に大きな夢が叶えられると思います! これからのハッスルを応援してください! よし! これからもハッスルするぞー!!」とアピールすると、観客と一緒にハッスルポーズを決めて、締めくくったのだった。

メインハッスル

TAJIRI

HG×

16分25秒 体固め

ハッスル軍の実力者同士が、ついに初顔合わせ!

新日本プロレスの夏の本場所『G1クライマックス』への参戦が決定したTAJIRIが、“ハードゲイ”HGと激突!

以外ではあるが、実は、これまでタッグマッチでも対戦経験がなく、初顔合わせとなる両者。かつて学生プロレス時代に、棚橋弘至(新日本プロレス)とライバル関係にあったHGを“仮想・棚橋”に見立てて意気込むTAJIRIに対し、HGがどういった勝負を挑むのか!?

閉じるHGが入場したあと、TAJIRIは南側の席から登場。TAJIRIがリングに上がると、HGはマイクを持って、「TAJIRIさん、G1クライマックス出場、聞きました。TAJIRIさんも知ってのとおり、私と棚橋選手は学生プロレス時代、共に闘った仲です。今日は仮想棚橋。そのつもりで私をガンガンしちゃってください」とアピール。そして、いよいよ試合開始。まずはグラウンドの攻防を展開する両者。続いては手四つの攻防だ。TAJIRIはHGの押しに対してブリッジでこらえると、そのまま押し返し、巧みに腕を取ってHGをコントロールしてみせた。さらにヘッドシザースでHGを捕らえたTAJIRI。しつこくHGの頭を締め上げ、コーナーに戻るとスクワットとプッシュアップを披露して、余裕をみせた。さらにハンドスプリング式エルボーアタックを炸裂させたTAJIRI。完全にHGを手玉にとっている。だが、HGもヘッドロックでTAJIRIを捕獲。嫌らしく腰を振りながらTAJIRIを締め上げる。さらにアームドラッグを決めたHGはコーナーにTAJIRIを詰めて、PWを連打だ。だが、TAJIRIは巧みにHGを場外に誘うと、ロープをまたいだところでHGを捕獲。ロープを使ったストレッチ技でHGを痛めつける。さらに場外に倒れたHGをトペ・コンヒーロで追い打ちだ。場外戦でもTAJIRIはHGを圧倒。鉄柵にHGを叩き付けてから、なんと客席に向かってブレーンバスターだ。そして、HGをリングに戻すと、エプロンから走り込んでロープを越え、セカンドロープを足場にしたムーンサルトプレスを発射! さらにバックドロップ、両腕をクロスしてのネックブリーカー、スリーパーホールドと全く攻撃の手を緩めない。ロープに激突させて蹴りを食らわせれば、今度はしつこくフォールしてHGのスタミナを奪いにかかる。HGもダイビングボディプレスで反撃したが、TAJIRIはすぐに立ち上がり強烈なハイキック! ガクンとダウンしたHG。これで万事休すかと思われたが、HGも粘ってキックアウトだ。ならばとTAJIRIはネックロックから、首筋に対してのエルボー、さらにHGの上半身をはだけさせて逆水平チョップをぶち込んでいく。だが、TAJIRIの厳しい攻めにHGも屈しない。この日、2発目となったTAJIRIのハンドスプリング式エルボーアタックをドロップキックで撃墜すると、場外に転落したTAJIRI目がけてコーナーの最上段からダイブ! ようやく反撃の糸口を掴みかけたが、HGの気力もここまでだった。リングに戻るとバズソーキックでお返しされたHG。一度は肩を上げたものの、2発目を食らって今度こそ万事休す。TAJIRIに踏みつけられながら、遂に3カウントを聞いたのだった。


試合後、マイクを持ったHGは「TAJIRIさん、強いです。完敗です。この勢いで、G1、われわれの代表として、必ず優勝してきてください!!」とエールを贈ると、これを受けて、TAJIRIは「ありがとうございます! G1で優勝できるかどうかわかんない……と、いちおう言っておくけど、みなさん応援よろしくお願いします」と健闘を約束。するとここで、場内に「仲良しごっこは、そのくらいにしたまえ!」という声が鳴り響き、『威風堂々』と共にバルコニーから現われたのは、川田総統だ!


