ノブ じつはボク、ここ最近のハッスルは行けてないんですよ。
井上 ぬな!? って、ドカベンの岩鬼みたいなリアクションしちゃったけど、そういえばお顔を拝見するのがじつに久しぶりのような気が……。
ノブ 後楽園ホール(8・21『ハッスル・ツアー2008〜8.21 in KORAKUEN〜』)は行きましたけど、東京ドームホテルで行なわれたディナーショー(8・17『夏休みハッスル・ディナー@東京ドームホテル』)、それと大阪大会(8・23『ハッスル・ツアー2008〜8.23 in OSAKA〜』)も観に行ってないんですよね。
井上 そんなにこの夏は忙しかったんだ。
ノブ まあ、高知にいる友達に会いに行ったり。本場で食べるカツオのたたきはおいしかったな〜。
井上 それ、仕事じゃなくて遊びに行ってんじゃんよ(笑)。
ノブ いやいや、ちょうどそのタイミングでしか休めなくて、今年は見事に夏休みとハッスルがバッティングしちゃいましたね。ディナーショーはハッスル初の試みでちょっと気にはなったんですけど、どうでした?
井上 お客さんの数が定員一杯の500名以上だったんで、これを読んでるディープなハッスルファンの人達は行ってたと思うんですけど、俺はとにかくお腹が減って減って……。
ノブ みんな、目の前で食べてるから。
井上 そうですよ。で、たまたま友達が家族で来てたので、そのご子息の料理を「あ、UFOだ」「あ、高田将軍だ」なんつって、巧みなインサイドワークを駆使しながらつまみ食いしてたんですけど。
ノブ 泥棒じゃないですか。
井上 あのね、ハッスル・ディナー凄いよかったよ! ビックリした。そもそも俺、これまでの人生でディナーショーってものに行ったことなかったんだけど。ノブ君行ったことある?
ノブ ないですねえ。
井上 ないよね。ディナーショーと聞いて、まず思いつくのは聖子ちゃんとか?
ノブ それとコロッケですよ。
井上 ああ、コロッケ! モノマネ芸人さんはよくディナーショーをやってるっていう印象あるね。
ノブ そういえば学生の時、コロッケのディナーショーのバイトをやったことありますよ。
井上 マジ?
ノブ マジ。搬入搬出とか設営ですから、ショーの中身はなんにも見てないんですけど。
井上 じゃあコロッケのケーフェイとか見てないの?
ノブ コロッケのケーフェイってどんなんですか!?(笑)。
井上 そういえばマイケル・ジャクソンの40万円ディナーってのもなかったっけ?
ノブ なんかありましたね。しかし、ディナーショーみたいな食事をしながら芸を楽しむみたいなイベントっていいですよね。ボクでも好きなタレントなら1万円ぐらいなら払いたくなりますもん。
井上 俺、今回観てホントにいいなと思った。やっぱね、あらためて分かったことはプロレスは子供のモノなんですよ。
ノブ ああ、子供連れがたくさんいたらしいですね。プロレスは子供に見せて、子供に体験してもらってナンボだよ、と。
井上 俺自身が子供の頃に、プロレスの会場内を走り回ってた光景をちょっと思い出しちゃったもん。これまでハッスルと一番相性がいいスペースっていうと、やっぱ後楽園ホールってのが相場だったと思うんですけど、でもお隣のドームホテルのほうがさらにハマってたよ。
ノブ でも席に段差とかないんですよね?
井上 ないよ。でもすっげえハマッてた。やっぱプロレス観戦っていうジャンルじゃなくて、夏休み中に行なわれるディナーショーって括りだから、親子連れとかが異常に多くてさ。たぶん普段プロレスとか観たことない、後楽園でチケットを買って観るような積極的なお客さんじゃない人たちがいっぱいいたと思うんだけど、いつもにも増して子供の数が多かったね。しかも親子二代どころか、おじいさんおばあさんの姿もあって。
ノブ 三代で。
井上 そう、もう二世帯住宅みたいな感じ。
ノブ じゃあ、そこでは嫁姑のバトルもあったりなんかして。
井上 そこまでは知らないけど(笑)、嫁姑のバトルも今日だけは一時休戦してみんなでハッスルしようよ、みたいな。
ノブ 素晴らしいですねえ。勝手な妄想だけど(笑)。
井上 いやホントね、プロレスの空間に子供がいるのはいいんだよ。こっちまでウキウキしちゃう。
ノブ ボノちゃんvsチビッコの相撲対決もあったんですよね?
