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　日曜日という事もあり若者でごった返す渋谷の一角にあるジンギスカン料理店『モンゴリアン・チョップXaaH円山町店』に、モンスター軍が集結した。そして、何と！高田総統自らがお店に駆けつけ、初の握手会とサイン会を行うというのだ。更に、このイベント参加者には、モンゴリアン・チョップXaaH円山町店のみ有効となる、お食事クーポン券（90分飲み＆食べ放題で5000円）と、モンスター軍特製グッズがプレゼントされるとあって開場前から長蛇の列が出来た。一番最初に並んだ熱心な信望者は、開場2時間前に並ぶという熱の入れよう。
　高田総統の登場を今か今かと待ちわびる333人の信望者の前に、まず現れたのはアン・ジョー司令長官＆島田二等兵の二人だった。一斉にカメラのフラッシュがたかれる。それを見た島田二等兵は「誰の許可を得て、写真を撮ってんだ！　写メは特に百円だ！」とせこい商売を信望者に突きつける。
　そして、握手会＆サイン会が開始された。「そーとー、そーとー」の大合唱の中、高田総統と“モンスターK”川田利明が登場!　感動し、一気に押しかける信望者。
　詰め掛けた信望者たちは、自分の持ち込んだ物を高田総統と川田に手渡す。信望者が持ち込んだ物は、サイン色紙やTシャツが特に目立つ。中には、3才のちびっ子の姿も。高田総統を目の前にすると、その子はかわいらしい声で「ビターン！」といきなり逆ビターン攻撃。突然の攻めにリアクションに困った高田総統が、ビビッてたじろいでしまうという一場面もあった。
　また、そのサイン会の横では島田二等兵とアン・ジョー司令長官がハッスル3月シリーズの大会チケットの即売会を行った。
　イベントに参加したモンスター軍信望者からは、「最高に嬉しい。高田総統はかっこ良かった！」（20歳・学生）「このイベント参加費が、タダっていうのがいい」（33歳・会社員）「感動しました。総統の手が大きかった。洗脳されました！」（31歳・主婦）と、すっかり洗脳されてしまい喜びの声が多く聞こえた。
　しかし、それとは対照的に、モンゴリアン・チョップXaaH近辺のラブホテルの経営者は大激怒。列を作り、自分の番を待つ信望者がラブホテルに入るカップルを凝視するため、嫌がるカップルは素通りしてしまうのだ。「これじゃ商売にならない」と関係者に詰め寄り、さらに近隣の住民の苦情を聞きつけた警察も駆けつけるという一騒動もあった。
　15時開始のイベントは16時には何とか終了。その後の店内で、高田総統はマスコミ陣に対し、珍しく囲み会見を行った。
「せっかくの日曜日だというのにな、あいも変わらず暇でもてない、しみったれたプロレスマスコミの諸君。こうして君たちと顔を合わせることが出来て、私は非常に嬉しく思っている」と、まずは高田総統があいさつ。
「いいか、マスコミ諸君。こうして総統が直々にコメントをやるのは滅多にないことだ。心して聞くように！」と偉そうに島田二等兵も注意事項をマスコミ陣に投げかける。
　続けて総統は、「まず、よく聞くんだ。我がモンスター軍から去ったインリンの忘れ形見がこの卵だ！　今は我々の基地で厳重に管理されているものだ。しかし今日は、このイン卵を下々の諸君に公開してやろうではないか」と言いながら、12・25『KYORAKU presents　ハッスル・ハウス クリスマススペシャル 涙のラストM字ビターン』で、インリン様がM字ビターンをした後に出現した「M」の字が書かれてある怪しく光り輝く卵を披露する。
「この卵、これが “イン卵”だ。わかったな」と島田二等兵が補足説明。その卵を見たアン・ジョー司令長官は「総統！　このイン卵様、この間の12月の後楽園より随分、大きくなってる気がするんですケド？」と不思議な表情を見せる。確かに一回り大きなったイン卵。島田二等兵も大きくうなずいた。
「そうだ、アン・ジョー。よく微妙な変化に気が付いたな。そういうことだ、一つ言っておく。生物学上、一度産み出された卵が大きくなるということはありえない。ここが重要だ。マスコミの諸君もよ〜く聞きたまえ！　イン卵はいわゆる、単なる卵ではない。インリンのM字遺伝子がこのイン卵の中に息づいている。いわば、生命エネルギーの大きな塊ということだ！わかるか!?」と高田総統がイン卵の説明を語り出す。
　すると、おもむろにイン卵を手に取った島田二等兵は「おっ！　何か聞こえる！」と、イン卵を自分の耳に当てた。興味を示したアン・ジョー司令長官もその音を聞きたいと思い、2人でイン卵を奪い合った。
　ここで高田総統が一喝！「おい、はじゃぐな島田！　壊れちゃうよ！」とかわいらしい説教。隣にいた川田は思わず失笑だ。
「私が溺愛するインリンの忘れ形見だ。何かあったら貴様ら、ただではおかないぞ！　島田、その薄汚い手で触るな！　触りたければ、手を洗ってから触れ」と、高田総統のあまりの迫力に島田二等兵は深く謝るのみ。
「みなさん、一般公開するのは滅多にない機会ですので、ぜひイン卵様の写真の方を！　フォトタイムデース！」とアン・ジョー司令長官はマスコミ陣に優しい心遣いだ。