セミハッスル

10分49秒 エビ固め

エイドでも抜群のチームワークを披露した“ケツおやじ”越中詩郎と、“空手美少女”KGの“ケツコンビ”が、これまで数々の名勝負を繰り広げてきた天龍源一郎&RGのWARGと激突!

それぞれが己のチームに自信を持って臨むこの闘い。はたして、ケツが勝つのか、それともレボリューションが勝つのか、異色タッグ対決に乞うご期待!

閉じるなぜか場内に鳴り響くのはマグナムのテーマ曲。マグナムダンサーも4人、リングに登場だ。今日はマグナムは欠場のはずだが……。と、出てきたのはなんとRG! マグナム気取りでマグナムダンスを踊っているではないか! 調子に乗ったRGは下のパンツを脱いで、なんと赤ふんどし姿に。そして、場内の大ブーイングをどこ吹く風とマグナムダンスを踊りきってしまったのだった。しかし、ダンスが終わるとあまりにも醜いRGの姿に女性ダンサーたちがドン引き。RGを汚いものでも見るかのような目つきで一目散にリングから逃げ去った。ダンサーたちがいなくなったあとも踊り続けるRG。そのときパートナーの天龍が背後から現れて、RGに激しいツッコミを入れたのだった。続いて越中&KGがリングに上がり、ようやく試合開始。天龍を押さえて、無理矢理先発を買って出たRGだったが、越中のストンピングをしたたかに食らう。さらにアトミックドロップで大きく吹っ飛び、パンチをしこたま食らって、ようやく天龍とタッチした。天龍がチョップとグーパンチで攻め込めば、越中もヒップアタックで対抗。さらにヒップバットを小刻みに叩き込んでいく。ならばと天龍も逆水平チョップとグーパンチのコンビネーションで対抗。さらにブレーンバスターで越中をマットに叩き付けた。越中もヒップアタックでお返しをしてから、KGとタッチだ。KGは得意の空手仕込みの蹴りで天龍を襲撃。座っている天龍めがけてキックを連打だ。しかし、天龍はこのキックの嵐を腕でガードすると、女の急所である胸に逆水平チョップで一撃! さらに髪の毛を掴んでマットやコーナーに叩き付ける。続いてKGのおなかを思いっきり踏みつけてから、髪の毛を掴んでコーナーで顔面を殴打。逆水平チョップ、踏みつけ攻撃などのえげつない攻撃がKGを襲う。場内からはKGに対して、大声援が贈られる。しかし、天龍はこの「KG!」コールでリズムをとる余裕の態度。ロープを絡めてフルネルソンで絞め上げ、さらに拷問式のコブラツイストだ。そして、恐怖のサッカーボールキックがKGの顔面を襲う。KGがたっぷりと痛めつけられたところで、調子に乗ったRGが登場。嫌らしい表情でKGに舌を出して迫り、顔面を踏み付ける。場内は大ブーイングだ。そして、「すいま〜、すいま〜、すいまセントーン」を発射! しかし、KGは間一髪これを避けると、水面蹴りをRGに食らわす。そして、なんとコーナーで水を飲んでいる天龍にも飛び蹴りをお見舞いだ。これで怒った天龍は救出に来た越中をキャメルクラッチで捕獲する。そこにRGがパンツを脱いで生肛門スターの体勢をとった。ところが、ここでKGがRGの汚いケツに強烈な蹴り! さらにKGは天龍に対しても蹴りを見舞い、越中の窮地を救った。こうなるとケツコンビのペースだ。懲りずにKGの胸を揉みしだきにきたRGを越中が蹴散らす。そして、越中がおもむろに袴を脱いで、白いふんどし姿になるではないか! これには場外にいた天龍もあきれ顔。しかし、越中は構わずふんどしによるヒップアタックをRGにぶちかます。最後はRGとKGが丸め込み合戦。だが、KGの股間に顔を埋めることに集中しすぎたRGがそのまま3カウントを奪われ、ケツコンビが勝利を飾った。


試合後、マイクを持った越中は「おい、RG! 今日はひとつだけいいこと教えてやろうか? 俺はケツを見るとな、そいつの人生が占えるんだよ!」と、なんと“ケツ占い”ができることを明かすと、「お前のケツは、うだつのあがんねえ最悪なケツだ!」とバッサリ! さらに越中は、KG! お前はいいケツになってきたよ!」とニンマリ。これにはKGも大喜びだ!