井上 そうだよ! リング上でボノちゃんと相撲取れんの。
ノブ それはなかなかないですよね。
井上 あんなアトラクションがあったなんて、ウチの子供も参加させればよかったってホントに後悔したよ。
ノブ 横綱と一番取れるって、相撲の地方巡業にでも行かない限りは絶対無理ですからね。
井上 でも、こっちは土俵じゃなくてリングだから、調子に乗ってボノちゃんにドロップキックするチビッコとかいて(笑)。
ノブ こないだの後楽園で、ボノちゃんがヒザがつらそうにしてたのはそれが原因だったんですね(笑)。それは観たかったなあ。
井上 ノブ君って、子供の頃からプロレスが好きってわけじゃないんだっけ?
ノブ ボクは中学生からですね。
井上 それはちょっと遅いなあ(笑)。
ノブ だって、子供の頃はプロレス観ちゃいけなかったですから。ウチの親はプロレス、ドリフ、『ひょうきん族』、全部NGでした。
井上 え〜なんで? バカになるから?
ノブ 観てなくても結局バカになったんですけどね……。
井上 俺んち、観放題だったけどな〜。案の定バカになりましたけど。ちなみにご両親はなんのお仕事されてたの?
ノブ いたって普通のサラリーマンですよ。親父は釣り好きが高じて、釣りインストラクターの資格とか取ったりしてましたけど。
井上 そんな資格があるの?
ノブ あるみたいなんですよ。
井上 船の船頭さんとかじゃなくて?
ノブ じゃなくて、仕掛けはこうしてエサはこれで、っていう釣りのアドバイザーみたいな。でも資格を取っただけで、それを実際に商売にはしてないですけどね。
井上 すごいね、親父が釣りのインストラクターって。超釣りキチなんだ。
ノブ そうですね。その前はNゲージに凝ってたかな?
井上 Nゲージ! いいお父さんじゃん。
ノブ ボクの名前、漢字で「伸行」なんですけど、名前の由来が「線路は真っ直ぐ伸びて行く」で「伸行」らしいですからね。
井上 へえ。「人生、脱線させないように」って育ててくれててたんだね。
ノブ なのにこんなになっちゃいましたけど(笑)。
井上 人生、急カーブばっかじゃん(笑)。
ノブ そういえばボクが学生時代、すげえハマって読んでたのがヘルマン・ヘッセの『車輪の下』っていう小説なんですけど、やっぱり遺伝かな? って今ふと思いましたけど。
井上 電車つながりだし(笑)。俺が『車輪の下』を読んだのは大人になってから。学生時代は前田日明の大車輪キックでワーワー言ってた(笑)。ノブくんは車輪の下で、プロレスに接することなく過ごしたんだ?
ノブ なのに、なんでこんなに脱線しちゃったんだろう……?
井上 ゴメン、なんか湿っぽくなっちゃったね……。
ノブ ……いえ、べつに(涙を拭う)。
井上 いや、ノブくん。俺が悪かった。次、後楽園の話題に移りましょう。後楽園は『ハッスルGP2008』の1回戦と2回戦のちょうど谷間的な大会でしたけど。
ノブ いわば2回戦の前哨戦でしたね。なんといっても、大注目はゼウスvs小路晃の一戦ですよ。
井上 ゼウスにとって、ハッスルのリングでは初めて正規のマッチメイクとして組まれた試合ですね。でも戦前、この一戦は因縁の対決ということで俺の中ではちょっと「新日本vs誠心会館」的な、もっと殺伐としたものをイメージしてたんだけど。なんか意外とスッキリまとまってたというか……。
ノブ まあ、そこまでテンションは高くなかったですよね。流血もなかったし。
井上 流血って?
ノブ 新日本vs誠心会館といえば流血は欠かせないでしょ!
