ハッスル通信

“ハッスルの生き証人”に聞く!!
“モンスターK”川田利明インタビュー

2009年4月13日

2004年1月4日の『ハッスル1』(さいたまスーパーアリーナ)から5年。『ハッスル』本大会は、きたる4・23『ハッスル・ツアー2009〜4.23 in KORAKUEN〜』(後楽園ホール)で、ついに通算100回目を迎えます! ということで、われわれハッスルオフィシャル取材班は、『ハッスル1』から出場し、現在は“歌って、踊れる、真のハッスラー”という確固たる地位を築き上げた数少ない“ハッスルの生き証人”、高田モンスター軍の“モンスターK”川田利明にロングインタビューを敢行! 揺れ動く心の葛藤、ハッスルへの思い、真のハッスラーに残された野望など、100回の歴史が凝縮されたぶっちゃけトーク満載でお送りします! それではどうぞ!


■「何がなんだかわかんなかったよな(笑)」

──『ハッスル1』から現在に至るまで、数少ない“ハッスルの生き証人”としてハッスルに参戦している川田選手にお話を伺おうということでよろしくお願いします。
川田 おう、よろしくな。でもさ、ハッスルを100回もやってるっていうのはビックリだよな。
──100回に至るまでの時間というのは、長かったですか、短かったですか?
川田 あっという間だね。
──100回もやってると、それぞれの大会に思い入れはあると思うんですが、その中でも最も印象に残ってる大会を挙げるとすれば?
川田 自分のことであれば、去年の栃木大会(2008.10.26/宇都宮市清原体育館)だけど、自分のことを抜きにしてハッスル全体を考えると、話題性なんかも含めてHGと和泉元彌がデビューした『ハッスル・エイド2005』(2005.11.3/横浜アリーナ)だよな。印象に残ってるというか、話題性もあってインパクトもあったし。
──なるほど。
川田 じゃあ、インタビューはこれで終わりか?
──終わりませんよ、これからです(笑)。ということで、2004年1月4日の『ハッスル1』(さいたまスーパーアリーナ)でスタートしたわけですが、最初に「ハッスルをやります」という段階で、川田選手にはコンセプトみたいなものは伝わっていたのでしょうか?
川田 いや、何がなんだかわかんなかったよな(笑)。
──ちなみに、『ハッスル1』では、マーク・コールマンと対戦したわけですが、コールマンはご存じでした?
川田 うん、知ってる知ってる。
──でも、イベントのコンセプトもよくわからない、そして対戦相手もプロレス経験がそれほどあるわけでもないという中で、不安みたいなものはありませんでしたか?
川田 だから、普通のプロレス会場に行って、普通に試合をするような気持ちだったよな。でも、普通のプロレスとちょっと違ったのは、会場入りが異常に早いんだよ(笑)。だけど俺は、「なんでそんなに早く行く必要があるの?」って言って、いつも自分が会場入りするぐらいの時間に入ったんだよ。だって、5時間前とかだからな(笑)。
──普通のプロレスではありえないと(笑)。
川田 そもそも入場のリハーサルなんて、そんなの考えたこともなかったからな。
──『ハッスル1』では、他の試合もご覧になられましたか?
川田 控室のテレビで観たよ。
──どうでした?
川田 なんか凄くいろんなことに凝ってるなって思ったよ。でも、日本の国民性というか、そういうものに合うのかなっていうのはあったよな。それはずっと思ってた。
──それは試合前の控室映像だったり、そういう部分で?
川田 うん。そもそも、ハッスルというものが何をしようとしているのか、急にやるって決まったことだっていうのもあるんだけど、お客さんも、選手もわからない状態で動き出したからな(笑)。個性は揃っているけど、ジャンルがバラバラな選手が集まったわけでしょ。でも、今思えば、亡くなった橋本(真也)選手が、そういう種を蒔いてくれたっていうのは大きいよ。で、その種を蒔いてる後方の立場にいたのが小川(直也)選手であり、その芯にしっかり立っていたのが高田総統だと思うんだよな。
■「やっぱり“高田総統の相方”になれたのは大きいよ」