するとRGが、「KG! ちょっと、どういうケツをしてるのか見せてみろよ!」と言いながら、セクハラ攻撃を仕掛けようとすると、すかさず天龍がマイクでRGの頭をゴツンだ! 続けざまに天龍は「おい、どうしようもねえ奴だな、お前。せっかく、シンとブッチャーに勝って、みんなに夢を与えたのに全部チャラだよ、バカ野郎!」とRGに雷を落とすと、KGも「RGさん、もっとしっかりしてください」とピシャリ! ダメ出しの嵐に、ションボリぎみのRGは「どうも、すいませんでした」と蚊の鳴くような声で謝ると、肩を落としたまま退場したのだった。


ハッスル軍主催興行オープニングムービー

7・26『ハッスル・エイド2009』(両国国技館)で、高田モンスター軍を粉砕! 名実ともにハッスルの覇者として君臨したハッスル軍!!

今宵はこれより、そんなハッスル軍の祝勝記念興行が開催される!

まずは、“ケツオヤジ”こと越中詩郎と、越中に最近気に入られ“ケツガール”への改名も迫られているKGのケツコンビが、これまで数々の名勝負を生み出してきた天龍源一郎&RGのWARGと激突!

そして、もうひとつはハッスル軍の実力者対決、TAJIRIvsHGだ!

ちなみに最大の殊勲者マグナムTOKYOは、さすがにエスペランサー・ザ・ゴッドとの対決の傷が癒えず、本日は残念ながら欠場に……。

純正100%、交じりっ気なし!
ハッスル軍のハッスル軍によるハッスル軍のためのプレミア同門対決、これより開幕!!


第2ハッスル

5分18秒 両者反則

日本プロレス史上最凶最悪コンビが、今宵、電撃対決!

ことの発端は先日の7・26『ハッスル・エイド2009』(両国国技館)。
長きにわたりライバル関係にあった二人は、ハッスル軍のレイザーラモンを血祭りに上げるべく共闘。約20年ぶりにタッグを結成した。しかし……。

まさかの敗北……さらに!

度重なる同士討ちからの仲間割れで、結局、試合時間のほとんどを場外で費やした両者。今宵はそんな二人が、エイドの因縁を晴らすべく直接対決だ!

観客のみなさん! 言うまでもありませんが、十分お気をつけください!!

閉じる最初に入場してきたのはブッチャー。しかし、ブッチャーがコーナーに所にいくと、いきなり入場曲が変わる。今度はシンの入場だ。シンはいつも通り客席を荒らしながら会場に姿を現すと、イスを片手にリングサイドにいたブッチャーを襲撃! まずはブッチャーに対してシンが機先を制した。ブッチャーは早くも額から流血だ。しかし、ブッチャーもシンを押し返すと、すかさず地獄突き! ならばとシンはチョーク攻撃だ。二人とも全くリングに上がる気配を見せずに場外でもみ合っている。そうこうしている間にブッチャーがフォークを取り出した。さすがに危険と野口レフェリーが二人の間に割って入って、止めようとする。しかし、ブッチャーはシンに地獄突きを食らわしてから、ついでとばかりに野口レフェリーの脳天にフォークを串刺し! 哀れ野口レフェリーはとんだとばっちりを食って、大流血させられるはめとなってしまった。しかし、さすがは野口レフェリー。こんなことでレフェリングを投げ出すような無責任な男ではない。必死にシンとブッチャーを取り押さえ、リングに戻そうとする。だが、これしきのことで二人のレジェンドが暴れることをやめるわけがない。ブッチャーは今度はどこからか袋を取り出した。中にはホワイトパウダーが仕込んである袋だ。これをシン目がけて投げつけたブッチャー。しかし、これが野口レフェリーに誤爆! 顔面が真っ白になってしまった野口レフェリーは遂に試合終了のゴングを鳴らし、ノーコンテストを告げたのだった。その後も暴れ回るブッチャーとシン。シンはひとしきり暴れ回ると、ようやくREY大原に連れられて会場をあとにした。残ったブッチャーは会場のファンから「ブ〜ッチャー! ブ〜ッチャー!」コールを聞いて満足げ。カメラマンの首を絞めたりしながらご機嫌で退場した。と、ブッチャーが去るとまたもやシンがモップを片手に登場! 東側の席を荒し回り、再び姿を消したのだった……。