井上 なるほど。
ノブ それこそ、いきなり小路がスキンヘッドで出てきたりとか。
井上 ダイヤモンドキッズカレッジのインストラクターと大阪プロレスの面々がリング下で大乱闘を繰り広げたりとか(笑)。
ノブ 小路がダイヤモンドキッズの看板を持ってきて、それを賭けたり。
井上 そうそうそう(笑)。まあ、新日本と誠心会館の抗争チックな試合展開っていうのは俺個人の勝手な思い込みだったんだけど、でも最近ふと思ったのは、ハッスルって試合展開がうまく出来過ぎてる反面、どの試合もトーンが似てるような気がしません?
ノブ ああ。わかる気がします。
井上 まあ、細かく観たら各試合いろいろと違いはあるんだけど。
ノブ たしかにそれはあるかもしれないですね。だから、ステーキでいうとウェルダンばっかというか、レアな部分がほとんどないというか。
井上 もうちょっと、たまにはマズいメシも喰ってみたい、みたいなさあ(笑)。
ノブ この話の流れに関係があるかどうか分かんないですけど、ここにきてボクががぜん注目したいのがゼウスなんですけど。
井上 きた! 我が意を得たり(笑)。
ノブ よかったですよね、ボブ・サップ戦。サップの巨体を投げきった、あのブレーンバスター! あれで、ゼウス株が上がりましたよね。
井上 今までハッスルでは招かれざる客みたいな言われかたもしてたし、どうにもショッパそうっていう下馬評もあったりで。
ノブ 正直、ショッパそうでしたよね。ちゃんと試合をしてなかったからよくわからなかったですけど。
井上 でも俺の中では……今まであんまり言えなかったんだけど、参戦当初より「ゼウス、カッコいい……」っていう気持ちがずっとありました(笑)。
ノブ ずるいなー、後出しジャンケンじゃないんですか!?
井上 呼ばれてもないのに乱入してきたなんて、あのタイガー・ジェット・シンの初来日以来の事件ですよ。シンだって呼ばれてもないのにいきなり新日本のリングに乱入して、山本小鉄を血だるまにしたんだから。ゼウスも呼ばれてもないのに会場警備の壁をくぐり抜けて乱入してきて、「俺がここで天下獲ったる!」だって。超カッコいい!(笑)。
ノブ あの上昇志向と、ゼウスの過去の生い立ちとかとかがたぶんマッチしてると思うんですよ。
井上 そうだよね。キャラクターに無理がない。
ノブ こないだ、大阪の煽りVでも紹介されてましたけど、ホントに少年時代は大阪の治安の悪い地区ですさんだ生活をしてたらしくて。
井上 チンピラだよね。まあ、「ハッスルもたいしたことないのう」って散々言ってて、「ここでノシ上がったる!」っていうのがよく分かんないんだけど(笑)。
ノブ 「おもろないやんけ!」って言ってた団体に参戦するという(笑)。
井上 たいしたことないところで成り上がってどうすんのかなっていうのはあるんだけど、まあゼウス様のカッコ良さの前ではそんなことは些細なことで(笑)。
ノブ いやあ、あの煽りVは良かったですよねえ。「路上の喧嘩じゃ、寝転がってるところを顔面蹴られんねんで」みたいなことを言いながら、「ここ(胸)切られたことあんねん!」って言いつつ強烈なカメラ目線! あれにはマジでシビレましたよ。
井上 超カッコいい!(笑)。
ノブ あきらかにヤバいですよ、あれは。「ピストル突き付けられてグイグイされたこともあんねんで」とか。ひょっとしたらフカシなのかもしれないけど、とてもフカシには聞こえない(笑)。
井上 あれはリアルでしょう。
ノブ そういうことをサラッと言えるレスラーが今いないじゃないですか。
井上 いないですよ。
ノブ \(^o^)/チエが「チエ、ここにピストル突き付けられたことがあります!」とか言い出したら、どうします?