　そして、高田総統がマスコミ陣と質疑応答を行った。
――普段、今日みたいに滅多にファンと接触する機会がないと思いますけど、いかがでしたか？
高田総統　「いい質問だ！　この私がプロデュースしたこの店は最高のもてなしと、下々の諸君の懐に優しいリーズナブルな食事をモットーとしている。いいか、よく聞け！　今日ここに来てくれたモンスター軍信望者の諸君、この私から特別な感謝を捧げたい。そういった気持ちから、今日こういったイベントを催したということだ。わかるだろう？」

――鈴木浩子新GMがマニフェストの中で健想選手をハッスルのエースとして打ち出すという方針を出されましたが、どう思いますか？
高田総統　「ほーう、なかなか面白い話じゃないか。モンスターKよ！　君はどう思う？」
川田　「『健想がエースだ』なんって誰が言った？　エースを名乗るには、3月にこのオレを倒してから名乗れ。嫁さんの尻に敷かれているようなやつが、でかい顔をするのは百万年早いんだよ。狂言師に負けた上に、またその狂言師の手下にまで負け、正義のヒーローだか何だかわからないけど、そんなやつにまで3連敗したようなやつが、オレに勝てるわけがない。めでたいやつだ。めでたいのは嫁の格好だけにして欲しいな」（モンスター軍大爆笑）
高田総統　「面白いこと言うな。健想とやらは、世界で活躍してきたらしいが、この日本では全く活躍してないじゃないか。そうだろう？」
島田二等兵　「そうです、その通りです、総統」

――某老舗団体の選手が続々と離脱してますが、どう思われますか？
高田総統　「コメントするまでもないが……そうだな。私はこれまでこう宣言してきた。日本のプロレス界を根こそぎ、ブチ壊すとな。某老舗団体という足かせが取れたやつは、せこせことフリーとして活躍していくだろう。なんなら、我がモンスター軍で使ってやってもいい。まあ、ポンコツばかりだけどな。まず最初は、このモンゴリアン・チョップの皿洗いから始めてもらおう」
アン・ジョー司令長官　「それはいいですね、総統！　アハハハ」
島田二等兵　「皿洗いでも来るかもしれないですね。募集中だと書いとけ！」
高田総統　「年齢制限ないな？」
島田二等兵　「ないです。凄いのが来たらどうしますか？」
高田総統　「『それは凄い』と言ってやろう。それが一番だ」(一同大爆笑)

――HG選手に新モンスターの“PTA”が送り込まれましたが、どういったモンスターですか？
アン・ジョー司令長官　「オッケーデス。それはミーの方から説明しまス。あの下品な腰振り野郎が、連日テレビに出てる姿をよく思ってないのは我がモンスター軍だけではありまセーン。今やPTAが最も嫌がる芸能人ナンバーワンの、あのHGの真似をする子供たちで、親御さんや先生方がベリーアングリーデース。全国に渦巻いている怒りのエネルギーを、高田総統があの男に注入することに成功いたしました」
高田総統　「これ以上ない説明だ！　実は私のところにも多くの苦情が殺到している。全国の親御さんからだ。あのHGには我慢出来ない。早くリング上で痛めつけて、引退させて欲しいと。そしてだ。極めつけは、あの下品な腰振りを止めさせて欲しいと」
アン・ジョー司令長官　「その通りデース。我がモンスター軍はあの腰振り、つまりピストンを“Take Away”するモンスターを用意しまシタ。次の試合会場は、HGに反感を持つ親御さんでいっぱいになることでショー！」
高田総統　「さて我がモンスター軍は、2月の後楽園、そして3月の3大会、ここで完全に主導権をこの手に奪ってみせる。そして今年中には、日本のプロレス界を壊滅することになるだろな。まあ、もうすでに壊滅してるかもしれんがな？」
アン・ジョー司令長官　「ある意味リアルですネ〜」
高田総統　「オンタイムでリアルだな」
島田二等兵　「離脱者いっぱいいますからね」
高田総統　「そしてもう一つ。それと同時に、我々は新たなプロレスのステージを築き上げることになるだろう。いや、もう築き上げてるかもしれんな。それでは下々の諸君！　ごきげんよう。バッドラッグだ！」