第1ハッスル

レネ・デュプリー

アルマ×

4分35秒 ダイビングゲドン

ゲドンのマスクを脱ぎ捨て、元の姿に戻った“地獄のナポレオン”レネ・ボナパルトは、なんと川田総統からの栃木観光の誘いを断り、モンスター軍離脱を表明! 

しかし、これに怒ったモンスター軍海外エージェントのフランソワーズが、契約を盾に勝手に離脱することはできないと主張すると、裏切り者のレネに下した決断は、これまでタッグを組んできたパートナー、アルマとの制裁マッチだ!

急遽決定となった、元パートナー同士による対決。はたして、この闘いの行方は!?

閉じるフランソワーズの「やっておしまいなさい!」という声が合図となって、アルマがレネを急襲! 急遽、アルマとレネのシングルマッチの開始だ。いつの間にか野口レフェリーもリングに上がっている。レネを場外に連れ出したアルマは、客席に投げ入れ徹底的にいたぶった。リングに戻っても劣勢のレネに観客席から声援が飛ぶ。この声援に応えて、レネはチョップとパンチでアルマに反撃開始。だが、巨体のアルマはレネの攻撃にびくともしない。アルゼンチンバックブリーカーのように持ち上げて、レネが脱出すればカウンターのパワースラム。さらにネックハンギングツリーからマットにしたたかに叩き付けた。しかし、レネはアルマのパイルドライバーをリバーススープレックスで切り返して、再び反撃。パンチ攻撃で痛めつけてから、スタナーを見舞ってアルマをダウンに追い込む。そして、トップロープに上ったレネ。アルマはこれを追いかけ、ロープに衝撃を加えてレネのバランスを崩す。レネはコーナーに股間を強打して、ダメージを負った。だが、今日のレネは粘り強い。追いかけてきたアルマをコーナーから叩き落とすと、最後は「ニッポン、イチバ〜ン!」と叫んでダイビングボディプレスを発射! 元パートナーのアルマから文句なしの3カウントを奪った。

試合後、アルマを下したレネは、マイクを持つと「アイラブ・ジャパン! アイラブ・ハッスル!!」と“ハッスルLOVE”を観客にアピールし、勝ち名乗りを上げたのだった。


川田総統代行劇場

いよいよ始まったハッスル史上初の完全2部構成による今宵の後楽園大会。まずは、第1部の高田モンスター軍主催興行からスタートだ!

場内暗転から、会場に『威風堂々』が鳴り響くと、花道から川田総統代行を筆頭に、アン・ジョー司令長官、特命係長 島田工作員、REY大原のモンスター軍の面々が登場! しかし、喪章をつけて現われた4人は、皆、沈痛な面持ちだ。

場内の観客から「代行」コールが沸き起こる中、4人はリングへと上がると、川田総統代行が「親愛なるモンスター軍信奉者の諸君。我こそは、高田モンスター軍総統代行の川田だ!」とまずは挨拶。続けて、川田総統代行は「みんなも知ってると思うが、生涯で忘れることのない、悲しい出来事があった。あの偉大なる高田総統が、モンスター軍解散宣言をして、この世界から去って行ってしまった」と改めて高田総統がお亡くなりになられたことを観客に伝えると、「われわれは、高田モンスター軍がいなくなっても、高田総統の魂を受け継ぎ、総統が創り上げたものを守り抜く!」とモンスター軍の存続を誓うと、「高田モンスター軍は……永遠なり!!」と、高田総統が最後に見せたときのように、天に人差し指を力強く突き刺したではないか! これには、観客、そして涙に暮れていたモンスターの面々から拍手が飛ぶ!