──旗揚げから5ヶ月経った『ハッスル・ハウスvol.1』(2004.6.28/後楽園ホール)、ここで川田選手はハッスルポーズを初披露するわけですが、やはり抵抗はありました?
川田 ハッスルポーズもそうなんだけど、そのあとで小川選手が、俺のために用意したトラックスーツがあっただろ?
──あれは『ハッスル4』(2004.7.25/横浜アリーナ)ですね。
川田 あの辺からちょっと変わってきてるよな。でも、気持ちの部分ではまだ変わり切ってなかったんだよ。
──と言いますと?
川田 あのときは、ハッスルっていうリングだったり、会場の雰囲気だったり、お客さんだったり、そういうものが、自分を“ハッスルK”にさせてるんだっていうのがあったんだよな。
──自分の意志ではなく、周りがそういう雰囲気にさせてるんだと?
川田 でも、あるところで、そのギャップに耐えられない自分もいて、それだったら“ハッスルK”というのは、川田利明とはまったく別のキャラクターとして考えようっていう気持ちに変わったんだよ。
──それは、自分の意志でキャラクターになりきろうと考えたわけですね?
川田 やっぱり、どんなにバカバカしいことでも真剣に取り組んで、その姿をお客さんに見せるんであれば、別のキャラに成り切らないことにはできないって思ったからだよな。
──そういう気持ちに変わっていったのは、『ハッスル11』(2005.7.15/大阪府立体育会館)で、インリン様と対戦する辺りぐらいからですか?
川田 そのちょっと前くらいからだな。
──あと、『ハッスル8』(2005.3.18/両国国技館)では、小川選手とハッスル軍キャプテンの座を賭けて観客ジャッジメントマッチで対戦されましたよね。
川田 あの試合は、ハッスルでのドラマとしては良かったんじゃないかって思うよ。
──良かったというのは?
川田 だって、普通だったら、試合に負けた選手が勝負に勝つってことは考えられないわけだから。
──試合では川田選手が小川選手に敗れたんですが、PPV観戦者と観客の投票で川田選手が勝って、結果的には2-1で逆転勝利を収めたんですよね。
川田 本来であれば、試合の勝ち負けだけじゃなくて、お客さんも満足させないといけないっていうのは、プロレスがやらなければいけないことなんだよな。そこの根本的な部分をハッスルがやって見せたっていうのが、俺は大きいと思うよ。
──そして、『ハッスル12』(2005.9.10/愛知県体育館)で、ハッスル軍を裏切って高田モンスター軍入りと。この辺から、川田選手が吹っ切れたようにも感じるんですが。いかがでしょう?
川田 やっぱり“高田総統の相方”になれたっていうのはあるよな。しゃべる部分でもそうだけど、それは大きいよ。
──高田総統とは最初から息が合っていたんでしょうか?
川田 そうだな。これはもう、最初から持ってるものだと思うよ。だから、俺の場合は、オープニングがあって、試合もあって、最後に高田総統劇場で総統との掛け合いもあるわけじゃない? だから、これが全部上手くいくと、終わった後はホッとするよな(笑)。
──じゃあ、高田総統との呼吸はバッチリと?
川田 公私ともにな(笑)。
──では、『ハッスル1』から現在に至るまで、強烈な個性集団の中で川田選手が進化しながら生き残れたのは、どうしてだと思いますか?
川田 それは、橋本選手や小川選手、それと高田総統と違うのは、俺は一番になりたくないからだな。一番上に立つのが嫌いなんだよ。だから、高田総統とも息が合うんだと思うし。だって、なんでプロレス団体がこんなにいっぱいあるかって言うと、結局はみんなが一番になりたいから自分が好きなことを興すんであって、俺はそれが好きじゃないから。2番目くらいで自由にやってるのが好きなんだよな。
──確かに、川田選手のこれまでのレスラー人生を振り返ってみてば、その通りですよね。
川田 この業界は、一番になりたがる人が多すぎるんだよ。それは悪いことじゃないんだけど、自分がいるところのトップを抜いて一番になろうと思う人は少ないんだよな。だって、自分で新しい団体を興せば自分が一番になれるわけだろ。だから、最初は2つしかなかったものが、こんなに分かれちゃったんだよ。
──この業界の面白いところですよね。
川田 だから、俺は今のポジションが好きだし、アン・ジョー司令長官もあのポジションが好きだから続けてられるんだよ。
──モンスター軍が一枚岩と言われている、大きな要素ですよね。
川田 でもまあ、いつ誰が裏切るかわからないけどな(ニヤリ)。
──また、そんなことを(笑)。
川田 何が起きるかわからないのがハッスルだからな。
■「俺は観てくれる人たちを驚かせたいんだよ」

──ハッスルのリングで“歌って、踊れる、真のハッスラー”という地位を築いた川田選手にとって、これからの野望は?
川田 野望って言ったら、俺はハッスルのリングでお笑い芸人とは今まで絡んできたけど、そうじゃなくて、「えっ!? こんな人と?」ってみんなが驚くような人と絡んでみたいよな。去年のマニアで、司令長官が泰葉と闘ったみたいなのをさ。
──ちなみに、どんな人と絡んでみたいですか?
川田 そうだな……アイドルとかかな。
──アイドル(笑)。
川田 あとは、ジャニーズだな。
──あっ、それは観てみたいですね(笑)。
川田 でも、誰でもいいってわけじゃないんだよ。やっぱり、ワイドショーを賑わせてるような人じゃないとダメだよな。で、それをやってこそ、俺は“真のハッスラー”になれると思うんだよ。だから、司令長官は素晴らしいよ。あと司令長官に残ってるのは、歌だけだよな(ニヤリ)。
──話題の人と絡みたいっていう部分で、川田選手は後楽園大会のオープニングで数々のお笑い芸人と絡んできたわけですけど、やはり対抗意識みたいなのは常にありましたか?
川田 それはもちろん、ハッスルのリングでは負けたくないっていうのは常にあるよ。
──お笑い芸人よりも笑いを取りたいと?
川田 それもそうだけど、俺は観てくれる人たちを驚かせたいっていうのがあるんだよな。
──「川田利明がそこまでやるか!?」みたいな?
川田 そうだな。でもさ、さっきワイドショーを賑わせてる話題の人と絡みたいっていう話をしたけど、確かにそれも大切なんだけどさ、やっぱりワイドショーを賑わせるようなハッスルになってもらわないとダメなんだよな(笑)。世の中の流行や話題を発信するアンテナショップみたいに、ハッスルから発信されて、逆にハッスルに行けばそういうものを得られるっていう場所にならないと。
──例えば、ハッスルのリングで、芸能人が婚約発表や離婚会見をやってもいいわけですからね。ついでに、慰謝料争奪マッチをやるとか(笑)。
川田 そうだな。まあ、●●●●が離婚してくれたら、一番の話題になるんだけど(ニヤリ)。
──(無視して)順調にこのペースで行くと、4、5年後くらいには200回を迎えることになりますが?
川田 そのときは、俺が総統になってるよ(ニヤリ)。

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