井上 1秒で「嘘こけ、この食中毒でゲッソリ痩せちゃったノイローゼ野郎!!」とレスします。
ノブ あと「プロレスラーは怖そうな顔を作ってるだけで、弱そうなヤツばっかりで全然怖くない」とか。
井上 あれって素でそう思ってたんだろうね。
ノブ そういう発言を聞いてればわかりますけど、ゼウスって自分の強さをアピールすることにまるで照れてないじゃないですか。ひょっとしたらゼウスにはI編集長が言うところの“殺し”があるかもしれないですよ。
井上 だけど、そんなゼウスが入ったのがなぜかコメディ色の強い大阪プロレスという。まあ、そんなことは些細なことで(笑)。
ノブ プロレス入りの経緯もよく分からないんですけどね(笑)。
井上 そのへんが逆に言うと可愛いというか、ある意味ミステリアスというか。
ノブ 非常にミステリアスですよね。ハッスルの社員を歩道橋の階段から突き落としたりしちゃう極悪非道な男なのに。
井上 あ、あの有明コロシアム前の歩道橋から落とされた社員の人、おそらくあれが原因だと思うんですけど、あの直後にハッスル・エンターテインメントを辞めちゃいましたからね……。
ノブ 最後の仕事が階段落ち。
井上 いまオフィシャルサイトでも「社員募集」の告知が出てますけど。
ノブ なぜかっていうとゼウスのせいで欠員が出たから、と。着実にハッスルが破壊されてるじゃないですか(笑)。
井上 で、『ハッスルGP2008』のベスト4には坂田亘、川田利明、ボノちゃん、ゼウスが残りました。え〜っと、準決勝のカードが……。
ノブ 名古屋(9・28『ハッスル・ツアー2008〜 9.28 in NAGOYA〜』)で坂田vsボノちゃん、川田vsゼウスですね。
井上 こうなったら、ゼウス様に優勝してほしいな(笑)。
ノブ ってことは、川田は栃木(10・26『ハッスル・ツアー2008〜10.26 in TOCHIGI〜』)での決勝のリングに上がれないわけですね。
井上 それも困るなあ。
ノブ 栃木大会なのに主役がいない(笑)。でもまあ、我々の展望としてはゼウス優勝としましょう。
井上 決勝って栃木のなんて会場だっけ?
ノブ 宇都宮市清原体育館ですね。
井上 そうそう、決勝の栃木は『坂井ノブと行くハッスル観戦ツアー』やろうよ。
ノブ へ? なんで?
井上 だって、初めての栃木開催なんだから、東京のファンなんかはみんな会場に辿り着くまでにいっぱい迷うだろ。みんなで集合して行けばいいじゃん。
ノブ そんなツアー、誰も来ないですよ!
井上 来るだろ! これ、マジで勝手に告知するから。で、ツアー最少催行人数は何人ぐらいに設定しとく? 20人ぐらい?
ノブ じゃあ、とりあえず4人で。
井上 さすがに4人じゃあバスをチャーターできんだろ。
ノブ えっ、バスをチャーターして行くんですか? どれくらいの規模を想定してんですか?
井上 いや、やっぱチャーターしない(笑)。
ノブ 4名ぐらいだったらセダン1台で十分じゃないですか。
井上 じゃあ『坂井ノブとキューブに乗って行く栃木観戦ツアー』だ。
ノブ べつにキューブじゃなくても。それって、ボクが司会とかやるんですか?
井上 いやいや、運転手兼ハッスル裏トーク担当で。
ノブ なるほど……(笑)。でも儲かるかなあ?
井上 なに儲けようとしてんだよ!(笑)。違うよ、これはいわば有志による『ヒマでモテないハッスル男祭りツアー』だから。で、途中の行程に栃木の名所観光をふんだんに盛り込んでさ。たとえば日光東照宮にお参りして、「モテますように」って願かけしたり(笑)。あと猿軍団は見ないとな!
ノブ そこで「見ザル、言わザル、聞かザル…」とか言うんですか?
井上 で、最後に全員で「モテザル。ズコーッ!」つってコケてみたり(笑)。そういうのやろうよ。忙しい? 忙しいよねえ(笑)。
ノブ じゃあ、井上さんも一緒に行きましょうよ。
井上 無理無理! 俺は大人数のクルマに乗ったら必ず酔うっていう特異体質だから(笑)。
ノブ そんなのボクひとりじゃ仕切れないですよ! 2人でやりましょうよ。
井上 やれんのか!
ノブ まあ……、ズバリ言って、「やらザル」なんつって。
井上 ズコーッ! って、今回はこんなオチで「反省っ!」(と、こうべを垂れる)。