これですっかり優越感に浸った川田総統代行は、「というわけで、高田モンスター軍は今日から、川田モンスター軍に生まれ変わる」と、なんと勝手に“川田モンスター軍”の誕生を宣言! さらに、川田総統代行改め、川田総統は「お前たち! だから、俺のことを代行ではなく、総統と呼べ!」と命令するも、このあまりにも急すぎる展開にはアンたちも泣くのをやめ、皆、「ん?」という反応を見せる。

するとここで、アンが「ホワッツ? 冗談はよしてください。なぜ、ミーがユーのことを総統と呼ばねばならんのデスカ? ユーの部下になるなんて、300%ありまセンヨ!」とキッパリ拒否! さらに、「高田総統がいない今、ミーがモンスター軍にいる意味なんてナッシングですヨ! これで、グッドバイデース!」と、川田総統に三行半を叩き付けると、アンはサングラスを外してそのまま退場したではないか!

予期せぬ離脱者に、川田総統は「おいおいおい! 待てよ、司令長官! おい! どこ行くんだよ!!」と呼び止めようとすると、ここで島田が「あの……モンスターK、私もおいとまさせていただきます。最近、レフェリーの仕事が忙しくなってきまして、これからアフリクションに行かないといけないんで。すいません! ありがとうございました!!」と、なんとアンに続きサングラスを外して退場! 相次ぐ離脱者に、川田総統は「おい、大原、お前はついてくるよな?」と、ひとり残された大原に確認するも、大原は「いいえ。ボク、メキシコに行きます! チケットも昨日予約したんです。モンスターK、短い間でしたけど、お世話になりました! というわけで、ムイビエン! アディオス!!」と、これまた離脱を表明! 「おい、お前! さんざん、世話してやったじゃねえかよ!!」という川田総統の声がむなしく響き渡る。

するとここで、花道からゲドンが登場だ! まさかの男の登場に、川田総統は「あれ? どうしたんだゲドン。なんか言いたそうだな。あ! なるほど。お前は、俺についてくるって、言いたいんだな? さすが、最近は日本人より外人の方が人情に厚いな」と、ゲドンがしゃべれないことをいいことに都合の良い解釈をすると、ゲドンに向かって「しょうがねえな、今年こそお前を栃木に招待してやるよ! レッツゴー・栃木・トゥゲザー!!」と栃木観光の招待をすることを約束。ところが、ゲドンはおもむろにマスクを脱ぐと、もちろんその正体は、“地獄のナポレオン”レネ・ボナパルト。

場内が騒然となる中、レネはマイクを持つと、「イキタクナイ!」と川田総統の誘いをアッサリ拒否! さらに、「モンスターグン、ヤメテヤル!!」と、これまた離脱表明だ! するとここで、花道からモンスター軍の海外エージェントであるフランソワーズ&アルマが登場! さっそくマイクを持ったフランソワーズは、「ちょっと、レネ! あなたは、まだ高田総統との契約が残っているの。そんな勝手なこと許されることがないわ!」と契約を盾に勝手な離脱は認めないことを主張すると、これには川田総統も「おぉ、フランソワーズ! もう信用できるのはお前だけだよ」と、安堵の表情を浮かべる。

ところが、フランソワーズは「私は、エージェントの仕事をまっとうしているだけよ」とビジネスライクな姿勢を見せると、川田総統はショックを受けたのか、「なんか俺、今、ひとりになりたい気分なんだ。後は任せたぞ」と言い残し、観客の「総統」コールを背にそのまま去ってしまったのだ。

そして、川田総統にレネ離脱問題の解決を託されたフランソワーズは、「レネ! あなたが契約を破棄するなら、こっちにも考えがあるわ。たたじゃ、済まないわよ! アルマ! やっておしまい!!」と、なんと裏切り者のレネに制裁を加えることを宣言! そして、すぐさま試合開始のゴングが打ち鳴らされる!


オープニングムービー

2009年7月26日、『ハッスル・エイド2009』。
この日、ハッスルの“すべて”が破壊された……。

これまで足掛け5年半にわたり、熾烈な抗争を繰り広げてきた高田モンスター軍とハッスル軍。
その闘いの歴史に、ついに終止符が打たれるときが……。

舞台となったのは、先週開催された『ハッスル・エイド2009』。
かねてより高田総統は、この大会を最終戦争、つまりハッスルのアルマゲドンになると宣言。
しかし、その真意は明らかにされぬまま、試合はセミハッスルまでを終えた。

「モンスター軍は、この場をもって解散だ!」

それまで全敗を喫したモンスター軍に対し、高田総統は突如解散を宣言。
そして、後がなくなった総統は、闘う化身の最終形態、エスペランサー・ザ・ゴッドを投入した。

対するハッスル軍からは、エースのマグナムTOKYOが出撃。過去、何人もの挑戦者を葬り去ってきたエスペランサーをマグナムはついに撃破したのだ。

しかし、撃破されたエスペランサーは、あくまで“闘う化身”。モンスター軍を解散し、ひとりとなった高田総統がリングに登場。そして、衝撃の真実が語られた……。


高田総統「私が、このハッスルに来た目的は、閉塞した日本のプロレス界を根こそぎぶち壊し、その瓦礫の上に、新たな希望の道を切り拓くことだった。この5年半、私はそのミッションのために全力で走ってきた! しかしだ、私にできることはもうすべてやり尽くしたんだよ! これまでハッスル軍と抗争をしてきたのは、私の役割を任せられることができる、強いリーダーシップを持った後継者を探していたのだ! そして、その男がとうとう見つかったよ! マグナムくん、君のことだよ! これからは、君がリーダーとして、新たなハッスルを築いてくれたまえよ!!」
マグナム「今日、あんたと初めて闘って、心の底から俺はすげえって思った。今日であんたがいなくなるって思うと……上手く言えないけど、素直に喜べないんだよ! だから、さよならなんて言わないで、ハッスルを良くするためだったらいがみ合ってもいいじゃん。もう一度、手と手を取り合って、新しいハッスル作りましょうよ!」

高田総統「ありがと。うれしいよ!」


これぞ大団円。総統の真意、そしてマグナムの思いがひとつとなり、ハッスルは新たな一歩を踏み出すかに見えた。しかし……。


キングRIKI「私、このハッスルを破壊しにやってまいりました、キングRIKIと申します。どうかひとつ、よろしくお願い申し上げます!」

マグナム「てめえ、ふざけてんじゃねえよ、この野郎! 今からそっちに行ってやるよ!!」

高田総統「待て、マグナム! ここは私に任せたまえ」

(高田総統がキングRIKIの必殺・紅のバックファイヤーを被弾!)

キングRIKI「あなたがどうしてもとおっしゃるので、お中元に“紅のバックファイヤー”をお見舞いしておきました。よろしくお納めくださ〜い」

高田総統「大丈夫だよ! なんのこれしき、ほんのかすり傷だ……」「大丈夫だよ! なんのこれしき、ほんのかすり傷だ……」

マグナム「これがどこのかすり傷なんだよ! 動くな! じっとしてろ!!」

高田総統「ハッスルは……永遠なれ!!」


高田総統死亡という、かつてないショッキングな幕切れとなった『ハッスル・エイド2009』。
はたして、キングRIKIの目的とは!?

そして! 今夜の後楽園大会は、ずばり! 『ハッスル・エイド』エピローグ!
総統を失い、解散となったモンスター軍のけじめ興行と、晴れて天下を取ったハッスル軍主催興行の豪華二本立てだ!

歴史の終わりは新たな歴史の始まり。今夜、あなたはハッスル史の生き証人となる!
新生ハッスル・ツアー! いよいよスタート!!